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オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

楽劇「トリスタンとイゾルデ」への思い

2013年01月17日 09時22分26秒 | オペラ
今年はワーグナーとヴェルディの生誕200年の記念の年。ドイツとイタリアのオペラの巨人の2人。2人とも、オペラ大好き人間の私にとって欠くことのできない大好きな作曲家である。クラシック音楽を聴いてきて約40年。ワーグナーとヴェルディの存在は、絶えず私の中で中心にいました。
この1年をかけて、ワーグナーとヴェルディの作品、録音を通じての私のこれまでの盤歴を振り返って、この偉大な2人への敬愛の念を語って行きたいと思います。ただし、今年の末まで、どこまで行けるか自信は、ありませんが、出来る限り自分の言葉で、不定期ですがワーグナーとヴェルディに対する私の思いを書き込んでみたいと追っています。

さて、いつからオペラに興味に持ち出したのか、あまり憶えていない。ただ、はっきりと憶えているのは高校2年生の時の春、マリア・カラスの来日公演をテレビで見て衝撃を受けたことは、はっきりと憶えている。これがオペラの世界に足を踏み入れる大きな転機だったかもしれません。
マリア・カラスの表情や仕草だけで、何かオペラの世界に引き込まれるような感覚。けっしてオペラは、ただ綺麗な旋律を垂れ流しのように歌うものではない、もっと奥の深いものであると言うことを、マリア・カラスは私に教えてくれました。
それ以降、高校生の私は小遣いや正月のお年玉を貯めてはオペラの全曲レコードを買い求めるようになりました。
高校生時代に購入した全曲レコードの題名、購入した順番は、今もはっきりと憶えています。
最初はプッチーニの「ラ・ボエーム」その次にヴェルディの「オテロ」そのあと「アイーダ」、ヨハン・シュトラウス2世の「こうもり」、プッチーニの「トスカ」と続き、そして高校生時代最後に購入した全曲レコードがワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」である。
今から思うと、高校生のぶんざいで「トリスタンとイゾルデ」の全曲を聴こうとしたとは、たいへんな背伸び、エネルギーだったと思います。理由は簡単である。とにかく「トリスタンとイゾルデ」の全曲、特に長大な第2幕の音楽を一度、聴いてみたくてしかたがないという好奇心からである。

楽劇「トリスタンとイゾルデ」との出会い。私の盤歴の中で大きな扉を開けて、クラシック音楽の奥地へ入り込むきっかけとなる作品である。
もし、この作品に出会うことがなかったら、現在までクラシック音楽を聴き続けていなかったかもしれません。
ですから楽劇「トリスタンとイゾルデ」はクラシック音楽の作品の中で最も大切な作品と言えます。また「トリスタンとイゾルデ」を最初に知ったために、ワーグナーの作品への入り方も、他人様より違ったものだったかもしれません。

ワーグナーの音楽に目覚めたのは、マリア・カラスの日本公演の約半年前。NHKの招きでカラヤン指揮によるベルリンフィルの日本公演があり、東京での7回の公演全てラジオのFM放送で生中継され、私は全公演、放送を聴きました。まだ私が指揮者といえばカラヤンしか知らなかった時代である。
7日間に及ぶプログラムは、バッハからシェーンベルクまでと、たいへん多彩で、クラシック音楽を聴きだして日の浅い私にとって、たいへん興味深く毎日、放送を聴いていました。この時、初めて私はブルックナー、R・シュトラウス、シェーンベルクを知りました。
そして何日目かに、ワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲と楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲と愛の死」が演奏され、非常な興奮を憶えました。何か今まで知らなかった世界に脚を踏み入れてしまった感じ。たまたま、この時の演奏は何か予感があったのか、カセットテープに録音していて、しばらく毎日、聴いていました。
特に楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲と愛の死」では、何か心がうずくような「前奏曲」、そして妖しく幽玄的と言って良いのでしょうか?「愛の死」の音楽に何か普通ではない世界を聴いてしまったようで、当時、高校生だった私にとって大変なことになってしまった。
「前奏曲と愛の死」を聴き込むことによって私はクラシック音楽に対して子供の聴き手から大人の聴き手に成長していく感受性を深めていく大きな分岐点だったかもしれません。
ただ、この時点では、このオペラ全曲を聴いてみようと言う意識は全くなかった。ワーグナーのオペラの全曲聴くということは、全く考えていなかったはず。ワーグナーのオペラは、まだまだ、その当時、未知の世界でした。

そんな私に楽劇「トリスタンとイゾルデ」の全曲に挑戦しよう、聴いてみようと背中を後押しする存在が現れました。
指揮者カール・ベームである。
カラヤンとベルリンフィルの来日から1年と少しのち、またまたNHKの招きでベーム指揮のウィーンフィルが来日して公演は全てFM放送で生中継されました。
ベーム指揮のウィーンフィルによる演奏は、それまでカラヤン中心だった私を一変させるくらい衝撃的でした。指揮者の強い意志、そして、それに寄り添う名門ウィーンフィルの音色。
この時、初めて演奏の違い、演奏行為の尊さを知りました。この時に演奏されたブラームスの交響曲第1番の第1楽章の冒頭、カラヤンの録音では楽譜に書いているからティンパニーを叩いていますと言う感じでしたが、ベームの演奏で聴くと何か強い指揮者の思い、それが作曲者の強い意志であることが分かり、演奏というものの違いを初めて知り、この時、カラヤンからベームへと乗り換えてしまいました。それが現在も続いているのですから、私にとって、もう一つの大きな扉だったと言えるでしょう。
そしてベームという指揮者に興味を持ち彼の自伝「回想のロンド」も手に入れ読んでみました。
そして、その自伝に大きく登場していたのが楽劇「トリスタンとイゾルデ」である。いかにベームが、この作品を愛し、このオペラを心の拠り所にしているのが、よくわかり、何としても聴いてみたい、特に第2幕の長大な2重唱は、どんな音楽なのか?とにかく知りたいと思い、お金を貯めました。
そして購入したのが1966年のバイロイト音楽祭でのライブ録音のレコード。指揮は当然カール・ベームである。
布を張った豪華なケースに入ったレコードはズシリと重く、この重さが作品の重さかと思いました。
そして解説書が分厚かった。対訳を入れて55ページもあり、よく分からない部分もありましたが全て読みました。
原作の「トリスタンとイゾルデ」の物語の概要、台本や作曲の経緯や意義、初演のいきさつ、そしてワーグナーのヴェーゼンドンク夫人との不倫のことなど、現在のCDの解説書では考えられない丁寧さで、私の、このオペラの理解に深めるものに十分過ぎるものがありました。
そして初めて第2幕の冒頭の音楽がスピーカーから流れた時の感動は今も忘れられません。

