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脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

続 57歳の息子を突然亡くした86歳の女性

2012年07月25日 | 各地の認知症予防活動

ランタナいろいろ
2012_0718_093800p1000089エイジングライフ研究所は、
「認知症予防活動は、もうけを生むことができない(お金が入ってこない)。そのために、予防することによって介護負担が増大しない(お金が出ていかない)ということそのものがメリットとなる自治体に、二段階方式のノウハウを渡して認知症予防活動をやってもらう」ということを、設立の理念として始めました。

それに先だって、各地で「住民のため」という思いを持って活動している保健師さんたちとの多くの出会いがありました。
それまでにはほとんど保健師さんについて知ることはありませんでしたから、新鮮な驚きでした。

2012_0718_093700p10000862012_0718_095500p1000096

前回のブログに書いた保健師さんから今朝もう返信メールをいただきました。

2012_0718_100100p1000097高槻先生

早急にお返事をいただきありがとうございました。

認知症の予防活動がまさにこういうところから始まるのですね。

お気の毒と思っていないで、しっかり介入できるのが保健師活動なのですね。

先生のコメントは。何時でも元気をいただくようで・・・気持ちが前向きになります。

ありがとうございました。以下略・・・」

2012_0718_093600p1000085保健師さんの存在を知った時に
1.赤ちゃんから高齢者まで、すべての年齢層に対しての活動ができる。

2.家庭にまで入り込んで活動することができる。

3.健康な人も病気の人も守備範囲。

なかなかない職業だと感嘆したことをまた思い出しました。
言葉足らずの文章でも、私の思いを酌み取ってくださったN山保健師さん。そして後輩の皆さんたち。

がんばってください!


平野保健師さんー大船渡市

2012年07月11日 | 各地の認知症予防活動

人生ってこんなことがあるのですね。

先月メールが飛び込んできました。
「ー略ー 実は7/6に東京に行く機会があり、もし先生も東京にお出でになることがあるのであれば、お会いしたいと思いまして連絡いたしました。
平日ですし、ご迷惑かと思いましたが、なかなか東京以南に行くことがないので、連絡をした次第です。ー略ー」

私はその7/6に東京経由で十日町に行く予定になっていました!
もちろん会いましたとも。

2012_0706_175900p1000032あまりにも話が弾んで、写真をとることを忘れていました。
別れる時にあわてて撮りました。

10年以上も前に研修会に参加したそうですから、その頃はどんなに若い、可愛い保健師さんだったのでしょうか?!
その後、母子担当を経て今は成人担当ということでした。

担当を外れたこともあり、もちろんあの東日本大震災もありで、「認知症予防はなかなか・・・」と残念そうに話してくれました。
「どうですか?認知症は増えてきてるでしょ?」と問うと
「担当者に聞くとそのようです・・・」
2012_0705_174100p1000093「エイジングライフ研究所の考えだと、あれほどのことが起きてしまうと、半年たつと認知症が始まるということになります。
そろそろ被災地に小ボケが・・・を書いたのは2011.9.19でした。

それから3か月後「予想的中・・・仮設生活に小ボケが・・・」では生活不活発病は体だけでなく脳機能にもあてはまることを言いました。

イキイキと自分らしく生きられない方が納得がいくともいえるほどの大震災だったんですよね。認知症は生活のありようで起きてくるものですから、当然脳の元気を失っていく人たちが増えてくることは、まさに想定内」2012_0705_174100p1000094

平野さんが話し始めました。
「私が最初にボケ予防教室を立ちあげたところ、一か所ですが、その後も自主活動が続いていたのです。
もみじ会と名前もついて、お揃いのジャケットも作ったりして、グランドゴルフを楽しんだりして。
そのもみじ会が、この前からみんなが集まって活動を再開したんです。
確かに皆さん元気な印象が強いです!」

今もこんなに若いのですから、ボケ予防教室を立ち上げた時にはほとんどフレッシュウーマンだったのではないでしょうか。
その時蒔いた一粒の種が、震災で大変な思いをした方々の生きる力になろうとしています。
2012_0705_174200p1000095「なぜ、もみじ会は自主活動につながったのかしら?」と問いました。

「最初に保健推進委員にお話ししました。『地域の問題なので』と町内会長さんにはなしを持っていってくれてました。
会長さんがとてもよく理解してくださって、公民館長さんともども協力的で、地域の皆さんを引っ張っていってくれました。会長をやめられた後も一住民として参加してくださって。
そうですね。認知症予防をよく理解してくれている強力なリーダーの存在が一つの条件になりますね。
そういう方がいるところは、婦人会の方も尽力してくれますしね!」2012_0705_174200p1000096_3

