脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

ビデオレターでご挨拶ー小布施町脳のリフレッシュ教室交流会

2021年01月12日 | エイジングライフ研究所から
長野県小布施町には2002年から、認知症予防活動の指導のために毎年2回は伺ってます。もう第二の故郷のようなものです。
その小布施町に行けません。小布施町には各地区に、原則自主活動による認知症予防のための「脳のリフレッシュ教室」があるのです。その交流会を去年の2月には実施できましたが、令和2年度の事業は取り掛かることすらできませんでした。私の講演会も延期が2度あって最終的には中止。

保健師さんから「各教室に伺って皆勤賞をお渡しするので、その時にビデオレターを見せてあげたい。それと色紙も渡したい」という申し出がありました。
「動画を撮って、ユーチューブにあげてそちらで見てもらうのは?」といってみましたが、「普通の動画でいいです」ですって。
アバター作ってみたのですが(笑)

もう10年以上も小布施町では「認知症予防」をテーマにした話を続けてきました。どういう形で保健師さんの希望をかなえてあげようかと思案しました。私にできる範囲で、ですが。
スクリーンにパワーポイントを映して話してみることも考えましたが、それではいつもと同じことになります。パワーポイントの画面をもう少し整理して、フリップを作ってフリップと一緒に写ってみるのはどうだろうと思いつきました。
とにかくこの想定外のコロナ騒ぎで、高齢者や持病がある人がが罹患したら大変ということが言われていますよね。それと同じほど、三密回避が認知症を招くということを知ってもらわなくてはいけません。

最初のコロナ騒ぎから1年近くたちました。最近「フレイル」ということが言われてきています。使い方が足りないと足腰の筋肉が衰えてロコモティブシンドロームを起こしてしまう。口腔の筋肉が衰えてオーラルフレイルになると飲み込みに支障が出るので栄養不良を起こしてしまうというようなことに対する警鐘です。
よくチェックしてみると、社会的参加が減ることにも注意が必要とされていますが、大体は足腰と口腔の筋肉のことと思われているようです。
脳も同じです。使い方が足りないと、もともとある老化にさらなる老化がかぶさってしまうのです。その先に認知症が・・・

小布施町では、このスライドも何度も使って説明してきました。
「突然ボケることはない。世の中でいわれるボケた状態(大ボケ)の前に、中ボケがあり、さらにその前には小ボケがある。もちろんその前には普通にその人らしく暮らしていたのです」
「人生の大きなできごとや大きな変化に負けて、それまでのその人らしく暮らしてきた生活から一変して、趣味も生きがいも交遊も運動もしないような、つまり脳の使い方が足りないナイナイ尽くしの生活になると、使わないことによる脳の老化の加速が起きてしまう。小ボケ中ボケの期間を過ぎて6年もたつと回復できない大ボケ(世の中ではこれをボケたというわけです)になります」
そして
「脳を使うということは、三頭立ての馬車を動かすようなもの」という説明とともに使ったのがこの図です。

「どんなに立派な馬を持っていても、馬車を動かすカギは、御者である前頭葉の働き方如何にかかってます」
「前頭葉は自分らしさの源。イキイキとした楽しい生活は自分で工夫して(工夫も前頭葉機能)見つけるしかない。自分が『よし!自分らしく生きている』と思えるような生活をしなくては、それは認知症への道を選んで進むようなもの」

こういう話をしようと思います。そしてもうひとつ。

ただ長生きさえすればいいのかどうかも、じっくりと考えていただきたいと思っています。日本一、体も脳も元気な小布施人であってほしいと思います。


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