goo blog サービス終了のお知らせ 

オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

今年はヴェルディ生誕200年

2013年12月27日 22時46分51秒 | オペラ
今日も疲れ果てた一日だった。
疲れ果てて帰宅中、自家用車のラジオのFM放送からはマリア・カラスの歌うヴェルディの歌劇「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」から「ああ、そわかの人か~花から花へ」が流れてきた。
ラジオでしたがカラスの歌からドラマが見えてくる。やっぱりヴェルディ、やっぱりオペラ。
仕事のモヤモヤを一時、忘れることが出来ました。
ヴェルディ!
そう言えば、今年はヴェルディとワーグナーの生誕200年の記念すべき年だった。
私も、この記念の年に、このオペラの大作曲家の作品への思いを、きちんとコメントしたかったのですが、何かバタバタの1年だったためか、何ら出来なかった。「私のオペラ履歴」と言うカテゴリーも設けたのですが、現状、頓挫状態。現在、フィギュアスケート一色。もう、これはどうにもなりません。「私のオペラ履歴」はしばらくお休み。2月の冬季オリンピックが終わってから、またボチボチとコメントして行く、つもりです。その時に改めてヴェルディとワーグナーへの思いを語るつもりです。

さて今年はヴェルディとワーグナーの生誕200年。
ワーグナーのオペラの中でベストワンは何?と聞かれたら、私は迷わず楽劇「トリスタンとイゾルデ」と答えるでしょう。
ヴェルディは?と聞かれたたら困った、困った。ヴェルディの数多いオペラの中から一つを選ぶことが出来ないのだ。
せめてベストスリーと思い3本挙げてみたが、どうも忘れ物をしたような感じがするので次点で2本加えてしまった。

① 歌劇「仮面舞踏会」
② 歌劇「ドン・カルロ」(五幕版)
③ 歌劇「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」
次点 歌劇「シモン・ボッカネグラ」
次点 歌劇「ナブッコ」

あくまでも私の好きなヴェルディのオペラの数々。私の思い入れがあり、いろいろと思い出のあるオペラと思って欲しいです。
「オテロ」がないではないか!「アイーダ」はどうした!これらの傑作を挙げていないのは、おかしいぞ!と言われてしかたがありませんが、これが私。
これらのオペラへの思い。今年は不本意ながらコメントすることが出来ませんでしたが、これは来年、ボチボチと述べていくつもりです。
今年の夏、歌劇「ドン・カルロ」の1983年収録のメトロポリタン歌劇場での上演のDVDを、やっと手にしました。
私がこだわっている五幕版での上演。
ニコライ・ギャウロフのフィリッポ2世、ミレッラ・フレーニのエリザベッタ、プラシド・ドミンゴのドン・カルロ。
やっぱりギャウロフ。やっぱりフレーニ。
彼らへの思いは、今も消えていません。
来年は年寄りの昔話ばかりになりそうです。



にほんブログ村



今日聴いたCD 10月31日

2013年10月31日 16時13分44秒 | オペラ
ワーグナー 歌劇「ローエングリン」(全曲)

ジェス・トーマス(ローエングリン)アニヤ・シリア(エルザ)アストリッド・ヴァルナイ(オルトルート)ラモン・ヴィナイ(テルラムント)フランツ・クラス(国王ハインリヒ)
ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮バイロイト祝祭管弦楽団、合唱団(1962年バイロイト音楽祭でのライブ録音 DECCA盤)

6連勤が続いて、やっと公休日。しんどくて外出する気もしない。やはり歳である。全くの引きこもり状態。
眠たいのだが、何故か眠れないと言う末期的症状。
ボヤ~としながら今まで録画したテレビ番組を見ているかCDを聴いているか、どちらかと言う家族にとっては迷惑な状態?

フィギュアスケートのグランプリシリーズが始まり、この話題が続いていますが、オペラも忘れていません。
昨晩は夜遅くまで、この前の日曜日の深夜、NHK・BSで放送されたミラノ・スカラ座の来日公演から歌劇「リゴレット」全曲を録画で見る。
こちらの感想は後日、取り上げたいと思っています。

