脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

邑南町・ハンザケ・じろうさんの家

2006年09月03日 | 認知症予防講演会

タイトルは3題話みたいですが、遅ればせの報告です。

8月20日に邑南町に行きました。邑南町は平成16年10月1日に羽須美村、瑞穂町、石見町の三町村合併により新しく誕生しました。場所は島根県ですが、広島県境に接していますから、広島空港が最寄り駅になります。中国山地特有のなだらかな山々に囲まれた静かな町です。

当日の会場は邑南町健康センター元気館でした。
P1000019 会場いっぱいの入場者に担当してくださった大矢輝美保健師さんは大満足。
町長さんは大びっくり。びっくりしなかったのは私だけ。
何しろこの会場にこれだけの入場者があったのは、初めての出来事だそうですが、「ボケは防げる治せる」というテーマで講演会を開くと、大体予想人数の1.5倍から2倍の方々がいらっしゃいます。

準備した資料が500。追加した資料が250。ちゃんと1.5倍でしょ?

Ounantyo001 こんなに心のこもったお礼状をいただくと・・・・・ほんとにうれしいです。
これからもできるお手伝いは何でもしますから、いってください。

瑞穂ハンザケ自然館 ハンザケって何かはこのHPを見てください。

じろうさんの家 私が泊まったペンションです。生き方に筋が通っていて、趣味が豊富でこういう生き方をしている人がいるのだと感心しました。オーナーのじろうさんが「地域のために何かしたい」と言われました。
「お手伝い」「ボランティア」「送迎」「配食」etcをイメージしているような印象を受けましたから、次のようなお話をしました。

P1000009今回 邑南町で、認知症サポーターの勉強会にオブザーバーとして出席しました。
認知症サポーターは「地域で認知症を支える人材」の意味のようでしたが、出席者の皆さんは、「ボケさせないために」動き始めているのが実態でした。

たとえば、「一人暮らしのおばあさんのところによく通ってあげていた近所の人が入院した。そのうちおばあさんがなんだかちょっと変。そこでサポーターの出番。訪れる回数が増えた結果、前より元気になった。」

「どういう風にぼけ予防教室を始めようか!」

「集いに出てくれる人たちは、確かに元気になる」

興味深い発言がひとつありました。「特養にお話に行ったのだが、たった3時間で本当にくたびれてしまった。真夏の一日仕事でも音を上げないのだけど」
「その前があったのですよ。ふつうに楽しくお話ができるときが。話が通じなくなってより、話が通じるときにしてあげることのほうが、双方の喜びにつながります」という私のコメントを皆さんが深くうなずいて聞いてくださいました。

だから、じろうさんに期待することは、「邑南町で『遊び方を知らない人たちに遊び方のコーチをすること』『こういう時間のすごし方ができるんだと体験の場を提供すること』です」と、私は力説しました。

そういう「サロン」ができれば、すばらしいこととワクワクしました。おしゃれでイキイキしたお年寄りが増えるのです!
一方で、「ボケ予防教室との差」についても考えました。たった一つです。脳機能テストの有無。脳機能テスト結果による生活指導の有無。やはり保健師さんは地域のボケ予防活動にとって不可欠の人材です。