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脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

トランプ大統領の「全問正解だった」認知テスト

2025年04月17日 | エイジングライフ研究所から
心待ちにしていた散歩道の御衣黄(ギョイコウ)桜が咲きそろいました。(4/12)





2025年4月14日付産経新聞の記事に目が止まりました。
「トランプ氏 健康診断、認知テストも」と「バイデン氏とは違う」というふたつの見出しの記事でした。
定期健康診断を受診した際、認知テストも受けたことと、トランプ氏の「全問正解だった」「バイデンとは少し違った存在になりたかった」という発言を紹介していました。
さて認知テストは何を受けたのだろうという疑問がわいてきました。
アメリカで一番よく使われている認知テストはMMSEといわれています。
このことはチャットGPTに質問して教えてもらいました。

これは予測通りですが、もしMMSEを受験したのだとしたら、先週アップした
母が小ボケになりました…その時娘は で解説したように、MMSEで合格しても(たとえ満点であっても)前頭葉機能が不合格の人たちがいるのですから、MMSE満点という主張には認知機能が万全であるという意味はないということになります。

つまり、脳の後半領域が発揮する機能を高次機能と呼び認知検査で計測することがごく普通に行われていますが、それは脳のおでこのところにある前頭葉機能を見落としているのです。
脳の後半領域の機能を高次機能というのなら、前頭葉機能は最高次機能とでも言わなければ実態にそぐいません。
チンパンジーの実験を考えてみてください。チンパンジーで種々実験していることが完璧にでき、その能力に何の問題がないとしても大統領の職務は遂行できるでしょうか?大統領とまで言わなくても小学生のレベルにも到達できていないでしょう。つまり前頭葉機能の動物実験は論外。
前頭葉機能は脳の司令塔といわれ、その人らしさの中核をなす機能です。人が社会生活をこなすうえでなくてはならない機能は、前頭葉に依るのです。

さて、トランプ大統領が受けた認知テストも検索したら出てきました。最近の「検索」は有能でびっくりさせられることもしばしばですが、正確かどうかわからないという不安があります。いくつか方法を変えて「検索」してみましたので多分大丈夫だろうと思います。
Mo-CA(モントリオール認知検査)

Mo-CAはMCI(軽度認知障害)を検出するための検査法ですから、MMSEとは少し違う設問が並んでいます。



単に認知機能をチェックしていると思われる項目もあれば、いわゆる実行機能(これも前頭葉機能ではありますが)を見ようとする項目もあります。
単純な言語能力を見たり、類推能力を見たりします。26点以上が正常という判定ですが、脳機能を混ぜこぜにして測ってしまっているので、1点の重みが全然違います。物品の命名と抽象思考が同じ点数ということは考えられません。
不備はあっても、認知症の超早期には従来の検査では間に合わないということがわかってきているということに思いが至って一段階の進歩だなあとちょっと感無量…
エイジングライフ研究所のニ段階方式は、まず前頭葉機能(しかも生活していく上で不可欠の注意集中力・注意分配力)を測り、次に認知機能の状態を測ります。こうすることによって認知症の超早期発見も可能になり、重症度をクリアに見ることもできるので、簡便ですが実に有効な検査です。
松川湖の八重桜(4/16)



トランプ大統領は認知テストを受けて満点だったと誇らしげですが、実は「Mo-CAが計測できる脳機能は満点」ということにしか過ぎません。
私たちが日々行っている生活は、脳機能の働きの結果です。
豊かで柔軟な前頭葉があれば、それに呼応した生活(特に社会生活)が繰り広げられます。
生活を見ることで、前頭葉が生き生きしているかどうかはわかるものです。
老化が加速されてない状態で、行動が理解できなかったら、それはその人の人柄のせいということです。十人十色と言われるパーソナリティの差は、前頭葉の差そのものに起因しています。
「トランプ大統領が認知テストで満点だった」という新聞記事からいろいろ飛躍しました。






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