東北の各地でこのような脳の健康のためということを旗印にした集まりができてくれるといいのです。

実は今夜大船渡市のうさぎのしっぽ代表の熊谷さんから電話をいただきました。
「一度教えてあげると、また挑戦する方が多くて。布と針を持って、チクチクすると楽しいようです。
私もちょっとでも皆さんのためになれたら嬉しいです」

私はこのような言葉を聞くと嬉しいです!
復興はまだまだかもしれませんが、どうぞお元気でと祈る気持ちでいます。


講演会in開田高原

2011年11月19日 | 各地の認知症予防活動

この講演会に関して、一番に報告しなくてはいけないことは、講演に先立って予防教室の方々による発表が行われたことです。
10月に入って、木曽町のY保健師さんとの打ち合わせの中で、私がふと思いついて「教室の方々に発表していただいたらいいんじゃないの?」と言ったことが始まりでした。電話の向こうで一周固まった感じがしましたが(笑)

Y保健師さんにとっても予想外のことだったわけですから、それを持ち掛けられて教室の皆さんもびっくりされたと思います。
最初の話をかけた時に「意外や意外。案外、乗ってくれるものなのよ。認知症の予防教室というのは積極的な楽しい生活の大切さをを教えるものだから」と説明しておきましたが、「地域性もあるし…」とどうなるか楽しみにしていました。

会場入りすると、おしゃれなむらさきグループが!胸にはブローチまで付いています。後で聞いたのですが、皆さんで図って風呂敷で衣装を作り、ブローチをつけることも全員一致で決められたそうです。2011_1101_132800p1000203 2011_1101_132900p1000204                                              

保健補導員会長挨拶(素晴らしかった!)2011_1101_133100p1000205        このリーダーさんの挨拶も!2011_1101_134000p1000207

合唱「青い山脈」 重唱「もみじ」 輪唱「かっこう」2011_1101_133800p1000206

最後の輪唱は会場を巻き込んでの大合唱になりました。
先日の塩竈市でも書きましたが、本当の認知症予防のためには、皆さんの生き方や人生観が変わっていくことが必要だと思うのです。
演じられるものの優劣よりも、どのくらい楽しみ、またその楽しんでいる力がどのくらい観客の方にも浸透するかというようなことを、私はいつも感じながら拝見しています。
左の男性群は、自立した生活をしながら、楽しみごとにもあれこれと意欲的、積極的に参加していらっしゃるとのこと。さすがですね。

寒くなったことでしょう。皆さま風邪にご注意ください。そして滑ったりしないでくださいね。

言い忘れていました。役場の方でしたが、どなたかが「この会場にこれだけ人が入ったのは、見たことがない」とおっしゃったのが聞こえました。今年2月の木曽町日義地区での講演会でも同じ言葉が聞かれたのです。本当に「認知症予防」は興味を持たれているテーマなのです。
保健師さんたち。住民の希望にこたえてあげましょう。

開田高原からも記念写真が、すぐに届きました。ありがとうございました。


12年目の「脳げんき教室』との再会ー元気な塩竈人

2011年11月05日 | 各地の認知症予防活動

塩竈市のK田保健師さんからお知らせが来ました。「ダンベルサークル・元気教室交流会で元気になろう !」という催しがあるのです。

「脳げんき教室!、懐かしい」
丁度、一関市や気仙沼市に伺う時でしたから、お邪魔することにしました。
当時一緒に勉強した保健師さんたちが、なんとまあ定年を迎えられていたり、結婚されていたり・・・

12年の歳月を感じさせられました。2011_1026_081000p1000103

朝早く家を出て、東北新幹線「はやぶさ」に、乗ってみたかったから乗って行きました。私はこうやってちょっとでも旅を楽しみます。

塩竈市へは、講演や勉強会など何度も行ったものです。
仙台からの電車の車窓から、震災の爪痕はいかがかと、一生懸命街の様子を伺いましたが、見える範囲はごく普通の日常的な町並みが続いているだけでした。
会場に向かうタクシーの運転手さんにお見舞いを言ったら、震災時の体験を話し始めてくださって、会場についても話が止まりません。7か月の時が過ぎたので、話せるようになったのでしょうし、話すことで少しはショックを越える御手伝いができれば幸いなことと耳を傾けました。一見平穏な街の様子と「あの時」のギャップの大きさに改めて気づかされました。

さて会場は大盛況。
お隣、多賀城市民サークル「多賀モリ会」の皆さんの「多賀城元気モリモリ体操」の挨拶が始まっていました。2011_1026_113600p1000114

