創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

窯変・辰砂釉薬

2007年06月20日 | 日記
Dsc00002_4    窯変紅彩盌 (辰砂=しんしゃ)

一昼夜かけて焼いた辰砂の作品、
あれから四日経過し、窯出しを行いました。

ここ小松あたりの窯元では、「辰砂(しんしゃ)で身上(しんしょ)をつぶす」 と言われている、この焼物。
高価な原料を、そして長い時間を使い、テストにテストを重ねてこれで良しと本番で焼いた辰砂。
ところが、往々にしてテストと同じ色合いに焼きあがらないのが辰砂。
それでもこの神秘的な色合いに魅せられて研究を重ねてしまう、そうすると家が傾く、大変なことに。
だからいい加減に手を引いたほうが身の為だよ。 ・・・・・ と私も若いときに言われもしました。

しかし私は修業時代から青磁と共にこの辰砂の試験も重ねて参りました。
どうせ焼くなら独特の、私しか出せない色をと焼成試験を幾度となく行ってきました。

ただ、この辰砂は失敗するか成功するかの、どちらかしかないのです。
一般に出回っている辰砂の色は私の欲する色合いではありません。
その色合いの焼き上がりでは私の中では失敗。 もっと個性のある辰砂を良しとしています。

そして先日焼き上げたこの 「窯変紅彩盌」 色合いも良く、景色も見事に出ました。
早速、庭のモミジを背景に撮ってみました。  いかがでしょうか。
濃い色合いですが、私が理想としている色合いに近く、とても満足しております。
抹茶の緑も、この辰砂の赤にピッタリと馴染み、とても美味しく感じます。
どこか銀河の星さえも思わせるようにも。

Dsc00016_1    きょうかのこ (京鹿の子)
・・・・・ばら科・・・・

そして今が盛りと咲き出した 「京鹿の子」
たくさんの小花がかたまって一斉に咲き出す見事さ。
そのフワフワとした綿毛のような花、何故に自然はこのように素晴らしい美を創りだすのでしょう。
ここしばらく紫色の花々であふれていた我が庭、この 「京鹿の子」 の咲き始めと共に無事に
焼きあがった 「辰砂」 の作品。

毎度の事ながら、ハラハラドキドキの窯出しも、この 「京鹿の子」 のやさしい姿にいやされて
その疲れもどこかに飛んでいったみたいです。

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