恒例の小布施行き。
今回は町議会議員さんと民生委員さんたちへの講演会が計画されていましたので
「認知症予防活動の成果を数字的に説明できないかしら」とデータを要求してみました。
小布施町といえばこのちょっと古いグラフをまず出しましょう。そろそろ4年前の資料ですけれど。教室参加者は「維持」以上を維持しているようですよ。
伊豆高原のサクラ(2月24日)
活動が開始されたのは平成12年だったと思いますが、当初のデータがなかなかそろわないということで、平成24年度以降の新しいデータです。
介護給付費/1件あたりの経年変化のグラフです。
小布施町の、1件当たりの給付金額は国や県平均と比較して少額で済んでいます。スタート時点での比較をしたくなりますね。
ただ、平成26年度に急に増加した理由ははっきりしません。
きちんと分析するには、高齢化率の推移などチェックしてみないといけないでしょうけど。
要介護認定率の経年変化にも同様の傾向がはっきりしています。
介護保険料の推移
介護保険料が高額化していくのは、上の二つのグラフから納得できます。介護保険を受ける高齢数そのものが増加していることは間違いないことでしょうが、もう少し多方面からの分析が待たれるところです。
国は、介護認定を厳しくし、施設利用よりも家庭介護を進めて1件当たりの給付額を抑えようとしています。介護保険制度そのものを維持するためには必要な方向でしょう。
こういう考え方をしてみませんか?
エイジングライフ研究所は、高齢者のアルツハイマー型認知症と言われる認知症の大部分は生活習慣病だと考えています。何かのきっかけからそれまでのその人らしい生活習慣をなくして、「生きがいもなく、趣味交友を楽しむこともなく、運動もしない」いわゆるナイナイ尽くしの生活(脳を使わない生活)に入っていくと、脳の老化が加速されて、だんだんに認知症が進んでいくと考えます。
それならば、他の生活習慣病の予防と同様に、予防は正常レベルや軽度のレベルの方が、簡単だし有効です。もちろん重度に向っていても、より重度化しないための予防は必要ですが、重度になるほど困難なうえに効果も期待できにくくなります。
問題は、重度化するほど、つまり症状がはっきりしてきますから、発見が簡単なことです。逆に言えば、正常や軽度のレベルの人に生活習慣病予防を行う場合には、症状がはっきりしませんから、目安となる客観的指標が必要になるということです。
例えば、糖尿病ならば「血糖値」を駆使して、正常者にはこの生活習慣を維持するように指導するでしょう。正常下限から異常値に入り始めた人には、栄養指導や運動を取り入れるように指導するはずです。
認知症も同じです!
脳機能検査が必須なのです、症状ではなくて。
特に、困った症状に焦点を当てるアプローチでは重度化するまで待っていることと同じですから。
脳機能検査によって得られた脳機能のレベルに応じた生活指導をする。そうすることで、初めて認知症の早期発見、改善が可能になります。
小布施町の宣伝をしましょう。
上にあげたグラフも誇れるものだと思いますが、実は認知症の相談や生活改善指導のレベルが「正常」や「小ボケレベル(家庭生活はできるが社会生活にトラブル)」中心、つまり効率がよい生活習慣病予防が実践されているということです。
そして、適切な脳リハビリのためのグループ紹介までできていることです。
正常や小ボケレベルの方たちには「脳のリフレッシュ教室」
中ボケの方たちには、もう少し密な教室を、さらに重度の場合だと介護認定を受けるように勧めています。
だから上のグラフにつながったと思いますけれど…