創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

ポレンタ

2008年03月05日 | 日記

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 白磁線紋皿=ほんの少し青みがある

       径 ・ 26、0㎝
       高 ・  4、5㎝


前庭にはチコリア、ルッコラが軟らかい葉を茂らせている。
先日はサラダで食べたし、再び同じでは芸が無いし。
それではと思い、届いたばかりのトウモロコシの粉でポレンタを作ってみた。

正式名は ポレンタ・ベルガマスカ。  北イタリア、ベルガモ産の直輸入品である。
用意する材料(2人分) : トウモロコシ粉=80グラム、水=200cc、牛乳=100cc。

厚手の鍋に水を沸騰させ少しの塩を入れ、木べらでかき混ぜつつポレンタ粉を少しづつ加える。
だまにならないようかき混ぜながら20~30分混ぜる。
途中あたためた牛乳を同じく加えていく。 そうすることによって更にまろやかになっていく。
焦げないようにゆっくりと混ぜ続けていくと軟らかい団子状になって完成。

新鮮なサーモンが店頭に並んでいたのでそれを買い、これも簡単に塩、コショウでソティーに。
チョッと贅沢に、とびっきり上等のバージンオリーブオイルを振り掛けて盛り付け。

Photo

      サーモンソティーの
  オリーブオイル風味・ ポレンタ添え


私が初めてトウモロコシの粉の料理を食べたのは、今から34年前のこと。
22歳の時意を決してヨーロッパに渡り、イギリス南部・イーストボーンで生活していた時であった。
お世話頂いた家のお母さんはイタリア、ヴェネツィア出身のルチアさん。
とても明るく、心優しい面倒見の良い人だった。

もちろん料理の腕は抜群で、手を変え品を変えしてさまざまな料理を作って下さった。
その中の一つがトウモロコシの粉を使った北イタリアの伝統料理。
いつものようにテーブルに着くと、カモ肉と黄色い塊が皿の上に載っていた。

「マンジャー」、食べてみてとイタリア語で言い、
「ヴォーノ?」、おいしい?とイタリア語で問い、「シー、ヴォーノ」 と応えると
「ベーネ」、とニッコリと満面の笑みを浮かべるお母さんだった。

食事中はイギリスのこと、イタリアの事、どうしてイギリス人と結婚することになったかと
毎日毎晩話しをしてくれた。 笑ったり時には涙ぐんだりと、とても感情豊かなお母さんだった。
私の健康にもとても気配りをしてくれ、食が進まないと、おろおろになるくらいに
なんだかんだとお世話をして下さった。

ある日のこと、かの有名なフィッシュ&チップスが食べたくなり、
外出した折、テイクアウトの店でそれを買い、酢と塩を振りかけてもらい食べたことがあった。
それは油で揚げてあり、胃にズッシリとくる食べ物だった。

イギリス人はそれだけで食事を済ませる人も多かった。  それを興味半分に食べたものだから
ルチア・ママが作ってくれたその日の夕食は殆ど食べられなかった。
そのときのルチア・ママの心配顔、今もハッキリと思い出せる。
その日以来、買い食いはしなくなった。

ルチア・ママの影響か、私も料理が好きになり、一度食べた料理の味は決して忘れることは無い。
頭の片隅にその味の記憶が残っていて、それ等を食べたくなった時には何となく再現してしまう。
届いたばかりのトウモロコシの粉、ルチア・ママの味を少しアレンジして久し振りに作ってみました。

   ※ ヴェネツィア=ヴェニス

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弥生

2008年03月01日 | 日記

夢うつつ・・・・・♪ 遠くで汽笛が鳴っている ♪・・・・・
かと思いきや、それは真上を駆け巡る雷のとどろき。
三月弥生のまだ暗い早朝から今日の一日が始まった。

これまでに作りためた作品を窯に詰め込む作業の開始。
もっといいものが、もっと趣のある作品が出来るはず、とギリギリまでロクロを回してきた。
さすがに焦り始め、そろそろ窯焚きの準備にと、乾いた作品から窯に詰め始めた。
はし置き、ぐいのみ、湯のみ、マグカップ、小皿、そして壷類の数々。

単なる素焼きなのでくっつく心配も無く、ぎっしりと、かつ炎の回りが均一になるように詰めた。
その作業も夕方には完了し、上手く焼きあがることを祈って窯の扉を閉めた。
明日は素焼きを行う。

早朝の天も地も割れんばかりの雷もおさまり、先日からの雪も消え、
何となく穏やかな日和となってきている。
西の空にはボンヤリと太陽も沈みかけようとしている。

Photo_4

   河口からの距離

     8、8キロ


今日の気温は心もち高いのか、それ程の寒さを感じない。
Tシャツに長袖シャツ、そしてフードつきのヤッケを着て、いつもの歩きに出発。
家から8、8キロの道しるべのあるところまでは約800メートル。
梯(かけはし)川、「安宅の関」 の河口から上流に8、8キロの地点である。

堤防には数百メートルごとに、このような九谷焼きのタイルをはめ込んだ道しるべが設置されてある。
西の方へ、下流に向かって行くと6本の道しるべを見ることになる。
それぞれ自然のモチーフを約15センチ角のタイルの中に描いてある。

最初に目にするのは蛍、そして水鳥、季節の花と続き、
折り返し地点近くの道しるべのモチーフは木蓮。 そこまで片道約2、2キロメートルあまり。
そこから再び上流、東に向かって歩く、そのようにしてほぼ毎日歩きの運動をしている。

1

   真ん丸い夕日は
     久しく姿を見せない

   夕日のすぐしたには
     次に来る黒雲が控えている


この頃クセになってしまったこと、それはカメラを持参して歩きに出かけること。
季節の移り変わりの一コマでいいから何かを写せればと、デジタルカメラを首にかけて歩いている。
普段何気なく見過ごしている景色も、歩くことによって意外な発見があるから楽しみでもある。

先週は芽を出したばかりの ツクシ が雪にふるえていた。
しかし季節は確実に春に向かっているよと、小さい ツクシ たちが教えてくれてもいる。
寒い季節から芽吹きの春がすぐそこに、と。

さあ、私も本腰を入れて作品を仕上げなければ。
4月個展のご案内のページも新しく更新したし、
あとは心込めて窯焚きを続けなければと思っています。

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