さて大学生時代は、全くワーグナーのオペラの全曲盤を購入することが出来なかった。東京での4年間の大学生時代はやはり貧乏学生だったので毎日の生活が精一杯。そして少しずつ、お金を貯めては貧乏学生には身分不相応なコンサートのチケットを購入していたのですからレコードまで手が、あまり廻らなかった。年末FMで放送される、その年のバイロイト音楽祭のライブ録音を聴くのが有一のワーグナーのオペラを聴く楽しみでした。
やがて大学を卒業して関を切ったようにレコードを買い求め、そして社会人になって、初めてもらった冬のボーナスで購入したのが楽劇「ニーベルンクの指輪」の全曲盤。そして次に購入したワーグナーの全曲盤は舞台神聖祭典劇「パルシファル」で、いきなりワーグナーの頂上作戦である。
多くの方が、ワーグナーのオペラで、おそらく最初に手にすると思われる歌劇「タンホイザー」や歌劇「ローエングリン」の全曲盤を手にしたのは、この後である。
これも楽劇「トリスタンとイゾルデ」からワーグナーの世界に入ってしまったためでしょう。

現在、私の持っていたLPレコードは全て我が家の物置部屋で眠っていますが、CDでも買い直してもいますが、ベーム指揮による、この全曲レコードのみ、現在もスピーカーの横で寄り添っています。私にとって、やはり特別の思い入れのあるレコードです。
楽劇「トリスタンとイゾルデ」の全曲盤では定評のあるフルトヴェングラーやカルロス・クライバー、クナパーツブッシュによる録音も持っていますが、やはり私のベーム盤の愛着は強く、これは私が死ぬまで続くのでしょう。





 

















「ワルキューレ」と「ワルキューレ」

2013年01月09日 21時54分57秒 | オペラ
今日は4日振りの出社。
体を慣らしながらボチボチと・・と思っていたのだが朝一番から、こんな事ってあるの?と言いたくなるようなことが勃発。
昼食も、まともに取れなかった。
そして、夕方、ダメ押しの追い打ち。
ボロボロの1日を終えて帰宅。
疲れている時は、やっぱり「ワーグナーのオペラに限る」と思い、一昨年の暮、ミラノ・スカラ座での楽劇「ワルキューレ」の公演の録画したDVDがあるはずと思い出し捜すが「ない」「ない」「ない」
楽劇「ラインの黄金」は、すぐに見つかったのに、なぜ楽劇「ワルキューレ」がないの?
きちんと整理していない私が一番、悪いのです。
30分ほど捜していると「ワルキューレ」と書いた付箋紙を貼ったDVDを発見。
「あった」「あった」と喜んで再生してみると映画「ワルキューレ」の映像。
さっき、あった映画「ワルキューレ」のDVDラベルをプリントしていたDVD。あれは何なの?
さっそく再生してみると、こちらがオペラの「ワルキューレ」
映画の「ワルキューレ」とオペラの「ワルキューレ」
「ワルキューレ」違いでラベルをプリントしていた。
疲れがドッと出る。
ダメだ!こりゃ~。
今日は何をやろうとしてもダメな1日。
もう寝よう。
いや、浅田真央さんの「メリー・ポピンズ」だけでも見て寝よう。
明日は何卒、平穏な1日で、ありますように・・・。





藤村美穂子さんの「イゾルデの愛の死」

2013年01月07日 16時22分00秒 | オペラ
ノロウィルスのため、いろいろ御心配をお掛けしましたが、昨日からは頻繁なトイレとの往復もなくなり、何とか体調も回復に向かっています。
いろいろとお見舞いのコメントを頂いて本当にありがとうございました。
ただ、娘に同じ症状が出てきたのが心配です。
まだ自宅での軟禁生活が続いていますが、あさってから職場へも復帰するつもりなので、ボチボチ体を元に戻すためにもパソコンを打つのも良いのではと思い、そろそろ当ブログを再開します。毎日の更新は無理かと思いますが・・・。パソコンを打つ気になるということは元気が出てきたということでしょう。
4日間も仕事を休んだのは記憶がない。高血圧で入院して以来であろう。本当に職場には迷惑をかけてしまった。情けない気持ちで一杯である。やはり疲れを残さないで、体調管理に十分に注意することが大切でしょう。

さて休んでいる間、トイレへ駆け込む以外は年末年始の番組をいろいろと録画していたので、テレビばかり見ていた。
NHKのBSで深夜チャップリンの映画4本「モダンタイムズ」「街の灯」「独裁者」「黄金狂時代」が放送され、録画で全て見ました。チャップリンの映画を、こんなにまとめて見たのは初めてかもしれない。日を改めてコメントしたいと思います。

