脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

平泉便りーその2

2008年12月09日 | 二段階方式って?

勉強会の報告です。

二段階方式を導入して、しばらくたつと「生活歴聴取が難しい」という声を聞くようになります。つまりテストもできる、30項目問診票を使って生活実態を知ることもできる、でも生活歴のところが・・・ということなのです。

でも、たまにはこのようなお便りをいただくこともあります。

N県T市 K津さんからのメールです。(2008年9月)

「高槻先生お元気ですか?
  とても感動した!!このことをお伝えしたいです!!
ワクワクして、鳥肌が立ちました。やっている最中はこのことで頭がいっぱいになりました。そこで思い切ってメールします。
  介護予防教室に週1回参加している方の検査を比較した時に、想起から導かれる期間にブレが全くなかったのです!
  私は、予防センターの効果が上がったということよりも、この事実に胸が震えました。先生が、1万件以上の症例から導きだした二段階方式とは、この積み重ねだったのでしょうか?
  先生に伝わったでしょうか?私達って、すごいことをしているんですね!あらためて感じた最近のことです。」

M山保健師さんP1000004_3

平泉での勉強会の終わりに、M山保健師さんが
「私、生活歴を聞いてみたら皆さん答えてくれたのです。ほんとに自覚していらっしゃるのですね。びっくりしました」
M山さんはごく自然にサラリと言ったのですが、それを聞いた私のほうこそびっくりしました。

「どうやって聞き取ったんですか?」

「テスト結果を基にして、マニュアルに書いてある通りに聞いただけです」
「時期がずれてしまってることを言われることもあるのですが、マニュアルに書かれた時期に合わせるように聞きなおすだけです」
「マニュアルを信じて聞きます。時期を合わせて、体調・心配事・家族の変化など少し具体的に聞くと、不思議なほどスラスラとお話してくれるのです」

結構感動しました。聞き取ってくれたことにも、またそれを喜びと感じてくれている様子にも。これから、M山さんが住民の方々を相手にして生活改善指導をしていくことを想像すると、ワクワクします。

それはM山さんの喜びでしょうし、住民の方から言えば自分らしい人生の完走を実現できるということになります。

平泉町から言えば、幸せな住民が一人増えることと同時に介護負担が重くのしかかってこないということになります。
ほんとに保健師さんは町の宝です。

M山さんの話をしましたが、一緒に勉強した二人の保健師さんも自分たちがかかわったケース(結構たくさんありました)を傍らにフンフンと肯いて聞いてくれていましたから、きっと同じ実感を持っているだろうと思いました。平泉町の宝の紹介!
I藤保健師さんP1000005_3 P1000006_3                       S原保健師さん

講演会前に高橋町長さんとお話をしました。 「保健師さんたちががんばっていること。教室に参加できている方々は原則的に脳機能が維持または改善していること。住民はボケても安心な町ではなく、ボケない町を望んでいるはず」などと矢継ぎ早に話しました。

町長さんは穏やかそうな笑みを浮かべて聞いてくださっていましたが、話が一段落したところで 「ボケを無視できない歳になりましたからねえ」とおっしゃいました。

「町長さんが、今の生活、平泉町長として町のために心を尽くして生活なさっているときには、ボケとは無縁です!」

「ホッ、そうですか!」と破顔一笑されました。

「問題は、町長さんをお辞めになったときです。そのときどういう生き方をなさるのか、そこにボケるかどうかの鍵があります。要は生き方の問題なのです」ここで惜しくも時間切れ。

最後になんだか脅してしまったような気もしましたが、あの高橋町長さんなら、きっとイキイキと人生を生き抜かれると私は見ましたよ!

どこがかというと、理解の早さ・豊かな表情・穏やかな対応・ユーモアのセンス・・・すべて前頭葉が若々しいことを証明していましたから。あの前頭葉なら大丈夫!これからも「体の健康」と「脳の健康」どちらも大切になさってください。

ご活躍をお祈りします。(平泉が世界遺産に認定されることもお祈りします♪)


平泉便りーその1

2008年12月09日 | 認知症予防教室

平泉町では、いろいろと楽しいことがありました。
それなのに、実務研修会がありましたので、報告が遅くなりました。
まずは「いきいき発表会」
講演会に先立って、各地区の認知症予防教室のみなさんの発表がありました。
まず写真を見てください。私の腕では、いきいきさが今ひとつ出ていませんが、前回の発表とは様代わりでしたよ。
14区老人クラブ 玄米ニギニギ体操「外山節」P1000007_2青山センター長もリズムを取っていらっしゃいました。 P1000008_2

戸河内脳いきいき教室 前回紹介しました。扮装の勝利?イエイエ踊りも立派でした。P1000011 P1000015

20区元気か!脳教室 玄米ニギニギ体操「米節」昨日初めて参加した方、よくがんばってくれました。その方を一緒に誘ってくださる教室なのですね。そこが大切です。P1000017 P1000019

4区脳いきいき教室 合唱、歌詞がとても素敵な「磐井の里から」会場からの歌声もなかなかでした。「草津節(替え歌)」は納得の歌詞でした。P1000020 P1000022 スタッフも歌ってました。

「草津節(替え歌)」Img_2 P1000031 

この二つの歌を4区の皆さんに紹介したのが千葉岩雄さん。
「会議で胆沢町の人から聞いたんです。そのときにこれは使える
 と思って。今回発表したんです」
そこで私が「教室があるからこそ、そうやってアンテナを立てることになりますね。地区の皆さんのためでもありますが、千葉さんのためでもありますね」といったら、こんないい笑顔を見せてくださいました。

19区老人クラブ 玄米ニギニギ体操「きよしのズンドコ節」 大きい舞台を想定してフォーメーションを工夫してたのにちょっと残念でしたね。でも想定外の状況によく対応できました!P1000028P1000029

P1000024 宮城県や岩手県でよく見かけるのが玄米ニギニギ体操です。玄米を布製の袋に入れてダンベルのように使います。これを持って体操したり、踊ったりするのです。
どんな色の、どんな模様の生地を使うか?
口を締めるのに使う紐をどういうものにするか?
余り布で作るのが悪いとは言いませんが(”もったいない”を満足させられます)楽しい好みの玄米ダンベルを作ることを脳いきいき教室では勧めたほうがいいでしょう。
色を好き嫌いの基準で決める時には、右脳(と前頭葉)が活性化されますから。このダンベル素敵ですね。


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