創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

窯出し

2007年03月12日 | 日記

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窯たきから数日経過し、温度もようやく下がってきました。
温度計は百五十度を示しています。
不安と期待で恐る恐る窯の扉をほんの少し開けてみました。
フワーっと、一気に熱気が扉の隙間から出てきました。
さて肝心の青磁の色の確認です。 キレイで温かい色合いの水色が見えました。
「あ~あ良かったあ、期待した色になっている、ありがとうございました」 と、窯にお礼。

窯たき」 の日記にも書きましたが、
温度を上げるときはもちろんのこと、いつ火を止めるかも大切な決断。
色見を何度も取り出し、
その熔け具合、色の発色が思い通りになっていることを確認して火を止めるのです。

いつの時点で火を止めるか、そのわずか数分で品のある青磁や白磁が焼き上がるかが確定するのです。
何度もなんども確認して窯たきを終了。 もうあとは窯だのみ。 

Dsc00011_1
数時間で温度も百度に下がりましたので、いよいよ窯開けです。 扉を全開にいたしました。
工房」 のページにもその時の様子を書いてありますのでご覧下さい。
今回の焼成作品に使用した 「青磁釉薬」 は、貫入(ひび)の無い釉薬です。
貫入の 「青磁釉薬」 を使った作品を窯出しすると、一気に冷え、とても澄んだキレイな音がします。
「ピーン、ピーン」 と、まるですべての作品が歌っているよう。 細かい貫入がはいるのです。

まだ素手では触れませんので、もうしばらくこのままの状態にして、明日すべて出すことにしましょう。
作品を出し終わったら、一つ一つ検品を行います。 「青磁釉薬」 の日記にも書きましたが、
釉薬を厚く施してありますので、釉薬が流れていないか、はがれていないかを確かめなくてはなりません。
そのチェックを通ったものが作品として皆さんの所へいくのです。 それも数割の確率で。
出来ることなら全部OK!なら、こんなに嬉しいことはありません。
それを願って明日の日を待つことに致しましょう。

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窯たき

2007年03月08日 | 日記

Dsc00003
私の使っている窯は、ガス窯。
大、小の窯をそのつど使い分けて作品を焼いています。
今回は大窯を使用しての作品焼成。
先日、創作日記に書きました ・青磁釉薬・ の 「青磁輪花鉢」と「白磁くみ出し碗」の焼成を行いました。

3/5に窯たきをしようと作業を進めていましたが、台風を思わせるような強風が吹き荒れ中止。
翌日も強風で窯たきはあきらめました。 
風が強いと窯の中の雰囲気が微妙に変化し、キレイで品のある青磁色を出すのが困難になるのです。
青磁作品や白磁作品を焼くときは、気候など、とても気を遣います。
還元がうまくかかるようにと、たえず窯の状態を確認しながら窯たきを続けなくてはならないからです。

そして昨日、風もやみ早朝に火入れ。
二十二度もあった暖かい日から、こんどは一気に真冬に逆戻り、積雪は十五センチあまり。
吹雪いてはいますが、ま、これくらいの風ならばと窯たきを始めました。

火入れから千度近くまではゆっくりと温度を上げていき、酸化から還元へと焼き方を変えていきます。
ここからが勝負で、たえず炎の様子を確かめつつ温度を上げていきます。
還元がうまく掛かるよう、窯の中が均一に還元雰囲気になるように微調整を繰り返します。

そうして温度が上がったとき、窯の中の炎の色や中にある色見の状態で温度を確かめます。
写真がその時の様子です。
温度はすでに千三百度近くまで上がっていて、窯の中は明るい黄色に見えています。
窯の中を見るときは、色の濃いサングラスをかけなければ、とても直視できません。
今回焼いている青磁作品と同じ 「青磁釉薬」 を素焼きの破片に施してあり、そのつど取り出して
焼け具合を確かめ、これで良い、という状態になった時、窯たきは終了。

これからは窯が冷めるのを待ち、三~四日経った頃、窯開けを行います。
開けるときは本当にドキドキいたします。
これまで心込めて作り上げてきた作品が、希望通りの色になっているのかと心配と不安がいっぱいで、
最初に目に飛び込んでくる色が水色であってくれるよう、祈って祈って祈って窯を開けます。

昨日からの窯たきも順調に進みましたので、きっと私の祈りが窯に届いていることを信じて
数日後の窯開けを待つことにいたしましょう。

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ヨモギだんご

2007年03月03日 | 日記

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やさしい陽の光を受けての歩き、
三月に入ったばかりというのに散歩道の傍らには小指の先ほどの、それはそれは可愛い 「ツクシ」。
そのまた脇にはヨモギの新芽がたくさん伸びてきております。

やはり今年の冬は異常です。 春の植物がもう芽を出し始めております。
北陸で、こんなにも早く 「ツクシ」 や 「ヨモギ」 が成長するのは珍しいこと。

そういえば、あんなに多く羽を休めていた渡り鳥たちの姿が急に減り始めました。
いつもとは違う北陸の冬、もう春が来たと思って北へ飛び立ってしまったのでしょうか。
川鵜だけが元気に水面を滑走しております。

しかし、ほほをかすめて渡る風はやはりつめたく体感温度もまだ冬。
いくら暖かくなってきたとはいえ、まだまだ寒く、陽の光もよわい。
こんなにもヨモギが芽を出しているのに、さすがにまだ誰も採取に来ていません。

いまでは家で 「ヨモギだんご」 を作ることはありませんが、
幼かった頃、祖母に連れられて堤防のヨモギを摘みに来ました。
沢山摘んで湯がいて。 うるち米ともち米を半々に炊き、湯がいたヨモギを加えて良くつぶして団子状に。
「おはぎ」、「だんご」、と言っていますが、私の感覚では 「ぼたもち」 なのです。

オニギリ位の大きさにしたものに、きな粉、あずきをからめて食べたものです。
青臭く一種独特の香りがしましたが、なぜか大好物でした。 春の食べ物としての記憶があるのです。

我が家の 「ぼたもち」 は少しやわらかく、丸く形作ってもすぐにへたってしまう 「ぼたもち」 でした。
お重箱に入れられた 「ぼたもち」 はくっつきあって、大きなかたまりとなっていました。
でもそれがうまかったのです。 
いつまでもやわらかく甘さを抑えたきな粉もアズキも飽きがきませんでした。
ああ、あの 「ぼたもち」、 できるならばもう一度食べてみたい。

ヨモギの新芽をみて急に食べたくなり、、小松で一番美味しいと思っている店から買ってきました。
木の葉皿に南天を添えてみましたら益々美味しそう。 白磁くみ出し碗に緑茶を入れて、と。
午後のおやつに香り高い 「ヨモギだんご」 と 「緑茶」。
貴方はお好きでしょうか。 何を召し上がりますか?

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