3日の夜、NHKのEテレで放送された「NHKニューイヤーオペラコンサート」も録画で見ました。
このコンサート、マンネリ化した選曲で毎年うんざりしていましたが、今年は面白かった。
ゴルンゴルドの歌劇「死の都」、ワーグナーの楽劇「ワルキューレ」やロッシーニの歌劇「ランスへの旅」が登場するとは夢にも思わなかった。
今まででは考えられない素晴らしい選曲である。
そして今までロッシーニのオペラというとバカの一つ憶えのように「セビリアの理髪師」ばかりだったので、いきなり「ランスへの旅」とは、びっくりである。それも、このオペラ一番の聴き所である14人の歌手による重唱である。
見事な14人の歌手による重唱。アンサンブル。あれだけの演奏を聴かせてくれる日本のオペラ界のレベルの高さを誇りたい。
桂文枝師匠特別出演のレハールの喜歌劇「メリーウィドウ」の抜粋も楽しかった。
ただ知ったかぶりの俳優とオペラ無知アナウンサーによる司会はうんざりだった。興ざめだった。欧米のオペラガラコンサートのように司会なしで進行できないのだろうか?

そして、このコンサート一番の圧巻だったのはメゾ・ソプラノの藤村美穂子さん。
正にプリマドンナの貫禄十分の、圧倒的な歌だった。
藤村美穂子さんはバイロイト音楽祭ご常連の我が国が世界に誇るワーグナー歌手。
歌った曲は何とワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」よりイゾルデの愛の死「優しくかすかな彼のほほえみ」
楽劇「トリスタンとイゾルデ」は私にとって一番大切なオペラである。私の宝というべきオペラである。
そのオペラのイゾルデを藤村美穂子さんが歌う。
藤村美穂子さんは楽劇「トリスタンとイゾルデ」では本当はイゾルデ役でなく侍女のブランゲーネ役で有名な方である。しかしメゾソプラノですがワルトラウト・マイヤーはイゾルデ役で有名ですし、クリスタ・ルートヴィッヒが「イゾルデの愛の死」を歌った録音を私は持っています。ですから藤村美穂子さんがイゾルデを歌っても不思議ではないのである。
今後、藤村美穂子さんがイゾルデ役で全曲に挑戦するか否かは、よくわかりませんが、このオペラを愛する者にとって、骨太なところもありましたがが、今回素晴らしいものを聴かせてもらったいう満足感で一杯です。

さて今年は生誕200年記念のワーグナー&ヴェルディイヤー。
今年1年、どこまで出来るかわかりませんが、ワーグナーとヴェルディの作品の中で、私の好きな作品、思い出の作品を通じて、私自身の今までのオペラに対する変遷をたどれたらと思っています。

久し振りにパソコンを打っていて目がジ~ンとしてきました。
病人はそろそろ寝ることにします。






「衣装をつけろ」(歌劇「道化師」より)

2012年11月22日 16時37分53秒 | オペラ



いよいよ明日からNHK杯。
中国大会では不調だった高橋大輔さんの状態が気になります。
高橋大輔さんの今シーズンのフリーは「道化師」の音楽。
イタリアの作曲家レオンカヷァッロの歌劇「道化師」の音楽である。

舞台は19世紀後半のイタリア、カラブリア地方。
オペラの最初はプロローグ。トニオによる前口上「ごめん下さい、皆さん方」が歌われます。
そして第1幕の幕が開きます。
村人たちは旅芝居一座を迎えて歓声を挙げている。
一座の顔ぶれは座頭カニオ、2枚目役のペペ、道化役のトニオ、そしてカニオが、幼い時に拾って育てて妻にしたネッダ。
ネッダは、この村の若者のシルヴィオと恋仲である。シルヴィオと密会中にネッダに横恋慕しているトニオに見とがめられ、知らせを聞いたカニオが駆けつけますが、シルヴィオは何とか、その場を逃げ、カニオはネッダに男の名前を白状させようとしますが、口を割りません。
まもなく芝居の開演。
妻の浮気を知りながら道化を演じなければいけないカニオが男泣きして歌う有名なアリア「衣装をつけろ」が歌われて第1幕の幕が下りる。

短い前奏曲のあと、第2幕の幕が開きます。
道化芝居が始まってカニオは妻を寝取られるパリアッチョ役。そしてネッダは浮気妻コロンビーナ役。
芝居が進むにつれて現実と芝居の見境がつかなくなってしまうカニオ。激情的にカニオが歌う「もうパリアッチョじゃないぞ」は第2幕最高の聴き所である。
そして劇中で男の名前を激しく聞き出そうとするカニオ。そして男の名前を言わないネッダをナイフで刺し、さらに客席から飛び出してきたシルヴィオも刺し殺してしまうカニオ。
最後のセリフは「喜劇は終わりました」
そして幕。

今回の高橋大輔さんのプログラムの音楽は第1幕の「衣装をつけろ」が主に使用されていますが。プロローグや第2幕への前奏曲も断片的に流れてきます。

映像は1961年NHKが招聘したイタリア歌劇団の公演から第1幕の大詰め「衣装をつけろ」の場面。
カニオを歌うのは「黄金のトランペット」と称えられた当時のイタリアオペラ界最高のテノール、マリオ・デル・モナコ。オーケストラはNHK交響楽団。
多くの名歌手による映像がありますが、やはりカニオ役はデル・モナコ。
まさに鬼気迫るデル・モナコの歌と演技。これを見てしまうと、他のどんな名歌手でも物足りなく聴こえてしまいます。
1961年当時、まだまだ海外の一流演奏家が現在のように頻繁に来日できない時代にデル・モナコのような大歌手が来日して、正に彼の持てる全ての念力を出し尽くすかのように日本の聴衆の前で歌ってくれたことは凄いことである。そしてNHKがしっかりと残してくれた映像は私にとって正に世界遺産と言っても言い過ぎではありません。
私は、かなり以前、NHKが放送した全曲の放送をビデオで録画していましたが、今は、それをDVDにダビングして大切にしています。