写真右の星さんが「運動機能低下に運動を積極的にすることで立ち向かうのと同じように、介護予防にも取り組みます」という趣旨のご挨拶で正しいアプローチだなと感心していたら、このサークルは、二段階方式をお教えしたT野保健師さんがたちあげたとか。
平成19年より95名で開始して、現在15班で自主活動になっていると聞きました。

ステージ上で「多賀モリ会」の面々が、活動的な「365歩のマーチ」に乗った体操と、「川の流れのように」が流れる穏やかな体操を繰り広げます。
「会場の皆さんもご一緒に」の呼び掛けにこたえている様子です。2011_1026_110900p1000113 2011_1026_110900p1000112         

500人くらいはいらっしゃったと思います。皆さんが一斉に体操を始められるのを見て、12年前から始まった「脳げんき教室」の一つの成果だと思いました。

脳機能検査を取り入れた教室の運営が、さまざまな要因で困難になっていると聞いていました。当初の形でそのままに続いている教室は、あまりないのかもわかりませんが、精神が息づいていると思いました。
私の目の前のグループは皆さん黒で統一された服装で胸元には手作りのひまわりブローチというおしゃれさ。カメラを向けた方は89歳 2011_1026_114500p1000117

「『梅の宮高砂クラブ』は、最初に手掛けた教室!いまだに続いているのです!」とK田保健師さんが教えてくださいました。

「まあまあ」とひとしきり盛り上がり、記念写真も撮っていただきました。帰宅したら、私よりも早くその写真が届いていました。リーダーの宮本さん(前列右)が封筒までご用意くださったそうです。Img_0001

ひと月3回の午前中だけの教室ですが、目的が「心身の健康づくり」と明確なところがいいですね。「脳の健康のため」ともっとはっきり打ち出した方がいいかもわかりません。
楽しげな雰囲気が伝わってきました。

脳機能検査があると、この12年間で、脳機能は改善していることがもっとはっきり分かるのに・・・ちょっと残念でした。
長期間追跡した脳機能テスト(小布施町と豊科町)

最後は「創作リズムダンベル」会場をAとBの2グループに分けてダイナミックなダンスを見せていただきました。右半分と左半分が違うダンスをしていることに注目!
誰でも感動すると思います。それほど見事でした。

でも私はもう一つ感慨深いものがありました。
これだけ広い会場で、とにかく集まった高齢者全員が誰もためらいもなくダンスに参加するということ、そのものにです。
そういう生き方が身に付いている、ということではないでしょうか?
これが、12年も前から塩竈市が取り組んできた「認知症予防活動」の一つの成果ではないかと思うのです。事業の名前はいろいろに変っても、「体と脳の健康づくり」を念頭に置いて、市民の皆さんに接してこられたということでしょう。これからもがんばってくださいね。2011_1026_120100p1000121

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指導の金澤先生。びっくりするくらいの若々しさに理由をお尋ねしたら
「この体操と出会ったからだと思います」
そこで私
「もしも、1人で毎日体操をしている場合、とこのように多くの方に教えてあげる場合と同じですか?」
金澤先生、笑いながら
「そうですね。一人でないところが一番効果的だったのかもわかりません」

繰り返しますが、これだけ多くの高齢者が、一斉に体操ができるということそのものに、そのような生き方ができるということそのものに、私は感動しました。
保健師さんたちの保健指導あってのたまものだと思いました。


宮城県はがんばっています

2011年08月18日 | 各地の認知症予防活動

私が今回の東日本大震災で被災された宮城県の多くの町を、ボケ予防の講演会や保健師さんたちの勉強会で訪れたことがあることは前の「岩手県田野畑村」にも書きましたね。
エイジングライフ研究所二段階方式の認知症予防活動のツールを導入し継続している市町村は、合併後でも17市町村あります。
月下美人(一夜花です)2011_0812_205100p1000219

もう15年くらい前の話です。当時宮城県知事をなさっていた浅野さんと面識がありました。浅野さんが「ボケ予防」に理解を示してくださって塩釜保健所、気仙沼保健所などが、市町村のボケ予防活動のバックアップをしてくれたのです。

もう一つは、国保中央会主催の「保健婦等老人性痴呆予防活動指導者養成事業」の委託を受けて平成10年から3年間実施しましたが、そこからスタートの町もあります。

一緒に活動したのはずいぶん前のことですし、それ以前に今回の震災の被害状況もはっきりしない中での電話でしたから、ほんとにドキドキしながら掛けたのです。

嬉しいことに電話の向こうの保健師さんの声は
「懐かしい。電話をありがとうございます」といった気持ちが伝わってくるものでした。
朝の月下美人2011_0813_063700p1000221

