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白磁線紋皿=ほんの少し青みがある 径 ・ 26、0㎝ 高 ・ 4、5㎝ |
前庭にはチコリア、ルッコラが軟らかい葉を茂らせている。
先日はサラダで食べたし、再び同じでは芸が無いし。
それではと思い、届いたばかりのトウモロコシの粉でポレンタを作ってみた。
正式名は ポレンタ・ベルガマスカ。 北イタリア、ベルガモ産の直輸入品である。
用意する材料(2人分) : トウモロコシ粉=80グラム、水=200cc、牛乳=100cc。
厚手の鍋に水を沸騰させ少しの塩を入れ、木べらでかき混ぜつつポレンタ粉を少しづつ加える。
だまにならないようかき混ぜながら20~30分混ぜる。
途中あたためた牛乳を同じく加えていく。 そうすることによって更にまろやかになっていく。
焦げないようにゆっくりと混ぜ続けていくと軟らかい団子状になって完成。
新鮮なサーモンが店頭に並んでいたのでそれを買い、これも簡単に塩、コショウでソティーに。
チョッと贅沢に、とびっきり上等のバージンオリーブオイルを振り掛けて盛り付け。
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サーモンソティーの オリーブオイル風味・ ポレンタ添え |
私が初めてトウモロコシの粉の料理を食べたのは、今から34年前のこと。
22歳の時、意を決してヨーロッパに渡り、イギリス南部・イーストボーンで生活していた時であった。
お世話頂いた家のお母さんはイタリア、ヴェネツィア出身のルチアさん。
とても明るく、心優しい面倒見の良い人だった。
もちろん料理の腕は抜群で、手を変え品を変えしてさまざまな料理を作って下さった。
その中の一つがトウモロコシの粉を使った北イタリアの伝統料理。
いつものようにテーブルに着くと、カモ肉と黄色い塊が皿の上に載っていた。
「マンジャー」、食べてみてとイタリア語で言い、
「ヴォーノ?」、おいしい?とイタリア語で問い、「シー、ヴォーノ」 と応えると
「ベーネ」、とニッコリと満面の笑みを浮かべるお母さんだった。
食事中はイギリスのこと、イタリアの事、どうしてイギリス人と結婚することになったかと
毎日毎晩話しをしてくれた。 笑ったり時には涙ぐんだりと、とても感情豊かなお母さんだった。
私の健康にもとても気配りをしてくれ、食が進まないと、おろおろになるくらいに
なんだかんだとお世話をして下さった。
ある日のこと、かの有名なフィッシュ&チップスが食べたくなり、
外出した折、テイクアウトの店でそれを買い、酢と塩を振りかけてもらい食べたことがあった。
それは油で揚げてあり、胃にズッシリとくる食べ物だった。
イギリス人はそれだけで食事を済ませる人も多かった。 それを興味半分に食べたものだから
ルチア・ママが作ってくれたその日の夕食は殆ど食べられなかった。
そのときのルチア・ママの心配顔、今もハッキリと思い出せる。
その日以来、買い食いはしなくなった。
ルチア・ママの影響か、私も料理が好きになり、一度食べた料理の味は決して忘れることは無い。
頭の片隅にその味の記憶が残っていて、それ等を食べたくなった時には何となく再現してしまう。
届いたばかりのトウモロコシの粉、ルチア・ママの味を少しアレンジして久し振りに作ってみました。
※ ヴェネツィア=ヴェニス
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