さて高橋大輔さんはバンクーバー・オリンピックのシーズンでは映画「道」の音楽。そして今シーズンは歌劇「道化師」の音楽。
イタリアの旅役者を描いた作品をテーマにした音楽が続き興味深く感じます。
NHK杯での最高の演技を期待します。



2012年ニューイヤーオペラコンサート

2012年01月03日 22時21分43秒 | オペラ
今、仕事を終えて帰宅して、今日、NHKのEテレで放送されたNHKニューイヤーオペラコンサートの録画を見ながらパソコンを前にしています。
最初はプッチーニの「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」、そして次はヴェルディの「トロヴァトーレ」から「見よ恐ろしい炎」と続いたので、オペラ好きの私は大いに血が騒ぐものがありました。

オペラで高音の声で見事に歌われた時。そしてフィギュアスケートで高度なジャンプが見事にきまった時。何か共通する興奮と陶酔感を私は感じます。やっぱり私にとってオペラとフィギュアスケートは私に大切な両輪です。

もっとも感動したのは團伊玖磨の「夕鶴」のつうのモノローグ「私の大切なよひょう」
心に強く響きました。
團伊玖磨は「ひかりごけ」や「ちゃんちき」など多くのオペラを発表しています。
もっと聴きたい。

幸田浩子さんのバーンスタインの「キャンディード」
見事なコロラトゥーラにしびれました。

バイロイト音楽祭で活躍している藤村実穂子さんはサン・サーンスの「サムソンとデリラ」から「あなたの声に心は開く」
素晴らしいメゾ・ソプラノの声!
これまた感動。

そして一番、私を喜ばしたのはプッチーニの「ラ・ボエーム」から第2幕より「ムゼッタのワルツ」から第2幕の終わりまで、じっくりと聴かせてくれたこと。
ムゼッタのワルツは私の大好きな曲。余談ですが、この前、大好きなミレッラ・フレーニのアリア集のCDを購入しましたが、この中に「ムゼッタのワルツ」が収録されていて嬉しかった。
「ラ・ボエーム」の第2幕を聴くと、どうしても私がオペラに興味を持った頃、そして初来日のミラノ・スカラ座の思い出が蘇り、胸が熱くなるものを感じます。

さて、明日は今年最初の公休日。
何を聴こうか思案中である。

今日聴いたCD 11月18日

2011年11月18日 15時32分09秒 | オペラ
①ヴェルディ 歌劇「シモン・ボッカネグラ」(全曲) ピエロ・カプッチッリ、ニコライ・ギャウロフ、ミレッラ・フレーニ、ホセ・カレーラス、クラウディオ・アバド指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団(1977年録音、ドイツグラモフォン盤)
②ディーリアス 「楽園の道」「夏の歌」「イルメリン」前奏曲、「去りゆくつばめ」「アパラチア」 ジョン・バルビローリ指揮ロンドン交響楽団、ハレ管弦楽団(EMI盤)

このところブルックナーやシベリウスばかり聴いていた反動の為か、この前の休みには歌劇「ドン・カルロ」そして今日は歌劇「シモン・ボッカネグラ」とヴェルディのオペラを聴きまくっている。この約1か月、仕事面で、いろいろありオペラにドップリと浸かりたいという気持ちが強いのかもしれません。
さて歌劇「シモン・ボッカネグラ」は有名なアリアなどなく、たいへん地味な作品かもしれませんが、ヴェルディのオペラの中でも気品のある作品と言っていいでしょう。実力のある歌手と指揮者にかかると、たいへん光輝く作品である。主役はバリトンとバスと言うヴェルディでなければ書けない作品。この作品の録音にバリトンのピエロ・カプッチッリとバスのニコライ・ギャウロフの顔合わせによる録音があるという事は何と幸せなことでしょう。カプッチッリの気品あふれるシモン、ギャウロフの悲しみにあふれるフェスコ、そしてソプラノのフレーニが初々しい絶品のアメリア。第1幕のカプッチッリとフレーニの二重唱の美しさは正にヴェルディを聴く醍醐味そのもの。
そしてアバドの指揮するスカラ座のオーケストラの輝きに満ちた響き。それを見事にとらえた録音の素晴らしさ!私はどちらかと言うと、お国ものにこだわるのは好きではないが、やはりミラノ・スカラ座のヴェルディは特別である。私が持っているオペラの録音の中で、この歌劇「シモン・ボッカネグラ」の録音は最上位のCDである。
現在、スカラ座も、私がどうしても好きになれないダニエル・バレンボイムの時代となり、この輝きに満ちた響きは失われて行くのだろうか?
歌劇「シモン・ボッカネグラ」には私には思い出があります。
現在のように海外の一流歌劇場による引っ越し公演が夢物語だった時代、NHKはイタリアから名歌手たちを招いて、オペラを上演してくれました。1956年から1976年の20年間の間に8回に及んだNHKイタリア歌劇の公演。
私は東京で過ごした大学生時代、最後の1976年の第8回の公演を渋谷のNHKホールで見ることが出来ました。貧乏学生だったのでチケット代がたいへんでしたが、生まれて初めて生で聴く世界のオペラ界を代表するイタリアオペラの名歌手たちの素晴らしい歌声、そして絢爛たるオペラの公演に接して、ますますオペラに魅了されていきました。
1976年の公演には「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」、チレアの「アドリアーナ・ルクブルール」、ヴェルディの「シモン・ボッカネグラ」が上演されました。たしかプラシド・ドミンゴが初来日で「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」を一晩で歌うという事で話題になりましたが、3公演全てのチケットを購入するお金が無かった私はドミンゴに見向きもしないで何故か「アドリアーナ・ルクブルール」と「シモン・ボッカネグラ」の2公演のチケットを手にしました。この2作品は日本初演で、それまで、あまり知られていない作品。何故、このオペラの公演を私が選んだのかよく憶えていませんが、何か凄い公演になりそうという予感があったのかもしれません。そして凄かった!
「アドリアーナ・ルクブルール」ではモンセラ・カバリエ、フィオレンツァ・コッソット、ホセ・カレラスによる超ど級の声の競演。
そして「シモン・ボッカネグラ」では、今日聴いたCDと同じピエロ・カプッチッリとニコライ・ギャウロフの凄い声!合唱とオケの響きを乗り越えて聞えてくる凄い声!ヴェルディの歌唱の何たるかを見せつけられました、そして教えられました。
またアメリア役はカーティア・リッチャレッリ。今にして思えば本当に信じられない公演でした。
脱線して年寄?の昔話になってしまいました。申し訳ございません。

