『男たちの旅路』(1976年~)
先頃亡くなられた山田太一さん脚本のドラマ。
名作と名高い『岸辺のアルバム』や『ふぞろいの林檎たち』は観ていませんが、
この『男たちの旅路』は何編か観ています(たぶん親が観ていたんですね)。
リンク先で全エピソードが紹介されていますが、
私の記憶に特に残っていたのは「車輪の一歩」でした。
戦中派の価値観を体現している主人公が、
車椅子の青年たちが社会に出て行くためには
「周りに迷惑をかけることを恐れてはいけないんじゃないか」
と語るところ。
主人公も、簡単にこの言葉を言っているのではなくて
いろいろと考えあぐねた末の言葉なのだということも含めて
私の中に残り続けています。
その実践として、車椅子のお姉さんが駅の階段の下で
「私を上まで上げてください」と頼み、
通りすがりの人たちが手を貸すというラストシーンも好きでした。
先日、追悼番組を見ていたら、やはりこのエピソードが取り上げられていて、
山田太一さんご自身が、最近は駅にもエレベーターがあるようになって
車椅子の人も自力でホームに上がれるようになった、
でも、人と人との関わりは薄くなってしまっている、というようなことを
話していらっしゃいました。
ちなみに、あんまり内容は覚えていないのですが「冬の樹」の
「TV局から出てきたロックグループ」がゴダイゴだったのは覚えています。
私がゴダイゴを知った最初は、そのシーンだったんですよ(音楽番組ではなく)。
実在のグループでよかったんだろうかと思っていましたが、
ミッキー吉野さんがドラマの音楽を担当されていたんですね。
あと「釧路まで」というエピソードがあったことはまったく記憶にありませんでした。
なぜ釧路・・・? 最果てのイメージ?
【追記】24.01.02
山田太一さん脚本のドラマはもう1つ、
『日本の面影』もありましたね。
(うっかり忘れていました)