いま話題の「おくりびと」。
この映画のヒットの影響で、葬儀業界への就職希望が増えているとか。
実は、おくりびと=納棺師…の様だが、
葬儀の準備の際、私個人の記憶では、
特別そういった立場だった人…は見当たらず、
みんながみんな納棺師だった様な印象を持っている。
悲しさと慌ただしさで、なにがなんだか混乱している様な…、
それでいて、あの時の情景は、今も鮮明に記憶に残っている。
以前勤務していた会社に、二十歳の女の子がいた。
彼女は、世間が華やぐ12月のある日、お兄さんを突然亡くした。
いわゆる突然死だった。
彼女は、人との接触を好むタイプではなく、
詳細については、深くを話さなかったし、
涙で仕事が手に付かない…といった素振りは見せなかったが、
悲しくて悲しくて、仕方がなかったらしい。
お兄さんを亡くして以降、
彼女は、やりきれない悲しさで一杯だった。
「あれから、ずっと親にあたってばかりいました。
でも、親は私よりもっと悲しい想いをしていると気が付きました。
これからは、もうあたるのを止めようと思います。」
それから程無くして、彼女は退職を決めた。
「やりたい仕事がみつかったので」 …と。
それが、葬儀業界だった。
お兄さんの葬儀の際、
彼女は、その職業の魅力を感じたそうだ。
どんな気持ちで兄を見送り、
どんな気持ちで職員の振る舞いを目にし、
そんな気持ちで自分たちの姿を冷静に見つめていたのか…
皮肉であり、運命でもある、この引き合わせに対し、
仲良しの先輩と共に、陰ながら切なさを噛みしめた。
そして、
彼女は、葬儀業界へ転職した。
それから、1年近く経ったころ、
「源泉徴収票を送って欲しいのですが…」
と、電話があった。
(余談だけど、こういう書類って、請求されないと送らないものなのかねぇ?)
「元気にしてる? あの時の会社に勤めているの?」
「はい。元気に勤めています。」
聞いた事も無い様な、とても明るい声だった。
適職を見つけ、
良い人生を歩み始めたんだな…と、しみじみ感じた。
あれから、彼女はどうしているのだろう?
おくりびと…は、観たのだろうか? 観るのだろうか?
なんか、こう…、
“人の死”って、タブーな気がするのだけど、
人は、生まれた瞬間から死を迎える事が決まっているのであって、
本当は、「死=尊い自然の姿」なんでしょうね…。
この映画を観た事により、納棺師を志す人が沢山現れた事は、
なんとなく、ちょっと身近な懐かし出来事を思い出させてくれた。
この映画のヒットの影響で、葬儀業界への就職希望が増えているとか。
実は、おくりびと=納棺師…の様だが、
葬儀の準備の際、私個人の記憶では、
特別そういった立場だった人…は見当たらず、
みんながみんな納棺師だった様な印象を持っている。
悲しさと慌ただしさで、なにがなんだか混乱している様な…、
それでいて、あの時の情景は、今も鮮明に記憶に残っている。
以前勤務していた会社に、二十歳の女の子がいた。
彼女は、世間が華やぐ12月のある日、お兄さんを突然亡くした。
いわゆる突然死だった。
彼女は、人との接触を好むタイプではなく、
詳細については、深くを話さなかったし、
涙で仕事が手に付かない…といった素振りは見せなかったが、
悲しくて悲しくて、仕方がなかったらしい。
お兄さんを亡くして以降、
彼女は、やりきれない悲しさで一杯だった。
「あれから、ずっと親にあたってばかりいました。
でも、親は私よりもっと悲しい想いをしていると気が付きました。
これからは、もうあたるのを止めようと思います。」
それから程無くして、彼女は退職を決めた。
「やりたい仕事がみつかったので」 …と。
それが、葬儀業界だった。
お兄さんの葬儀の際、
彼女は、その職業の魅力を感じたそうだ。
どんな気持ちで兄を見送り、
どんな気持ちで職員の振る舞いを目にし、
そんな気持ちで自分たちの姿を冷静に見つめていたのか…
皮肉であり、運命でもある、この引き合わせに対し、
仲良しの先輩と共に、陰ながら切なさを噛みしめた。
そして、
彼女は、葬儀業界へ転職した。
それから、1年近く経ったころ、
「源泉徴収票を送って欲しいのですが…」
と、電話があった。
(余談だけど、こういう書類って、請求されないと送らないものなのかねぇ?)
「元気にしてる? あの時の会社に勤めているの?」
「はい。元気に勤めています。」
聞いた事も無い様な、とても明るい声だった。
適職を見つけ、
良い人生を歩み始めたんだな…と、しみじみ感じた。
あれから、彼女はどうしているのだろう?
おくりびと…は、観たのだろうか? 観るのだろうか?
なんか、こう…、
“人の死”って、タブーな気がするのだけど、
人は、生まれた瞬間から死を迎える事が決まっているのであって、
本当は、「死=尊い自然の姿」なんでしょうね…。
この映画を観た事により、納棺師を志す人が沢山現れた事は、
なんとなく、ちょっと身近な懐かし出来事を思い出させてくれた。