脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

認知症介護者の会「夕映えの会」

2013年04月15日 | 正常から認知症への移り変わり

香川県高松市に認知症介護者の会「夕映えの会」という団体があります。そこの藤田さんとはもう長いお付き合いをしています。20周年記念のイベントがあるということで、コメントの依頼がありました。

4月10日の我が家の庭の花 

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20周年、おめでとうございます。

生まれたての赤ちゃんが成人する期間です。輝かしい希望にあふれた20年。<o:p></o:p>

65歳の私が(生きていれば)85歳。自分らしく人生を終える覚悟が求められる20年。<o:p></o:p>

その人生のラストステージの20年間に自分らしさを失くしていくのが認知症です。認知症のご家族を介護している方々が、悩みを本音で話す場として「夕映えの家」はスタートしたと聞いています。<o:p></o:p>

その「夕映えの会」が次の活動のステップとして地域サロン「山本さん家」で認知症予防に取り組まれていることには、大きな意味があります。<o:p></o:p>

重度の認知症介護で苦労した方々が「元気な高齢者に働きかければ認知症は予防できる」というのです。私たちエイジングライフ研究所の主張と全く同じです。この活動が大きく育ち、認知症予防の考えがもっと広がって社会に希望を与えていただきたいと願っています。

P1000148_2藤田さんとの出会いは、私の高松市での講演の後に「いわれていることがよくわかります」とわざわざ言いに来てくださったところからです。10年以上も前のことです。

当時はまだボケという表現でしたが
「確かに大ボケになるずーと前に、正常なときがあって、少しずついろんな困った症状が出てくるということは、母を見てもその通りでした。
大ボケになってからの介護は、それは言葉に尽くせない苦労がありました。
(だから「夕映えの会」を立ち上げたのですね)

母もかわいそうでしたし、私もかわいそうでした。

もっと前に手を打つべきだったのですね・・・」

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(例えば、夜中に騒ぐとか(時の見当識障害)、徘徊するとか(所の見当識障害)、家族もわからないとか(人の見当識障害)。

今食べたことも忘れるような激しい記銘力障害。

食事や着衣、トイレなど自分の身の回りのこともできない状態。

不潔な行為。暴力行為。幻覚、妄想。などですね)

早めに受診しても、なかなかボケはじめといってくれる先生がいません。
手が打てるように、ボケを早期発見できるようにしてください。がんばってください!」といわれました。

多くの市町村がエイジングライフ研究所のノウハウを導入し、少しずつ保健師さんたちが手ごたえを感じ始めてきたころ平成の大合併の嵐が。
認知症予防に関しては、合併ははっきりとマイナス要因として働きました。

P1000156藤田さんが望まれたように、どこの市町村においても、アルツハイマー型認知症を脳の老化が加速されたものとして、早期発見し生活改善指導をするシステムづくりや、認知症予防教室開講、その教室を自主活動化させていくという、エイジングライフ研究所が活動の当初から目指してきた体制つくりは、残念ながらまだまだ道遠しです。
もちろんがんばっている市町村もありますが。

コメントにも書いたように、重度認知症のご家族の介護をした皆さんが
「認知症で苦労をしたからこそ、他の人を認知症で苦労させたくない。認知症は打つ手がないと思っていない。自分たちは間に合わなかったけれども、もっと早く手を打つことが出来さえすれば・・・」
その思いの延長線上に認知症予防のための地域サロン「山本さん家」の開設があるのです。
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藤田さんたちは「認知症になっていない高齢者に集いの場所を提供したら、確かに元気になった」と「山本さん家」で実感しています。

その通りなのです。

この息の長い活動にもう一つ必要なものがあるとしたら、客観的な指標や評価です。
それさえあれば、もっと自信を持って皆さんに認知症の正体やその予防を伝えることがができるのですけれど。


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