パルコン旅行記

☆マイホーム建築への道のりとパルコンでの生活
(番外編を含む第1章~第5章)
☆寄り道日記

土地を探そう 「契約」

2007-04-16 08:55:21 | 第1章】きっかけ
 土地探しを始めておよそ3ヶ月。今思えば短期間に見付ける事が出来たのかもしれない。
お世話になった不動産屋さんは、それまで問合せを掛けた中でも、2本の指に入る熱心な対応であった。高価な物を扱う業者は、年齢や見掛けで客を判断する事が多い。おそらく私自身も逆の立場であったなら、相手の真剣度をどの様に汲み取るか、選択に悩む所であろう。7・8件の不動産業者にアクセスしたが、その内2件がアパートまで足を運んでくれ、次の2件がまめに物件情報を送付してくれ、残りの3・4件はそれっきりか、酷い所は留守番電話やメールを通して問い合わせを掛けても、折り返し返事すら返って来なかった。・・・そんなに忙しいのだろうか。まぁ、そういったやる気の無い所はキッパリ切った。
 さぁ、もう決めた!もう他の物件は見ない!目移りするから。
12月吉日、二人の地主さんと不動産屋さんと私達夫婦は、契約を交わした。
地主である、建設会社を長年仕切って来られた静かな風格のおじ様と、不動産業を長年営んで来られた貫禄のあるおば様 とは初対面であった。対照的なお二人は面白い限りで、私達夫婦は契約よりもその情景を一生忘れないと思う。
 おば様はハウルの動く城に出てくる魔女のおばあさんに似たお洒落な方で、素晴らしい洋服に大きな宝石を身に付け、綺麗に化粧をして髪を茶色に染めていた。
そのおば様は、最初から最後まで 「まぁ、今日はおめでとうございます。こんな良い土地を買う事が出来て、あなた達は運が良いわ。」「あそこはこれからドンドン開ける所ですよ。あんな良い所他にはありません。」「大きな土地だから将来半分でも売ればドンと儲かるし大金持ちだわ。売るのが惜しくなってきた。」などと連呼し、とにかく「おめでたい気分」を最大に盛り上げ、終いには「恩着せ」に走る。そして終盤には「あそこは安い土地だから、残りの現金(9割)も年内に貰わないと割が合わない」と言い出す始末。・・・こういった売買の流れは、私達が指定した訳ではないし、事前に不動産屋さんから説明を受けているはずでは? 
 案の定、おじ様の方はため息混じりに口元をキュッと閉め、困惑した表情で黙り込み、不動産屋さんは「いやいや、初めからそういうお約束ですから、それまで待って下さいね」となだめていた。このおば様とのやり取りが、日常茶飯事であろう事は見て取れた。
 私達は笑いを堪えつつ、親切な不動産屋さんと実直な風格のおじ様、そしてお洒落なおば様のお陰で、予想外に清々しいく大きな契約を交わす事が出来た。

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土地を探そう 「もう一つの事情」

2007-04-15 21:24:47 | 第1章】きっかけ
 ちょうど半年ほど前から、義母は体調を崩し掛けていた。私も些か経験がある、婦人病の一種であろう。土地を探し始めて3ヶ月になった頃、症状が深刻になっていた。
 主人は長男、そして私は二人姉妹の長女である。
時代は多様性を増しているが、そういった立場に生まれた者は、それなりの覚悟を持つ様、自然に育てられている様に感じる。それは子供自身が感じる責任感からである事は言うまでもない。
いつか訪れるであろう、「親達の老後」を考える時期がやって来た様に思える出来事であった。
 こうなると「畑探し」ではなく「宅地探し」がメインになった。
しかし近郊の地価は高い。その上少々融通の利く100坪以上の土地など、サラリーマン家庭で買える訳が無い。やむを得ず発想を変え、範囲を広げて土地を探す事にした。
そして見つけたのが隣の隣の市にある宅地であった。

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土地を探そう 「暴走」

2007-04-13 11:45:34 | 第1章】きっかけ
 思う様に取得できなかった土地に未練を残しつつ、再び土地探し再開。
余談だが、手に入らないと分かるとどーしても欲しくなる気質を、私も持っているのかもしれない。ショックのあまり、この際農家になってしまおうと悪あがきを散々した。しかし農地法の壁はあまりに高く、農業指導を受ける立場として中途半端な行動は許されるはずもない。私は農業に生活や命を掛ける事が出来なかった。しかし、宅地で家庭菜園を行う程度は良いらしい。次は自由の利く宅地を探そう!
 日当たりの良い100坪以上の土地で、主人の会社が近い所・・を条件に探し始めた。意外にも在るには在った。しかも格安。だが現地を見ると、大きな用水の向こう岸にある小高い地形、周囲はびっしり他人の土地(一体どうやって家に帰るの?)や、車体に枝傷を付けながらしか入っていけない、高速道路周辺の雑木林の中であったり・・。
「でもこの際そんな事は良いではないか!とにかくここを買おう!家を建てて脇で畑をやろう!」
そんな勢いで暴走し始めた私に、呆気にとられた主人は、妻をやんわりなだめつつ危険を回避する為に本腰を入れて土地探しを始めた。
 