私の電話の目的は、遅ればせですが何よりお見舞い、そしてもう一つが
「3.11の時、正常だった高齢者をボケさせないで」ということでした。

生活が大きく変わって、ナイナイ尽くしの状態が半年続くと、脳機能検査の結果にもはっきりとその低下が見えるようになってきます。
その時になっても、まだ大丈夫。
本人が納得できる能力はまだ十分に残っていますから、よくよく認知症になるメカニズムを説明して生活改善指導をしてあげれば回復は可能ですから。

保健師さんたちが忙しいのは承知の上ですが、一日でも早く高齢者の方々に手を打っていただきたいと思ったのです。震災後もう5カ月ですから、どうしても電話をしなくてはという思いで受話器をとることができました。
つぼみは上向き2011_0813_063700p1000222

役場が流されたところもありました。

海に面してないために、大きな被害をこうむることがなかった町もありました。そのようなところも、被災された方々を受け入れて訪問をしていると異口同音に言われました。

「仮設住宅に集会所があるけど、人の顔もわからなければ、近所の地理もわからない状態で、コミュニティができあがるかどうか…と悩んでいます」という声もありました。

ところが、沿岸部を抱えている七ヶ浜や塩釜や名取の保健師さんたちから、うれしい話を聞きました。
「ボケ予防教室をやっていてほんとによかったと思いました」

何と、ボケ予防教室をもう10年以上も続けてくれていたというのです。
ボケ予防教室が、一般的な介護予防教室や転倒予防をテーマに据えたものになっているところもありました。このようにそれぞれの町で違いもあるでしょうし、一つの町でも2011_0813_070500p1000224
「一応全地域に教室ができました」
「教室によって温度差はありますが、自主活動が原則で、保健師は手伝いや脳機能検査にいくだけのところもあるのです」
「活動が活発なところは、必ず活動を引っ張るリーダーがいます」

こういう町の震災後の動きは、そうです田野畑村と同じなのです。

大体3カ月目ごろになると、高齢者の方から
「こうして引っこんでるとボケてしまう」
「集まるだけでもいい」
「みんなの顔を見て話すだけでもいいから」と活動が始まったのだそうです。

「会長さんが熱心なところほど早く動き始めました」
「仮設住宅だったのですが、ボランティアさんたちの協力体制も早くに整いました」
「元々、活動が活発なところほど動き始めが早かったです」2011_0813_070900p1000228

10年以上も前にまいた種が、あの宮城県で実をつけています。

予防活動は、どうしてもあとまわしにされる活動です。多忙な保健師さんたちが、「ボケ予防活動」を続けてきてくださったことに、深い感銘を覚えました。

もし先行するこの活動がなかったら、保健師さんも驚くような住民パワーが発現されたでしょうか?

ほんとうにありがとうございました。身体に気をつけて、大変な中にも幸せや楽しさを見つけて頂きたいと思います。


岩手県田野畑村ーよみがえった認知症予防教室

2011年08月16日 | 各地の認知症予防活動

わたしは今回の東日本大震災の被害をこうむった多くの市町村に伺ったことがあります(岩手県と宮城県)。
震災の直後は、ご連絡するのもはばかられると思っていましたが、そのうちに「怖くて様子が聞けない・・・」という気持ちになっていきました。
朝の散歩の途中で

でも、もう5カ月。お盆も来るし。
そして何よりそれまでの生活が一変してナイナイ尽くしの生活に陥り、半年経つと、前頭葉機能の低下がはっきりと検査でもキャッチできるタイミングになるのです。
ナイナイ尽くしの生活は、生きがいもなく、趣味を楽しむこともなく、交友もなければ運動もしない何もやらない生活です。よく世間では「硬くて、まじめな仕事一筋の人が退職して3年たつとボケる」というでしょう。あの立派な方が、退職後家から出ずにどこへも顔を見せない、家では新聞読みながら居眠りしている、そのような生活ぶりを想像してくださればいいと思います。
今回は、「やらない」というよりは「やれない」状況が起きてしまったのですが。
そこはよくよくわかります。
家や仕事や家族を失った高齢者の方々の心中を思うとその過酷さは想像を絶するものがあると思います。「何も考えられない。何もできない」これであたりまえでしょう。
避難所、そして仮設住宅と環境が整うとかえって直後にもまして日ごとに暗澹たる思いが迫ってきたかもわかりません。

私は「でも・・・」というしかありません。この上にさらに「ボケてしまう」ということはさせたくありませんから。もう保健師さんたちの出番だと思って、重い腰を上げました。
一番最初に電話をかけたのが、岩手県田野畑村。K保保健師さんにつながるまでドキドキ。
耳に飛び込んできたのは、明るく元気な笑顔までが想像できるような声でした。そこから続いたうれしい話を報告します。