数日前、予約していた生誕150年を記念したディーリアスの全集が届きました。CD18枚のたいへんなアルバムである。
何から聴こうかと思案しましたがCDの番号順にCD1から順番に聴くことにしました。
この前に聴いたCD1は、ディーリアスの音楽の普及に大きな力になったトーマス・ビーチャム指揮による管弦楽曲集。「そりすべり」「丘を越えて遥かに」の旋律の愛らしさ、美しさは何と言ったらよいのだろうか?正に空気に澄んだ高原の野原に咲く高山植物のようである。だから絶対に都会へは持って来てはいけない。高原の野原でそっとしておかなければいけない。ディーリアスはそんな音楽。
今日聴いたCD2はジョン・バルビローリ指揮による管弦楽曲集。
「楽園の道」は何か胸が締め付けられそうな作品。そして「アパラチア」は面白かった。ディーリアスはアメリカ南部にも過ごしたことがあるのですが、アメリカのメロディの中にもディーリアスならではの哀愁があり、興味深く聴きました。
とにかく全てを聴き終わるには、かなりの時間がかかりそうである。仕事の合間の公休日にコツコツと聴いていくしかないでしょう。おそらく全て聴き終わるのは来年になるでしょう。



五十嵐喜芳氏、死去

2011年09月27日 21時23分12秒 | オペラ
本日の出勤前、新聞の朝刊を見ると、声楽家の五十嵐喜芳氏の死去を知り、たいへん驚きました。
五十嵐喜芳氏の名前を聞いて、懐かしく思うのは私の世代から上の世代でしょう。
私がオペラに興味を持った高校生から大学生時代にかけて、日本を代表するテノール歌手でした。
私が五十嵐喜芳氏の名前を知ったのは中学生の時の音楽の時間。「サンタ・ルチア」のレコードを聴かされた時、その時のテノールの素晴らしい声に驚いたのですが、その声の主が五十嵐喜芳氏でした。
残念ながら、東京での大学生時代、二期会のオペラ公演ばかり行っていたので、藤原歌劇団で活躍していた五十嵐喜芳氏の生の舞台に接することはありませんでした。
しかし十数年前、わが町で藤原歌劇団のガラコンサートがあり、歌うことはありませんでした、ステージの脇で一曲一曲、丁寧に出演歌手や曲の紹介を、なさっていたことを今も、しっかりと憶えています。
オペラのステージの第一線を離れても藤原歌劇団の総監督や新国立劇場の芸術監督を務め、オペラの普及に努めた功績は、たいへん大きいものがあります。
享年83歳。ご冥福をお祈りします。

マリア・カラスの歌劇「トスカ」

2011年09月16日 11時15分19秒 | オペラ
8月末にフレンズオンアイスを見るために泊りがけで東京・新横浜へ行ったため、このところ、たいへん資金繰りの苦しい日々が続いています。こういう時、一番、しわ寄せがあるのがCD購入であろう。しかし、だからと言ってCDの購入を止めることはありません。いかに、より安く自分の聴きたいCDや名演奏のCDを購入するか、日々、情報収集に明け暮れています。

今回、マリア・カラスが1964年録音したプッチーニの歌劇「トスカ」の2枚組の全曲CD(EMI盤)を何と990円で購入しました。
カヴァラドッシはカルロ・ベルゴンツ、スカルピアはティト・ゴッピ。ジョルジョ・プレートル指揮パリ音楽院管弦楽団とパリ国立歌劇場合唱団によるマリア・カラスが40歳の時のセッション録音である。
カラスのトスカと言うとヴィクトール・デ・サパータ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団、合唱団による1954年の録音が、このオペラの決定盤として有名で、私はこちらの録音のCDは持っていますが2回目の1964年の録音のCDは手にしていなかった。
ただLPレコードは我が家の物置部屋で眠っている。私が高校生の時、初めて買ったカラスのオペラ全曲レコードが1964年録音の「トスカ」である。確か、その頃、NHK主催のイタリア・オペラの公演のトスカの放送を見てこのオペラを知り、またカラスの来日公演の放送を見て衝撃を受け購入したのでしょう。またケースの表紙のカラスの写真にも魅かれたのかもしれません。
久し振りに聴いて本当に懐かしかった。1954年の録音と比べて、確かに声の艶は失われていますが、やはりカラス、表現力の凄さには圧倒されました。一言一言の言葉の凄味は凄い。一度、カラスのトスカを聴くと他の歌手の歌うトスカは本当にきれいごとで物足りない。
第3幕、何か、これからの悲劇を暗示するような哀愁を帯びた動機に乗ってカヴァラドッシが定められた処刑の位置に立つ時のカラスの歌は、本当にゾッとするくらい凄味がある。
オペラは単に聴かせどころを、きれいに歌うだけでない。単に、きれいに歌うだけでなく登場人物の感情をそのまま最高の舞台芸術として表現したカラス。
最近、私のCD購入点数は一時と比べて減ってきていますが、その分、手元にあるマリア・カラスの録音をじっくり聴き直して、オペラの神髄に触れるのも。良いかもしれません。


