オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

映画「小さいおうち」

2014年09月12日 09時13分16秒 | 映画
この前の公休日に久し振りのDVDのレンタル屋さんへ行く。そして映画館で封切られた時、見たい見たいと思っていたが、とうとう見に行けなかった作品のDVDを2枚、借りてくる。
その中の1枚。
山田洋次監督の最新作「小さいおうち」
原作は2010年の直木賞受賞作品。山田監督は、この原作を読んだあと、「ぜひ自分の手で映画化したい」と熱望したそうである。
見事!
そして、この映画を見終えたあと、私が強く感じたのは、今までの山田洋次監督の作品とは全く違う世界、新しい山田洋次監督の世界を見ることが出来たと言う実感。
そして映画館の大きなスクリーンで、山田洋次監督の新しい世界、新境地と言っていいこの映画を、たっぷりと見るべきだったと言う後悔の気持ちを強くもってしまいました。
今までは家族への「絆」「愛情」を描いていた山田監督ですが、最新作「小さいおうち」で描かれているのは家族の「秘密」「秘め事」。
そして背景は激動の昭和という時代。戦前のノスタルジックでモダンな世界。
しかし、そんな世界に徐々に忍び寄ってくる戦争の恐ろしさ。恐怖。
おだやかな日常を送っていたはずが、気が付くと戦争に巻き込まれている庶民の悲しさ。
何もかも焼きつくし破壊する空襲の残酷さ。あの素敵な「小さいおうち」さえも・・・。
戦争は愛する人たちさえも失わせ、世の中を苦しみや悲しみやに追い込む。そして長い年月を経ても、このことは心の中で、いつまでも持ち続ける。
決して、このことは忘れてはいけない。
山田監督の戦争に対する静かな怒りすら感じさせるものがあります。
主演の松たか子、黒木華の2人の女優さんが素晴らしい。
松たか子の当時の上流婦人の持つ気品、そして心の揺れ、そして松たか子を支える黒木華扮する女中さんの一途さ、そして立ち居振舞いの美しさ。
山田監督のきめの細かい丁寧な演出で、いっそう際立っている。
映画の最後。時は移って、現代。
1枚の封筒の中で封印された秘密の全貌を知った時の驚きと余韻。
私は「家族」や「たそがれ清兵衛」など山田洋次監督の何本かの作品はDVDを購入して、いつも手元に置いていますが、この「小さいおうち」も、手元の置いておきたい作品である。







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