創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

デュオ 越川 ・ コンサート

2011年07月20日 | 日記

16日午後、越川邸にて
「 DUO KOSIKAWA 」チャリティー・コンサートが催しされた。

4月半ばからご招待をいただきながら、作品作りに納得がいかず、
何とかして解決せねばと悩んでいた作品も無事に焼きあがり、
7月に入ってすぐご返事し、演奏会に伺いさせていただいた。

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   水彩画

金沢に向かう途中の外気温は36度、
駐車場に車を止めてから越川邸までの200メートル余り、
降り注ぐ太陽光線はジリジリと焼きつくよう。

受付を済ませ、クーラーの効いた会場に入り、ひと心地。
調度品も品良く、さりげなく飾ってある絵にも趣味のよさが感じられた。

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   デュオ ・ 越川



   ピアノ = 越川さゆり

   チェロ = 越川和音

午後2時、演奏会に来られたお客様方にご挨拶され、いよいよ演奏会の開始。
一曲目、「 鳥の歌 」。 お母さん、さゆりさんのピアノのトレモロが静かに流れた。

目を閉じ、和音さんの音が聞こえてくる瞬間を待っていた。
スッと、かつ包み込むような優しい音が会場一杯に流れてきた。

硬さのない、まろやかな弦の響きが体中を包んでくれた。
以前聴かせていただいた音色とは全く異なっていた。
チェロを変えたか? いや、そうではない、和音さんの技量が上がったのだ。

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   和音さん

カタルーニャ民謡、パブロ・カザルスの編曲で余りにも有名な鳥の歌、
一音の狂いも不安げな弦の動きも無く、感情豊かに見事な演奏。
演奏が終わった後、拍手をするのが躊躇するほどの素晴らしい演奏だった。

演奏曲目の構成も良く考えられていて、全9曲、1時間15分余り、
私達聴衆者は、素晴らしく心打つ演奏を心いくまで堪能させていただいた。
外は強すぎる午後の日差し。 越川邸の演奏会場はまるで別世界。

中世のヨーロッパでよく行われていた、サロンコンサート、
奏者の息使いも聴こえ、奏でられる楽器の音色が直(じか)に伝わってくる、
何と贅沢なひと時だろうか。 それをまさに味わったチャリティーコンサートだった。

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   金沢城址

翌17日午後1時、金沢しいのき迎賓館で「 DUO KOSIKAWA 」コンサートが行われ、
前日に続けて聴かせていただいた。

しいのき迎賓館の音響は悪い、との評判は常々言われていて、
どのような響きが聴かれるだろうと思いつつ、時間が来るまで外を眺めていた。

現在は「 しいのき迎賓館 」、以前は石川県庁。
40年くらい前にパスポートを取得するために来た、石川県庁。
当時の面影を残しつつ内側は近代的に改築されていた。

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   しいのき迎賓館

大正時代、県庁が建造された時と同時期に購入された、スタインウェイ・ピアノ、
どんな響きをするのかと、調律している現場に立ち会っていたが、
スタインウェイ・ピアノ独特の重厚かつ優雅な響きが全く感じられなかった。
なぜこのような改築をしたのか、我が家のピアノとそれ程も違いは感じられなかった。
私が調律している我が家のピアノと同じ、そんなことも感じたスタインウェイ・ピアノだった。

が、ピアノはさておき、和音さんのチェロの響き、昨日聴いた音色よりはるかに上。
何故だろう? 特に低音部の音色が体中を駆け巡っているような感じも受けた。

観光客や地元の方々が多く訪れる迎賓館、
その人混みのざわめきも掻き消すように、和音さんのチェロは見事な音色を奏でていた。
音響設備が整っていない「 しいのき迎賓館、」それでも和音さんのチェロは響き渡った。

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   夕焼け

何となく仕事に没頭できず、このような状態はマズイ! そのように思っていた昨今、
二日続けて「 DUO KOSIKAWA コンサート 」を聴かせていただき、
何かが弾けたように感じられた二日間だった。

家に帰り、いつもの散歩に出かけたその時、西の空に鳥が飛んでいるような不思議な雲。
コンサートで和音さんが奏でた、「 鳥の歌 」のメロディーが聴こえてくるようだった。
今年春、東京藝術大学大学院音楽科を修了し、音創りを始めた越川和音さん、
次、彼女がどのような音を聴かせてくれるのか、また楽しみが増えた。


コメント (2)
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