降っては晴れ、降っては晴れを繰り返し、次第に晴れては降り、晴れては降りに変わる頃、
ようやく春が来たのだなと実感する。
降り続いていた雨もやみ、朝から太陽がやわらかい光を降り注いでいる。
作品の釉薬がけの作業を途中に、歩きに出かけた。
周りの景色にも緑が増え始め、渡り来る風から春の陽気も感じることができる。
何となく甘いような、花の香りさえも風に運ばれて漂ってくるようにも思える。
一ヶ月前には雪の中から顔を出していた ツクシ。
この頃ではすっかり成長し、やわらかい陽光を受け互いに背比べをしている。
こんなにも沢山のツクシ、採取して、茎のハカマを取り除いて湯がき、
酢の物、あるいは胡麻和えにしたら季節感タップリの一品が出来るのに、などと思いつつ、
延々と続くツクシの群生を眺めながら歩いた。
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ツクシ の群生 |
ツクシ同様、草モチにすぐにでも使えるヨモギも、やわらかい新芽を出している。
つい先日も熟年のご夫婦が楽しそうに語らいながら、ヨモギを摘んでいた。
草モチ、あるいは団子を作るのだろうか、お二人の姿を見つつ、団欒の光景が見えてくるようだった。
自然がいっぱいのこの地域、探そうと思えばいくらでも生えている、食べられる植物。
土手の傾斜には ワケギ もたくさん芽を出している。
昨年はそれらを採取して ヌタ和え を作った。
香り豊か、加えて無農薬、いろいろな用途に使える ワケギ。 今年はどうしようか。
そうこうしている内、これも土手に植わっている木に羽を休めている小鳥。
かなり遠くから写真を撮ったが、果たしてなんと言う名の渡り鳥だろう。
忙しく飛び回っていて、人が近づくとすぐに飛び去ってしまう。
ツクシを観察しつつ、そのままの状態からシャッターを押した。
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渡り鳥 |
キジ もそうだが、自然界の鳥達はなぜか人を寄せ付けない、と言うより警戒心が強い。
特にこの地域の鳥達がそうなのか、どこの鳥達もそうなのか。
もう少し近くに、と歩を進めた途端、飛び去ってしまった。
この時季、かなりの種類の渡り鳥たちが飛び交っている。
これから次第にあたたかくなると同時に、またどこかへと旅立つのだろう。
そのようにして季節はめぐっていく。
仙台個展に向けての作品の窯焚き。
いま釉薬がけをしている作業が完了次第、窯詰めをし明日早朝から窯焚きを行う。
先日来の窯焚きも、ほぼ満足出来る焼き上がりだった。
次の作品も良い焼き上がりであるようにと願い、やわらかい午後の陽光を浴びてきた。