創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

型起こし用、板作り

2010年02月05日 | 日記

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   家の前 ・ 鎮守の杜


雪が消えてホッとしていたら、再び雪。
眺めている分には美しいが、生活をするとなると美しいなどと
のん気なことも言っていられない。

今回の積雪は大したことも無く、15センチくらいだろうか。
朝、新聞を取りに玄関戸を開けたら、細かい雪が降り続いていて、
家の前の鎮守の杜が霞んで見えた。  何となく墨絵のよう。

Photo_3

   作品を載せる板


今回は、型起こしで作った作品を載せる道具=板の説明。
ロクロで寸法通りの鉢を作り、少し水分が無くなった時点でひっくり返して型にはめ込み、
型に入っている線文をきれいに押し付けて文様として表わし、
余分な粘土をキレイに切り取り、この板を高台=底の部分に当てて再びひっくり返す。

単に壷や鉢を作るならば、板の上に新聞紙を敷いて作品を載せれば済むことだが、
型起こしの作品を作るとなると、そのような簡単な作業では仕事にならない。
型から作品を外す時、手で持てば作品はゆがんでしまうため、
どうしても道具が必要となってくる。  それがこの板である。
型起こしの作品は簡単そうに見えてしまうが、実のところ倍の手をかけている作品なのです。

先日から自分の使いやすい板がないかとホームセンターなどを見て回り、
ようやく見つけたこの板、ホームセンター内の工作場を借り切り、
丁寧に一枚一枚切りそろえた。  13センチ角に切りそろえるのに数時間かかってしまった。

のこぎりを使うと切り口がボロボロになるため、カッターで切る作業を続けた。
一枚の大きな板から13センチ角の板を切るために、かなりの時間を要し、
ついでに15センチ角の板も作ることにして、黙々と作業を続けた。

ホームセンターの人に工作場を借りることを頼んだはいいが、
手間のかかる作業の為、係りの人が時折見学に来た。
「 結構面倒な作業なんですね 」と。

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   乾燥中の板


とりあえず希望の大きさの板と枚数を切りそろえることが出来、今日は工房のなかで板の仕上げ。
外は間断なく雪が降っている。  雪降りの日は物音が吸収されて静か。
外が静かな分、スピーカーから流れてくるピアノの調べが心地良く、作業も順調に。

仕上げは更に丁寧に行わないと、折角作った型起こしの作品がダメになってしまう。
中腰になりながら、今日もまた時間をかけてせっせと作業を続けた。
私なりの手を加えた板、乾燥を速めるために隙間をあけてバラバラと広げた。
こうすることによって次の仕事が手順良く進むはず。

Photo

   青磁輪花鉢


   径=16cm
   高= 6cm


今回時間をかけて作った道具=板は、この大きさの鉢用である。
今までは別の板を使っていたが、しっくり来なく、改めて使いやすい板を作った訳である。

この写真の輪花鉢、どんな料理を盛っても使いやすく、また汁ものを入れても大丈夫。
毎回個展に出品しているが、とても評判良く皆様方にお求め頂いている鉢です。
お気に召され、お求めになられたい時は下記のメールからお問い合わせ下さい。

仕事を順調に進めるためにも、やはり道具は自身の使いやすい物を作るべきである。
かと言って、今回作った道具は他の作家にとって使いやすいとは限らない。
あくまでも私が使いやすい物として作った道具である。
さあ、早速この板を使って型起こしの輪花鉢を作らなくては。


コメント
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