 

リチートラ死去

2011年09月06日 21時48分46秒 | オペラ
先月末、スクーターの事故で昏睡状態が続いていたイタリアのテノール歌手、サルヷトーレ・リチートラが9月5日、医師により死亡が宣告されました。

享年43歳の若さ。現役バリバリの世界のオペラ界のトップテノールの突然の死去は本当に残念でたまりません。

家族が臓器提供に同意。施術後、遺体はカターニアのマッシモ・ベッリーニ劇場に安置されるとのこと。

素晴らしいテノールでした。

ご冥福をお祈りします。

バイロイトへの憧れ

2011年08月19日 15時22分27秒 | オペラ
この前の公休日にはワーグナーの楽劇「ワルキューレ」のDVDを見たが、本日の公休日は朝からCDで、またまたワーグナー。楽劇「神々の黄昏」の第3幕をCDの聴く。
暑い日が続くので本来ならば軽めの爽やかな作品を聴くのが本当かもしれませんが私は、やはりワーグナーのオペラである。
こんな暑い時はワーグナーに限る!
今日、聴いたCDの指揮はハンス・クナパーツブッシュ。第2次世界大戦後、初めて再開された1951年のバイロイト音楽祭でのライブ録音である。10年ほど前Testamentから発売されたお宝録音.デッカのプロデューサーだったジョン・カルショウが録音したが、いろいろな問題でお蔵に入っていた貴重な録音。1951年のかなり昔の録音だがデッカの録音だけにバイロイトの響きを見事に捉えられている。
クナの指揮によるスケールの大きいワーグナーの独特なうねりのある響き!そこには演奏の古さは全く感じさせない究極のワーグナーの演奏である。
特に大詰めの「ブリュンヒルデの自己犠牲」以降は本当に凄まじい演奏。いろいろなモチーフが重なって本当に大きな音楽。正にクナパーツブッシュの神業!この演奏を聴くとショルティ指揮ウィーンフィルの有名な全曲録音も何か軽く感じてしまいます。
1週間ほど前NHKのBSでバイロイト音楽からの生中継の放送があり、まだ全て録画を見てませんが音楽祭の雰囲気が伝わってきて、死ぬまでに1度だけでいいから、あのバイロイト祝祭劇場の前に立ってみたいと言う気持ちを改めて強くしました。
開演前の劇場前の様子の映像では日本人の姿も。いいなあ、金も暇もある人は~。失礼しましした。貧乏人のヒガミでした。



さて次の公休日は来週の金曜日。東京へ行く日である。
26日の金曜日はどこへ行こうかと思案中ですが現在、思っているのは高松空港で軽く昼食を兼ねた食事をして一路、空路羽田へ。私は印象派の絵画が大好きなので浜松町を経て初めて行く六本木にある新国立美術館での「ワシントンナショナルギャラリー展」を見るつもり。そして時間に余裕があればシフ様のブログで話題になった上野の東京国立博物館での「空海と密教美術展」にも行ってみたいと思っています。六本木から上野への移動はきついかな?
私にとって貴重な2連休。悔いのない2日間を過ごしたい。
なお当日、幕張メッセで、私の業界の見本市がある。私の東京行を知ったメーカーから誘われたがプライベートという事で丁重にお断りを入れました。ただ私の会社の社長が、この業界の理事をしているので、昨年同様、どうも27日の最終便に乗るため羽田空港で、またまた顔を合わしそうな雰囲気である。
困った!困った!