「実は教室がもう動いているんです!
介護予防教室の『はつらつ教室』があったんです。田野畑では介護予防は二本柱。寝たきり予防と認知症予防。寝たきり予防には体操で、認知症予防にはみんなで集まって、ゲームや歌や右脳を使ってということが皆さんに浸透していたみたいです」
「あの後しばらくしたら、浜(当然大きな被害が出たところです)の皆さんの方から『やりたい。やらねば』という声が出てきたんですよ。びっくりもしましたがうれしかったです。」                  
「さっそく再開のめどをつけて、皆さん楽しまれています。『話して笑うことが大切だねえ』とこちらの言いたいことを言ってくれます。
先日は、『そろそろみんなで手仕事をしたいね。でもみんな流されて、針一本ないんだもんね』と話されていましたが、みんながいるせいでしょうか、暗くないんです。(私送りますから待っていてください!)

続けて被災地でないところも教室が再開されました」                「その他にも、仮設住宅の中の集会所を使って、遊ばせ上手な幼稚園の先生をやった方が、ゲームやレクや体操もやってくれています。
二週間に一回ですが、皆さんが楽しみにしてくださってるのと、やはり生活に変化が出てくるので、脳にはとてもいいと思います」
どうしてこんなにうまくいってるのかという質問に対するK保さんの答えです。

「エイジングライフ研究所の言うとおりにしたんですよね。
小さい村なので、教室はまとめてやりたかったのですが
①地区ごとに。隣近所で顔がわかるほうがいい。できれば歩ける範囲で。
②かくしゃく高齢者のいるところで、その方によく理解してもらって。
③ボランティアさんを意図的に引き込む。
④子ども会との交流も図る。
そのようにしました」ちょっと笑っているみたいでしたね。

「5回は保健センターがかかわって、パワーポイントや小冊子を使って、認知症予防の理解を深め、右脳を使う体験をしてもらい、その後自主活動、というパタンだったのですが、続いていたのです。
①②③④ともに必須条件だったことがよ~くわかりました。認知症予防って地域活動なんですね!」

身体を大事にがんばってくださいね。一番最初の電話がこんない素晴らしい電話で本当にうれしかったです。        


小布施町「脳リフレッシュ教室」テーマソング(続)

2011年07月29日 | 各地の認知症予防活動

ブログを見た小布施町在宅介護支援センターの皆さんからお返事がきました。
「皆さん」は変と思われるかもしれませんが、差出人が「在介一同」となってました。みんな一丸となって認知症予防活動をしているということなのでしょうね。ちょっとうらやましい感を持つ保健師さんもいらっしゃるのでは?

ところで、小布施町の在宅介護支援センターは、小布施町健康福祉組織が集約されている「千年樹の里」にあります。これもまたすてきな名前ですね。

「先日送らせていただきました歌詞をさっそく見ていただきうれしく思います。
ブログも!

K沢さんにもご報告させていただきました。
北部の皆さんは教室時、お話することも楽しんでいます。
みんなの普段話すことをそのまま歌詞に書いたというK沢さんのおっしゃった言葉もまた感動です!」

テーマソングをもう一度味わってみてください。
それからこれも。3/7にアップしました。H

一つの理想的な教室ができていると思います。このような考え方を教室に集まる皆さんが共有することが大切です。
「すごいなあ」と感動する保健師さんも多いでしょうから、なぜこのような考えや雰囲気ができあがったのかを検討してみてください。どんな条件が整ったのでしょうね?

中伊豆ワイナリー2011_0723_141900p1000156 7月に富士山が見えるのは珍しい。        のん兵衛さんには目の毒?2011_0723_143300p1000158_2


小布施町脳のリフレシュ教室交流会その2

2011年03月08日 | 各地の認知症予防活動

小布施「脳のリフレッシュ教室交流会」の続報です。

都住地区
自主活動がちょっと停滞していたそうですね。再開おめでとうございます。
交流会に参加されると「がんばろう!」という気持ちになるでしょ?続けて頑張ってくださいね。
コミュニティの職員の方の熱意が伝わります。合唱曲「信濃の国」に会場の皆さんが唱和しましたね。選曲の勝利です。赤いバンダナも映えていました。2011_0225_142100p1000033 2011_0225_142500p1000031

