脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

高齢者虐待?いつも物差しは脳機能!

2009年08月18日 | 二段階方式って?

保健師さんと電話で話しました。
またもや二段階方式の有用性に気付く話題だったので報告します。

Photo_2 娘が65歳のお母さんの頭を殴って警察沙汰。
「高齢者虐待に違いない」ということで、保健師さんがかかわったケースです。

家庭事情は結構大変で、もともと子供三人の娘一家に、昨年から娘の実母が同居を始めた。一方で娘夫婦は離婚。離婚とは言っても、別居しながらも週末、元夫が来宅したりする。

さらに、小2の末っ子は、アスペルガーかADHDの疑いがあるといわれていて、夏休み明けに精密検査が予定されている状態。Photo_5 

事件の発端は、夏休みにお父さんが来ることになっていたのに、所用で来れなくなった。
そこで小2の男の子は、おばあさんに強くねだってお父さんの所に連れて行ってもらった。(我慢できないところが、この子の一つの問題)
ところが、お父さんは不在だった。Photo_4
そこで祖母は、買い物その他で孫の機嫌を取った。(「甘やかし」かもわからないが、そうするしか収拾がつかなかった可能性もある。この点も、この子の問題を示唆する)

夜分帰宅した母親が事の顛末を聞いて激怒。
孫をかばった祖母の頭をバットで殴って警察を呼ぶことになった。

というような事件でした。しかもこれが初回ではないというおまけ付き。

子供に対する日常的な虐待もあるのではないかということになったために児童相談所にも話を持って行ったところ
「今回、子供は暴力を受けていない(祖母がかばったためですが!)ので、管轄外。アスペルガーその他の鑑別に関しては今後かかわりを持つが、今回の事件は認知症の母親に対する娘の虐待行為ととらえるべき」強く主張されたそうです。Photo

児童相談所の方から「認知症」といわれたのです。
ボケに関しては、保健師さんのほうがはるかに理解は深いはずですよね。
当然二段階方式で、認知症の有無・レベルなど客観的に測定したそうです。

なんと、MMS30点満点
かなひろいテストの正答数32.なおかつ最後まで読み通し、内容把握もできたというのですから、脳機能に問題はありません。Photo_2

事の判断もできず、身を守ることもできない高齢者に対する虐待というのではなく、娘による家庭内暴力の側面がいちばん強いように思いました。感情をコントロールできないで暴発させてしまう・・・
保健師さんも同様の見解でしたが、精神科受診をなかなか納得してくれないだろうと思案顔でした。

この65歳の祖母は、去年急病を発症した際、別所帯だった娘に連絡をして救急入院の手はずをとることができたり、高齢の姑の世話を一人で続けていました。
今回も本人が意識的に孫をかばって負傷しているのですから、普通に言われる高齢者虐待とは違います。2009_0814_071600p1000020_2

脳機能テストって便利です。
いつも言うように、何のために脳機能を測るかというと生活をどのようにしているのかを知るためです。
ボケがらみだと、できない、困っていることを知ることが先決になりますが、今回のように困っていないという証明もできるんですね。


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