バイロイト音楽祭生中継

2011年08月14日 22時45分34秒 | オペラ
いよいよNHK・BSでバイロイト音楽祭の生中継が始まります。胸がワクワク。

歌劇「ローエングリン」の上演。

かなり面白い演出らしい。

明日も早朝から仕事なので第1幕だけ見て、あとは録画して、寝ることにしましょう。

横で財務大臣閣下が一発。「バイロイトってどこ?」

すると娘も一発。「バンドエイド?」

私「邪魔じゃ!さっさと寝ろ!」

2人を部屋から追い出して、やっと一人静香に至福な時を迎えようとしているのであります。


楽劇「ワルキューレ」

2011年08月12日 14時52分58秒 | オペラ
今日は、早朝から自家用車で我が家のはりきりばあさん(私の母親らしい)と墓参り。そのあと、久しぶりに市内の商店街にある紀伊国屋書店へ行く。
雑誌の書棚でとんでもないものを見つける。DVDオペラコレクションのシリーズで何とワーグナーの楽劇「ワルキューレ」が1990円で販売されていて、びっくり!すぐに手に取りレジへ行ってしまった。
ワーグナーのオペラも手軽に見ることが出来るようになったものである。私がオペラに興味を持った頃、ワーグナーの「ニーベルンクの指輪」の全曲レコードを手に入れるのは大変なことだった。ましてや、映像なんて夢のまた夢だった。
1989年メトロポリタン歌劇場でのジェームズ・レヴァインの指揮、オットー・シェンクの演出による公演の映像。
たいへんオーソドックスな演出。現在の演出の流れから見ると古臭いかもしれないが、演出が音楽を邪魔しないので私にとっては安心してワーグナーの音楽に没頭できました。タキシードを着たりサングラスをかけたヴォータンより、こちらのヴォータンの方が、いいな。
歌手ではブリュンヒルデ役のヒルデガルド・ベーレンスとジークリンデ役のジェシー・ノーマンが素晴らしかった。
ベーレンスの女性らしい瑞々しい戦(いくさ)乙女。これは映像でなければ味あえないでしょう。ノーマンのジークリンデは映像を見るまで、声だけの録音だったら、まだしも実際の舞台ではミスキャストでは?と危惧しましたが第1幕が始まってすぐ、そんなこと忘れてしまうほどでった。ジークリンデの持つ悲しさ、そしてひた向きさが、このオペラを引っ張っていると実感できるものがありました。
「ワルキューレ」では「ワルキューレの騎行」や「ヴォータンの告別」が有名ですが、私は第3幕、「ワルキューレの騎行」のあとブリュンヒルデがジークリンデを逃がす場面が大好きです。

ブリュンヒルデ 「・・・この世の高貴な英雄を、あなたは宿していることを。その子のために、この剣の破片を渡します。彼の父親から、幸運にも私が取ってきたものです。これを新たに鋳なおして、いつか剣を振るう人。その人の名を私は名付けます。ジークフリート!勝利を喜ぶ人なのです。」
ジークリンデ「おお、このうえない奇跡よ!最も気高い乙女よ!誠実なあなたが聖なる慰めを与えてくれたことを感謝します。我々が愛した彼のために私の最愛のものを救います。私の感謝の報いを、いつか、あなたはうけるでしょう。ごきげんよう!あなたを祝福します。ジークリンデの苦しみが!」

ベーレンスとノーマンが感動的に歌い演じていました。ジークリンデが「おお、このうえないない奇跡よ!」と歌う背景に「愛の救済の動機」が流れます。この動機が次の流れるのは「神々の黄昏」の大詰めでの「ブリュンヒルデの自己犠牲」の時。それを知っているだけに感慨無量になります。

このところネットばかりでCDやDVDを検索をしていましたが、たまには書店もチェックしなければと今日は特に痛感しました。



スカラ座の歌劇「アイーダ」

2011年07月20日 15時30分20秒 | オペラ
このところ、来月末の1泊2日のフレンズ・オン・アイスの新横浜行きのため、CDの購入を極力、控えていますが、そんな中で、一昨日、1組のオペラのCDが届きました。
オペラのCDの購入には、レコード会社による正規の録音によるCDとマイナーな輸入レーベルから発売されているライブ録音のCDの購入があり、特に後者はファンをくすぐる顔合わせの録音も多くありますが、常に録音状態の悪さを覚悟をして購入しなくてはいけません。時には購入して痛い目に会ったこともあります。
今回購入したオペラのCDは後者の場合で、聴き始めるまで、本当に不安でしたが、聴き終わって◎でした。
購入したのはミラノ・スカラ座が1972年、ミュンヘンオリンピックを記念してのバイエルン国立歌劇場での引越し公演、ヴェルディの歌劇「アイーダ」のライブ録音である。
キャストが凄い。マーティナ・アーロヨ(アイーダ)フィレンツァ・コッソット(アムネリス)プラシド・ドミンゴ(ラダメス)ピエロ・カップッチルリ(アムナズロ)ニコライ・ギャウロフ(ランフィス)ルイージ・ローニ(国王)といったこの当時の最高の顔ぶれである。そして指揮はクラウディオ・アバド。
このCDの存在は以前から知っていて、ぜひ聴いて見たいと思い捜索していましたが、輸入レコード店が1軒もない町に住んでいるので、ネットだけが頼りで、やっと見つけました。


録音は音のゆれやカスレが気になる部分もありましたが、聴いていて私自身、今まで聴いた歌劇「アイーダ」の録音のなかで、最高の演奏だと思いました。
「アイーダ」や「ドン・カルロ」は登場人物も多く、力量のある歌手がバランスよく勢揃いした録音を聴くと、我を忘れる気持ちで聴き入ることが出来ます。そして今回は正に大当たりでした。
特に私は昔からコッソットとカップッチルリが大好きで、今回は迫力のある最高の歌唱を聴けて幸せでした。第4幕第1場は正にコッソットの独壇場である。コッソットでアムネリスを聴いてしまうと他の歌手では物足りなくなります。
私が初めてカップッチルリを知ったのは高校生時代、ムーティ指揮の全曲レコード(EMI盤)です。第2幕第2場の有名な「凱旋の場」で、カップッチルリの一声で緊張感が増し、そして艶のある迫力のあるバリトンの声に魅了されました。今回はライブ録音だけに、この上に迫力と凄みを増しています。カップッチルリはリゴレットを得意としていて生では凄かったらしい。これもライブ録音のCDがあるらしいが、まだ聴いたことがありません。こちらも捜索しなくてはいけません。
そしてアバドの指揮するミラノ・スカラ座管弦楽団の素晴らしさ!後年、カラヤンの後任としてベルリンフィルの指揮者になったアバドですが、私は若き日のスカラ座時代のアバドが一番良かったと思っています。またライブ録音なのでスタジオ録音にはない熱気を強く感じました。そしてヴェルディは、こうでなくては!と叫びたくなるスカラ座のオケの響き!