東部地区
手話の合唱曲「見上げてごらん夜の星を」と体操「いい湯だな」
東部地区はボランティアさんたちが中心になっている教室ですね。やってあげすぎないように、教室生の方々ができることは何でもやってもらってください。楽しそうでした!これはとても大切なことです。「手話をしながら歌う」のは難しいのによく揃っていて感心しました。赤襷に鈴が付いているのもよかったです。
手がよく伸びています。                 大浴場で気持ちよく入浴中?2011_0225_143100p1000029           2011_0225_143000p1000030
  

中町地区
今年のニューフェイス。老蓮青年部が主体になるという形での教室スタートは初めてのはずです。何をしたらいいのか?とちょとばかり不安だったかもしれませんが、遊び心いっぱいでしたよ。オケの前奏!何々と思ったら、素敵な男声のアカペラ。皆さんの衣装もその自由さがいい!!来年が楽しみです。2011_0225_143900p1000027 2011_0225_144400p1000026        

東町・上町地区
若かりし頃の保育園。何てかわいい、何てやさしい発表テーマでしょう。
東町・上町は立派な演目が多かったように思います。それはそれでとてもいいのです。演じている方も、見ている方もいい気分になりますからね。一方で今年のようにユーモア一杯、やってる人達から笑みがこぼれるようなのもすてき!手作り楽器、パート演奏も。練習をたくさんされたでしょう 。   
ウサギのダンス2011_0225_144900p1000023                     山田の案山子2011_0225_145100p1000021                      

山王島地区
老人会の長寿会が中心になって継続して、もう9年・・・
出席率がいいこと、皆さんが教室を楽しみにして集まっていらっしゃることも聞きました。「荒城の月」「黒田節」を男性あいさつ、女性あいさつで始めましたね。なんて民主的そして三味線伴奏は珍しいですね。ハモニカ伴奏の「ふるさと」は山王島教室のテーマソング。何時も胸が熱くなります。皆さんお元気で!2011_0225_145800p10000172011_0225_145700p1000018                                            
 

今回はいつくかの心に残るつぶやきを聞きました。
「自分の健康は自分で守る」
「ズクを出しましょう」(がんばるとか根性を出すとかの意味)
「自分の脳は自分で使う。そして笑いと感謝でね」
「ボケずに生きる術を学んだ」
「教室はただ楽しい」
「小さなほめ言葉は人を救う」

小布施の皆さん、どうぞお元気で!心から脳と体のご健康を祈ります。


小布施町脳のリフレシュ教室交流会その1

2011年03月07日 | 各地の認知症予防活動

今年も楽しい脳のリフレッシュ教室交流会でした。会場入り口の看板も春めいていて素敵でした。2011_0225_122900p1000072

前日にはスタッフ二名だけで会場の準備をしていて、通りがかりの人から「業者にやらせないなんて!経費削減だね」と声がかかっていました。
スタッフの方の気持ちは聞きませんでしたが、多分
「業者任せにしたくない。がんばっている皆さんのためにできることはしてあげたい」といったところではなかったかと思うのですが、私は、その一言を
「交流会の費用もですが、それより何より参加されている皆さんの脳が若々しくなったことを評価してもらいたい(前回ブログ参照してください)。どれほどの介護費用の削減につながったのか、考えても見てください!」という思いで聞いていました。

さて、交流会ですが、 皆さんが、「去年よりもよりいいものを!」と一工夫も二工夫もなさっているのがよくわかりました。
それだけ頑張っていらっしゃるにもかかわらず、同時に、肩の力が抜けているというか、結構楽しんでいらっしゃる方が多くなったようにも感じました。
恒例北部地区の干支のレザーモザイク。見事に各人各様2011_0225_123000p10000692011_0225_123000p1000070。もう7作品できたのですね

今年は東部地区の押し絵の作品も登場2011_0225_125100p1000066

一回目の交流会の時には、在宅介護支援センターのスタッフの皆さんがうれし涙を流しながら、ステージわきに控えていたのが思い出されます。実はあのとき、私も胸いっぱいになったのです。そうやって楽しもうとしていることそのものが感動的でした。
8年たった山王島地区や7年の北部地区の皆さんの脳イキイキ度チェックの結果が、素晴らしいこと(前回ブログ)を承知していましたから、この「脳のリフレッシュ教室」や「交流会」の体験を通じて、小布施の皆さんの生活ぶりが自然に変化してきてくれていることを期待しながら交流会に臨んだのです。

「がんばって楽しむ」から「自然に楽しむ」
そのような生活を、高齢者の方々が身につけてくださることが、はっきりとした認知症予防になることを実感していただきたいといつも願っています。

大島地区
司会の林所長のコメント「前列と後列は別の踊りだったかな?でも、私の世界に浸っているところが素敵でした」
この写真からわかることは少なくとも前列は炭坑節(笑)保健福祉委員の方も楽しそうでしたね!2011_0225_133400p1000064_22011_0225_133500p1000062_2それでいいんです。      