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土地を探そう 「市街化調整区域」

2007-04-13 07:16:11 | 第1章】きっかけ
 漠然と土地を探し始めた。
なにしろ初めての試みで、地価も知らなければ探す基準も分からない状態だ。手始めに新聞広告とネットで物件収集を開始。そうする内に理想図が出来てきた。
「いつも行っている郊外の大きな公園の側が良い!」
そこは田畑があり、のどかな風景を残していた。それでも近隣は少しずつ開け、煉瓦を使ったオシャレな外装の家がゆったりと建っている。これだ!
 さて、調べてみるとその理想郷が売られているではないか。しかも2400万/700坪。格安だ!!下見をし夢を膨らませて不動産屋に赴いた。
ところがそこでは難色を示された。「お宅は農業をやっているの?ココは普通の人は家が建てられない所だよ。」なんの事だかさっぱり分からない。事情を聞き、調査開始・・・結局その理想郷は「市街化調整区域」と言って、市街化しない様に沢山の規制が設けられている土地だった。広告にはそれさえ記載されていなかったので、その制度を調べる事も無く、普通に購入出来ると今まで喜んでいたのだ。
 農地というものは、例え純粋に農業を行う為の取得であっても、売買が出来ない現状がある。これは買う側にとっても残念だが、売る側はもっと残念であろう。利益を出すには手腕を問われる訳で、肉体的にも過酷である農業。しかも後継者が育たなかった農家にとっては無駄に田畑があっても仕方ない。むしろ現金化したいはずだ。しかし田畑を拡大したい「農家」がいない限り簡単には売れない。その上「○○さんの田んぼ売りに出されているらしいよ。生活困っているのかしら・・」などの余計な詮索もあり、聞こえが悪くて売り出せないとの裏事情も不動産屋から聞いた。全く持って難しい問題だ。
 「土地」と言う物には命があり、動くべくして動く巨大な生き物かもしれない。そして時に、法を掻い潜りお金を積んで転がされてしまう可愛そうな生き物かもしれない。
そんな訳で暗雲の中、道を探すべく粘った末、あの理想郷は諦めざるを得なくなった。

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畑が欲しい

2007-04-12 07:28:15 | 第1章】きっかけ
 のどかな風景をみると、中津川の祖父母の家を思い出します。

 家に向かう坂道には桜が咲き乱れ、少し肌寒い澄んだ空気の中鶯が鳴く。
田んぼの畦道には、吹野等がちょこんと顔を出す。

 早くから行動開始する祖父母の、客人を気遣う遠慮がちな障子の開け閉め、 庭を散歩する鶏の鳴き声で目を覚ます。
クマゼミが鳴く日中は、伯父伯母達が植えたであろうトマトやきゅうりの畑をかき分け、その鮮やかさに見惚れる。
小川の水を引き込んだ「舟」と呼ばれる水受け場には、スイカや野菜が浮き適度に冷やされている。
時に起こる夕立は、丘の上の杉山に向かい、まるで線香花火の様にキラキラと光を落とす。
夕方になると山は赤く暗く色を変え、カナカナ・・と物淋しく蜩が鳴く。

 琥珀色の稲が風に揺れる。主たちは台風の心配をしながら外を見る。
晴れた空の下、稲刈りの音が遠く近く響く。忙しいはずがなぜか楽しいそう見える人達。
いつの間にか握られたおにぎりが畦道に並ぶ。生きている事に感謝すら覚える営み。
点々と植えられた柿が、一年を振り返り満足気に赤くなる。

 ここに来られた事が奇跡の様に深い雪。個性的に仕上がった雪だるまやカマクラ。
火鉢で焼けるお餅や、足を滑らすと灰だらけになる囲炉裏コタツの豆炭の匂い。
新年の挨拶は特別改まっていて、全ての人が畳に頭をつけてお祝いの言葉と共に、その一年も友好に過ごせる様お願いし合う。
凧揚げや羽根突き、従兄弟との雪合戦では拗ねて泣き、池の氷を割っては底にいるはずのフナを心配する。
夕食を済ませるとすっかり暗く、電気も無い外の便所に行くのが心細い。それでも玄関を一歩出ると空には天の川?と思う程の星星星・・・そして流れ星。
夜になるとコタツを囲んで布団が敷かれ、四方から足先入れみんなで温まりながら眠りに就く。澄んだ空気と静かな夜。

 語り尽せない思い出と夏に見た光景、生きる為の野菜作りとあの美味しさを忘れられず、殺伐とした社会を離れ汗を流したいと思う様になった次第です。



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ブログに挑戦

2007-04-11 19:29:13 | 第1章】きっかけ
 この度、人生最大の買物をする事になりました。
それまではそんなつもり無かったのですが、成り行きとは恐ろしい力を持っています。
可愛そうに、主人の夢である「沖縄移住計画」は何処へやら・・・。
折角ですのでこの際ブログに挑戦してみる事にしました。どうぞ宜しく。

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