これからも財務大臣閣下には内緒でいろいろとネットでCDを捜す地下活動に精を出すことにしましょう。

歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」

2011年06月03日 09時29分36秒 | オペラ
先週の土曜日の深夜、NHKのBS放送でチューリッヒ歌劇場でのマスカーニ作曲の歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」の放送があり、昨晩、やっと録画を見ました。
テノールのホセ・クーラのトゥリッドゥは良かったのですが、見ていて熱くならなかった。このオペラの舞台はイタリアのシチリア。ステージからシチリアの明るい太陽、ギラギラした雰囲気などを感じさせるものは全く無く無国籍の雰囲気。こんな「カヴァレリア・ルスティカーナ」って面白くないよ。
シチリアと言えば映画「ゴッドファーザー」でも登場しますが、舞台がアメリカからシチリアに移ったとたんに、映像がパッと明るくなり、太陽の光の違い、そして素朴感などをさまざまと見せつけられました。このオペラには、こんな雰囲気、こんな匂いが欲しいなあ。
なお、映画「ゴッドファーザー」の続編の「ゴッドファーザーPart3」では、映画とこのオペラのクライマックスが同時進行するという面白さがあり、映画とオペラの好きな私にとって面白さ倍増でした。フランシス・フォード・コッポラ監督が実際に、このオペラを演出したら以外と面白いでしょうな~。

今回のチューリヒ歌劇場の公演。音楽が始まると、すぐに幕が開きリアルなトゥリッドゥと人妻ローラとの不倫の場面、トゥリッドゥの「シチリアーナ」も舞台の上で歌われていて、本当に忙しい演出。また有名な間奏曲の時もサントゥッツァに演技をさせている。間奏曲の時は、一旦、幕を下ろして、あの、きれいな音楽をじっくりと聴かせてよ。このような演出が今は主流なのかもしれないが、本当に落ち着かん。

歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」はこんな演出の舞台を見たい。
前奏曲とトゥリッドゥの「シチリアーナ」の時はまだ幕は開かない。音楽を聴くのみ。そして「オレンジの花がみどりにはえて香しい」の合唱の場面で幕が開くと、舞台装置は無し。シチリアの明るく青い空が広がるのみ。そこで繰り広げられるサントゥッツァとトゥリッドゥ、アルフィオの愛憎劇。音楽が全てを語ってくれるはず。

さて歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」はいろいろなCDがありますが私の一番のお気に入りは輸入盤ですが1963年のミラノ・スカラ座のライブ録音。ジュリエッタ・シミオナートのサントゥッツァ、フランコ・コレルリのトゥリッドゥ、指揮はガヴァツェーニ。シミオナートとコレルリの組み合わせは最高!声の魅力満載。またスカラ座の聴衆の反応の盛り上がりも面白い。
このオペラの録音にはテバルディ、ビョルリンク、バスティアーニの組み合わせの録音があり、私はレコードは持っていますが、CDは持っていません。CD化されたのだろうか?

ベームの歌劇「フィデリオ」

2011年05月25日 14時44分30秒 | オペラ
今年は私の大好きな大指揮者カール・ベームの没後30周年である。もう、30年も経っているのかというのが実感です。
「レコード芸術」の最新号でも特集が組まれていますが、限られたページ数のためか、面白くなかった。ベームの本当の真価、業績を伝えきっていない。フィギュアスケートの新しいシーズンが始まるまでに、きちんとコメントしたいと思っています。

さて、先週、ベームが指揮した1960年メトロポリタン歌劇場でのベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」のライブ録音のCDが届きました。
DVDを含めて私にとってベーム指揮による「フィデリオ」の5番目の全曲録音である。モノラル録音ですが、録音の古さは感じませんでした。
ベーム自身、このオペラを自身「運命のオペラ」と呼んで特別な愛着を持っていました。どの録音もベームの気迫と熱情のこもる演奏ですが、また一つ、新たにCDが加わることになりました。

Sony Classikal 88697853092(輸入盤)

今回のメトでのライブ録音のレオノーレ役はビルギット・ニルソンである。その他ジョン・ヴィッカーズのフロテスタン、ヘルマン・ウーデのドン・ピッツァロ、ジョージ・トッツィのドン・フェルナンドと言う顔ぶれである。
ベームの指揮、ニルソンのレオノーレという私にとっては、たいへん贅沢な組合わせです。
第1幕が始まって、しばらくして拍手。おそらくニルソンが舞台に登場したのであろう。この頃、既にニルソンがメトでも大きな評価を受けていたことが、この拍手だけで分かります。彼女の声の艶、伸びも素晴らしいものがありますが、台詞をしゃべる時の彼女の声も美しく、ワーグナーの録音では見られない一面を感じることが出来ました。
さてベームの指揮。やはりライブでのベームは凄い。本当に燃えている。
有名なレオノーレ序曲第3番では晩年のベームでは考えられない、たいへん早いテンポに驚かされました。1960年のベーム。まだまだ血気盛んな頃だったのでしょう。
そして、この序曲の演奏のあとの第2幕のフィナーレ。一糸乱れぬアンサンブル。そして物凄い盛り上がりのあるライブならでは演奏である。

第2幕のフィナーレ

フェルナンド「(ロッコに)お前がこの人(フロレスタン)の墓を掘ったならば、今や彼の鎖を解いてやれ。いや待て。(レオノーレに)彼を自由にするのは、ただあなた、高貴なる女性よ、あなただけにふさわしいことなのだ」
レオノーレ 「ああ神様、何といううれしい時!」
フロテスタン「何という幸せ!」
フェルナンド「ああ、神よ、汝のさばきに正義あれ!」
すべての人々「ああ神よ!何という時!こよなき幸せ!神よ汝のさばきは正しい。神はためし、神は我々を見捨てない!」

このオペラの中で私が一番好きな部分です。
この部分になるとベームがどのような気持ちで指揮棒を振っていたのか思いを馳せると、私は、いつも熱いものがこみ上げてくるものがあります。