 

飯田地区
干支にちなんだウサギの歌の合唱でしたが、赤い法被で登場、♪因幡の白ウサギ♪のところで皆さん白ウサギに早変わり。こういう工夫をするのが前頭葉。
自治会役員さんも参加してますね。自然に皆さんに目と気を配る人もいて、こういうように、できることは遠慮しないでやっていくことが大切です。
2011_0225_134200p10000612011_0225_134300p1000059_2                                    


北部地区
寸劇「ある日のリフレッシュ教室」
内容は交流会の出し物の検討会。懐かしい数え唄からお手玉実演、さらには一人づつのセリフまで。そのセリフが棒読みのところがなぜだか魅力的でした。「お手玉は保健センターから借りずに手作りにしよう!整いましたのでこれでいくことにしましょう」で幕。パチパチ(と私からの拍手)2011_0225_134700p1000058 2011_0225_134800p1000057

林・中扇地区
平成19年の鮮烈のデビュー。今年もまた楽しい衣装と一ひねりしたことわざ発表そして東京ブギウギ、アップテンポなダンスと盛り上げてくれました。最後には思いがけない飴玉プレゼントまで。飴が一つずつ折り紙に入っているところが、さすが脳のリフレッシュ教室生。右脳使ってます。
しかしH間嬢、役者やのぅ               会場大喜び2011_0225_140900p1000045 2011_0225_141500p1000040

若々しいダンス!               バスケットの中には思いがけないプレゼントが2011_0225_141600p10000382011_0225_142000p1000034


平泉便りー脳いきいき発表会

2010年12月06日 | 各地の認知症予防活動

平泉町の「脳いきいき発表会」に行ってきました。
旧観自在王院庭園となりにあるホテル武蔵坊が会場でした。
当日朝になってみると、大雨強風注意報が出ているという状態で
「一応180人くらいはいらっしゃると思うのですが・・・」
「今朝になって、参加したいという電話が入ったりもしていますけど・・・」
と、心配そうな雰囲気が漂っていました。2010_1203_130600p1000016

蓋を開けたら、200席用意した椅子が足りなくなって、ホテル手持ちの椅子を全部出してもらって、さらに足りない。
あわてて保健センターに取りに行き、結局のところ
「270人までは数えましたから、それ以上来て下さったのは確実です」と、保健センターの皆さんはとてもうれしそうでした。

実は2008年にも「脳いきいき発表会」が開催されていたのです。クリックしてくださるとその時の様子がわかりますが、今回はさらにバージョンアップ!
楽しくて、大笑いしながら私はこみあげてくるものを噛みしめていました。

よくもここまで。
教室ごとに工夫がきらりと光ってます。
衣装が洗練されたこと!徹底的に衣装で楽しむ教室もありました。
小道具にまで心配りが利いていました。
どの教室も個性を出そうしています。
4区脳いきいき教室(歌)楽譜が素敵2010_1203_131200p1000018           

皆さん、ステージ上ではほとんどがまじめな顔をしていましたが、300人を前にすれば緊張するのも当然でしょう。
終わって席に戻られるときの緊張感がとけた満足そうなお顔が対照的でした。

それから会場からの楽しい掛け合いや
励ましの手拍子も、印象的でした。

菅原町長さんも交流会終了後に、
「これはなかなかすごいですね。こんなに元気にやってくださってるとは!」と喜ばれていましたが、導入したH積保健師さんから今の担当のM山保健師さん。皆さんの生活指導、脳の健康教育、努力のたまものです。
ただ歌って踊ってるだけではないのですから。
あくまでも脳の健康を維持し、ボケないためにというはっきりとした目標を持っているところが、普通のお楽しみ会と違うところです。(そのためには脳機能テストを実施しなくてはいけませんが、人員的にそろそろいっぱいのようにも聞きました)

数年前の一番最初の発表会の時、皆さんが戸惑って楽しんでいいのかどうかわからないという風情だったことを、私は知っていますから、「平泉の皆さんの生き方が変わったのかもしれない!」と感動したのです。
「今日の皆さんのように、楽しめる人が勝ち。楽しめる人がボケないのです」とつい講演の冒頭で強調してしまいました。

10区脳いきいき教室(風呂敷踊り)2010_1203_131700p1000022 椅子での参加もいいですね。この迫力!2010_1203_132000p1000023

