創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

輪花鉢 ・ 製作

2010年02月10日 | 日記

何事も段取り良く進めば、これほど幸せなことはない。
けれど世の中、そう簡単に順調に事は運ばない事が多すぎる。
そのような生活を送っている中、今が鉢を作る時と考え、一気に5、60あまりの鉢を作った。

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   ロクロで鉢作り


青く美しく、かつ品良い青磁に仕上げるために磁器粘土使って鉢を作った。
まとめて5、60あまりの鉢を作り、乾燥しないように薄いナイロンをかけて保存。

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   輪花鉢の型


さて、これからが時間と手間のかかる作業である。
作った鉢をひっくり返し、型にかぶせてそっと押さえ、
線に沿って一本一本丁寧に鉢全体を型ピッタリに押さえ込んでいく。

単に鉢を作るのは寸法さえ守って作れば、いとも簡単だが、
この作業は、寸法通りに作った鉢を更に手を加える工程である。
線に沿って鉢を押さえていく作業だが、ただ押さえても厚さが不均等になる。
そっと、そ~っと均一になるように丁寧に押さえ込んでいく。

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   型押しが出来た鉢と、

     型押し前の鉢


輪花のように、花びら一つ一つが美しく現れるように、
型にかぶせた鉢を、型の線に沿って、丁寧に丁寧に押さえ込んでいく。
ロクロで作る数倍の時間を要して、何とか全部を仕上げることが出来たのは、
時計の針が随分と進んだ、外が真っ暗の頃であった。
この作業、鉢がやわらかい間の、一日の内に終えなくてはならない作業なのです。

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   型起こし完了


型起こしの作品は、粘土を無理やりに押さえてある為、
粘土は自然の法則に従って元に戻ろうとする。
そのため、急激に乾燥させないよう、細心の注意を払って保管に心がけている。
あまり早く乾燥させると、押さえ込んだ線の部分がひび割れてくる、とても厄介な作品である。

しばらくの間ゆっくり乾燥させ、次は削りの作業を行わなくてはならない。
手で持ってもゆがまない程度になったら、高台(底の部分)の仕上げを行わなくてはなりません。
次の作業の状態を見ながら、この鉢を仕上げようと思っております。
もちろん高台の仕上げと、口周り(輪花の部分)も滑らかに仕上げなくては。

Photo_9

   青磁輪花鉢


心こめ、一つ一つ心配って創り上げるのも大切な仕事と思って続けている作品です。
前回の日記にも書きましたが、とても使いやすく、何を盛っても汁物を入れても様になる器です。
もちろん気軽にお使いいただくための器ですので、価格もかなり押さえてあります。

何かの行事の引き出もの、として、お祝いやご贈答用としても喜ばれる作品と思っております。
もちろんご家庭でお使いいただくと食卓が華やいで、楽しいかと存じます。
心込めてお作りになられたお料理も、きっと映えることと思っております。


コメント
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