創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

森のうたごえ

2010年02月15日 | 日記

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   金沢への途中


いつも親しくさせて頂いている、マリンバ奏者・平松智子さんからコンサートご案内が届いた。
「 冬のひと時、マリンバコンサートを行います。 お時間がございましたらぜひ起こし下さい 」と。

同じ仕事の明け暮れ、そして工房内に流れるピアノ曲、
いつも同じ調子の生活にそろそろ飽きはじめていたところ。

近くの野山には雪が積もっていて出かけられず、木々の姿も遠くからしか眺めることしか出来ず。
山に行くと必ずといっていいほど木肌に触れる習慣の私、木のぬくもりを感ずることが何よりの楽しみ、
それが叶わないことに、少し寂しい思いもしていたところであった。

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   マリンバ


金沢市内の300人程が入れるくらいの小ホールでのマリンバコンサート。
今回はお二人の共演との事で、どのような演奏を聴かせてくださるのかと期待していた。

おや? 共演のはずなのにマリンバが一台。 それも見たことのない位の大きな物がステージに。
マリンバのうしろには、様々な音を出す道具が揃っていた。
マレット、マリンバの音源の木を打つ道具などが何種類も揃えてあった。

定刻、平松智子さん、共演者の橋本里恵さんがステージに現れた。
さて、どのように演奏が始まるかとお二人の動きをしっかりと見ていたら、
何と連弾が始まった。


  ● プログラム ・ 一曲目

  ● 剣の舞 / ハチャトゥリヤン


何とも素早い腕の動き、そして和音が同じ部分ではお二人の腕が交差したりと。
小気味良い「 剣の舞 」が会場に流れ、あれあれと思っている内に一曲目の演奏がおわった。
この曲、バレー音楽でクルド人が剣を持ちながら踊る音楽である。
難しい曲を平松さん、橋本さんが右ひだりに交差しながら見事に演奏された。

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   高音部


平松さんからご挨拶があり、今回使われるマリンバも分かりやすく説明してくださった。
ステージにあるマリンバ、5オクターブ半の音階を奏でることの出来るマリンバ、とのこと。

音を鳴らす道具類の説明もあり、それぞれを使って音色の違いも説明してくださった。
なるほど、叩く道具の名前はマレット。 それに毛糸などを巻いて叩くとやわらかい音質に。
マレットの丸い部分はゴムで出来ていて、軽やかな音質の表現になるなど。

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   低音部


  ● 二曲目

  ● アヴェ ヴェルム コルプス / モーツァルト


私の大好きな曲の一つ、アヴェ ヴェルム コルプス。
やわらかく、低音のあたたかい音色の響きがとても心地良く体中を包んでくれた。
森の息吹きと木々の妖精たちが少しばかり疲れた心を癒してくれているようにも感じた。
その音色、いつも歩いている木々のささやきにも似て。

目を閉じて聴き入っていると、あの森、この森、あの林と情景が浮かんでくる。
聴かせて頂いている聴衆は、様々な思いで演奏を楽しんでいるが、
反面、平松さん、橋本さんは大変。  優雅に水面を泳いでいる水鳥のごとく、
実は水面下ではたえず足を動かしているように、体力勝負の演奏をされていた。

馴染みの曲目やクラッシック、季節に合わせて冬メドレーなど、
40分の演奏会はあっと言う間に終了。

若い時に手話ボランティアで知り合った方も来ていられ、互いに挨拶を交わしたところ、
今勤めていられる介護施設に、平松さんが入居者の方々にマリンバ演奏をされていて、
今回のコンサートにお誘い頂き来ました、と。

私は平松さんとは音楽の話しなどはいつもしていますが、手話の話しはしたことも無く、
まさかコンサート会場でお互いに新しい発見があるなんて。

やさしく、あたたかいローズウッド(木琴) ・ マリンバの音色が、
聴き入る人々を静かな森へといざない、また優しい心根を持った人々を魅了してくれる、
そのように感じた、素晴らしいひと時だった。


コメント
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