エイジングライフ研究所は、生き方、つまり脳の使い方がボケるかボケないかを決めると主張しています。
認知症のうちもっとも多くを占めるアルツハイマー型認知症の予防は、可能です。
高齢になって、生活上の変化や大きな出来事をきっかけにして何もしない生活を続けるうちに次第にトラブルを起こしてきて、最終的には徘徊や不潔行為や見当識障害などいわゆる世間で言われる「ボケてしまった」状態に至るのが、アルツハイマー型認知症ですから、過去に遡ればさかのぼるほど必ず正常な社会人であった所に行きつきます。
その正常であった時に近いところほど、改善が可能であるといっているのです。サボらせた脳を右脳を使ったり運動をしたりして活性化するのですね。

14区楽友会(踊り)帽子は編まれたんでしょうね。カラフルでかわいい。2010_1203_132100p1000024

さらにいえば、元気な高齢者を正常のままに保つことを目的にした予防こそが、住民のみなさんが望み、経済的にも効率がいいことは自明のことでしょう。

今回は聴衆の皆さんがとてもよく話を聞いてくださったので、経済的な話もかなりしました。

「一関地区広域行政組合で介護保険の給付金はいくらでしょう?」
まさか100億円も使われていると思っていた方はいなかったようでした。
「平泉町は?」
それでも6.2憶円!
正常の方々への予防活動の費用は、平泉町では年間700万円足らず。
この金額をどのように考えるか?
ボケが予防できるとしたら、実に効果的なお金の使い方ですよね。
(ボケ予防に関して主観的にはスタッフの皆さんや教室参加者は納得しているでしょうが、客観的に主張するなら、脳機能テストという物差しが必要でしょうね。そのためや教室運営には、ボケ予防に特化したスタッフが必要なのかもわかりません。その際に必要な人件費をどのように考えるか?出ずるを制するための必要な経費という考え方は無理でしょうか)

私の住んでいる伊東市での話もしました。
平成16年に高齢者と児童に使われたお金は112億/39億
平成20年に高齢者と児童に使われたお金は132億/34億

12区さわやかクラブ(体操)2010_1203_132700p1000029 2010_1203_133500p1000033 ダンベルまでマッチさせてシックの一言。

「高齢者の皆さんの努力や尊厳は十分に納得しているけれども、この高齢者と児童に対する費用比はおかしい。伊東市の場合は平成16年はそれでも児童費用が1/3あったのに、20年には1/4になってしまってます」こういう強い言い方にも、会場は納得のムードで答えてくださいました。

19区脳いきいき教室(踊り)法被とうちわをコーディネート2010_1203_133100p1000030_2             

実は、交流会前に、菅原町長さんとお話をしました。

「福祉をどう考えるかはその町の存続がかかるほど大切な分野だと思います。
福祉を求める人たちは、身体障害の方々、精神障害の方々、知的障害の方々、そして認知症の人たちですが、前の三つの方々は、予防というより生まれつきであったり、病気やけがで避けえないものとしてその障害とともに生きるのですから、手厚い福祉を要求されても当然でしょう。
でもボケだけは違います。手厚い福祉が必要になるまでには、3年から8年もの期間があるのです。早い方が効率的。経済的。つまり認知症は予防的な福祉の対象となりえます。さらに言えば、正常者へのボケ予防こそが、住民からは最も求められているものだと思います」

戸河内お楽しみ会(踊り)
M山保健師さんに「全部用意してあるから一緒に踊ってね」
M山さんは「全部みなさんがやってくれたんです!」と大感激。男性も参加してます。すごいスリットでした。百均で使えるものはないか、いつもチェック。
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菅原町長さんは開会のあいさつの中で
「健康は自分で守らなければなりません。しかもそれは自分だけでなく、家族ひいては地域の健康までも守ることが大切です」と明言され、私は心中大拍手。講演にも120点の考え方と引用させていただきました。

19区ニコニコクラブ(歌)指揮者は「地区の美容院の息子が結婚式に着たタキシード」でかっこよく決めたうえで役者ぶりを発揮し会場大笑い。ご祝儀まで!手作り楽譜のニコニコマークと紅葉にも注目(曲は紅葉の輪唱)2010_1203_134000p1000041_2 2010_1203_125600p1000014_2 2010_1203_134300p1000043         千葉ミズさんからのプレゼント2010_1206_151500p1000001

ボケの予防には
①一人一人に「脳の健康を守る」という考え方を教える

②脳の健康相談の窓口を開く

③正常者を中心にした認知症予防教室を開催する

何を行政がやり、何を住民がやるかということをはっきりさせて、ボケのない町を実現させて下さい。

「栄華を誇った藤原三代の頃、平泉はある意味で日本の先進地であったのですね。ボケ予防でもモデルになれるように頑張ってください」と講演を締めくくったのでした。


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