創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

かけはし川慕情

2007年11月15日 | 日記

今時分の気候は気まぐれ。
もしやと思い、傘を持って出かけても一度も開くこともない・・・。
青く澄み渡った空を信じて何も持たずに出かけてみると、期待を裏切るように
アラレやミゾレが体を打ち、傘を持ってこなかったことに後悔することしきり。

晩秋から初冬へと確実に移って来たこの頃、たえず空のご機嫌を伺っている。
幾層にも重なり合った雲間からのぞく、僅かな青空が見えると何故か嬉しくなってしまう。
はるかかなたの上空に、サーッと薄くはいたような雲は殆ど動かない。
その下の濃いネズミがかった雲は激しく流れている。
そして地表まじかの黒い雲は反対方向へと動きつつ、雨のカーテンをあちらこちらに垂らしている。

頃合を見計りつつ、今日も出かけなくてはとスニーカーを履いた。
川面に群れ遊ぶ渡り鳥の姿も少なく、枯れ果てたススキだけが
なぜか侘しく揺れていた。

Photo

  くれない染まる 「梯川」

小さい頃に聞いた話しでは、この川にも資材を運ぶ木舟が行き来していたそうである。
実家の隣の家の外壁に、その舟板が打ちつけてあったのが珍しく、それは今も記憶に残っている。
今は浅瀬ばかりのこの川に、一体どうやって舟を浮かべていたのだろう。

先人達は何を運んでいたのだろう。
河口の 「安宅の関」 当たりから何かの海産物でも載せてきたのだろうか。
その時分の 「かけはし川」 は深かったのだろうか。
きっと何処かに資料が残っているとは思うけれど、今の環境からは想像も出来ない。

数年前に完成した国道8号線の立派な橋が 「かけはし川」 を横切り、
通り行く車は何事もなかったように走り抜けて行く。
川面に映るオレンジ色の街灯は、ユラユラと過去から現在の流れを映し出しているようにも思える。
くれない色から紫色へと暮れゆく空だけが、今も昔も変わらずに静かにそれを見ている。

コメント
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