今日も、寝てればいいのに、いつもの時間に目があいてしまった。
グランプリシリーズ・カナダ大会のエキシビションの録画を見たあと、ワーグナーのオペラのCDを聴く。
かなり前に届いていたのですが手つかずだった歌劇「ローエングリン」の1962年・バイロイト音楽祭でのライブ録音のCD。
久し振りに部屋一杯に鳴り響いたバイロイトの響き。非常な興奮がわいてくる。
今は亡きサヴァリッシュの推進力のある若き日の演奏。
第3幕のローエングリンが歌う聴かせどころ「グラールの物語」でのテノールのジェス・トーマスの美しい声。
またアニア・シリアの清新な歌声いよるエルザも強い印象に残るものがありました。
そして、合唱の素晴らしさ!第2幕の大詰めではグッとくるものがありました。
この時代のバイロイト音楽祭の合唱指揮は今では伝説的合唱指揮者と言っていいウィリヘルム・ピッツ。
LPレコードの時代、ピッツ指揮によるワーグナーのオペラの合唱曲集の素敵なレコードあり、今も所持していますがCD化されているのでしょうか?
この「ローエングリン」の録音。録音から半世紀が過ぎていますが、時代を超えた素晴らしさが伝わってきます。演奏に古さを感じさせるものはありません。
さて、今回のCDのメーカーのロゴは「DECCA」ですが、やはり「PHILIPS」の表示でないのは時代の流れとは言え、やはり寂しさを感じさせるものがあります。
サヴァリッシュのバイロイトでのライブ録音には「さまよえるオランダ人」と「タンホイザー」があり、レコードでは持っていますが、まだCDでは持っていません。単発での発売を待っていますが、なかなか発売されていないようである。気長に待つしかないのでしょうなあ。




にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へにほんブログ村














 

ヴェルディ・ガラ・コンサート

2013年10月17日 11時03分20秒 | オペラ
昨晩、この前の日曜の夜、NHK・Eテレで放送された、この秋来日したミラノ・スカラ座の公演から「ヴェルディ・ガラ・コンサート」の録画を見ました。
ミラノ・スカラ座!
この響き。私はミラノ・スカラ座と聞いただけで高揚した気持ちになります。
イタリアオペラの総本山と言っていいミラノ・スカラ座は、私にとって、やはり特別な存在。
今でこそミラノ・スカラ座の来日は定期的になって有難味も薄れて?いるように感じますが、1981年、ミラノ・スカラ座の初来日は、たいへんな事件でした。
私は1981年の初来日は大阪でプッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」そして8年後の1988年、2回目の来日の時は東京でヴェルディの歌劇「ナブッコ」を見ています。
この時のことは、後日「私のオペラ履歴」で語りたいと思います。
第3回以降の来日公演は、あまりの高額なチケット代に手が出ず行くことが出来ませんでした。
今年は大阪でヴェルディ・ガラ・コンサートと歌劇「アイーダ」の演奏会形式での公演があり、行きたかったのですが、私自身、アイスショーの行き過ぎ?で資金繰りが出来ず、見送りました。
3回目の来日以降、大阪でオペラの上演がなくなりましたが、次回以降の日本公演では、大阪フェスティバルホールもリニューアルしたので、ぜひとも大阪での再びオペラの公演が実現して欲しいと熱望します。

さて「ヴェルディ・ガラ・コンサート」
指揮は今売出し中のグスターボ・ドゥダメル。
ソプラノとテノールの歌手によるアリアや2重唱もありましたが、私にとっては主役は、やはりオーケストラのミラノ・スカラ座管弦楽団。
私の世界のオーケストラの中で大好きなオーケストラ。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、シュターツカペレ・ドレスデン、そしてミラノ・スカラ座管弦楽団。
ベルリンフィルやシカゴ交響楽団のようなオーケストラの機能をトコトン追求した演奏も聴き応えがありますが、私はオペラのオーケストラによる劇場の雰囲気が伝わってくる演奏の方が好きですね。
今回のコンサート、やはり私はオーケストラのみによる序曲の演奏の方が楽しめました。
これも、私自身、やはり今回オーケストラを聴こうとしている方が勝っているためでしょう。
歌劇「ルイザ・ミラー」「シチリア島の夕べの祈り」「運命の力」からの序曲。
私のオペラへの血が騒ぐ曲ばかり。
欲を言えば歌劇「レノーニャの戦い」や「ジャンヌ・ダルク」と言った日本であまり馴染のない作品の序曲もスカラ座のオケで聴いてみたかったな。
どうしてもオーケストラの方へ興味が行ってしまったため指揮者のドゥダメルの存在が薄く感じてしまった。
アンコールはマスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より「間奏曲」
8月末のフレンズオンアイスでの荒川静香さんの演技が重なって嬉しかった。
来週は演奏会形式による歌劇「アイーダ」の公演の放送。
演出や舞台装置がないので、劇場オーケストラの持つ魅力が、いっそう引き立つのではないかと思っています。
フィギュアスケートのグランプリシリーズも始まり録画もフル回転です。




にほんブログ村 クラシックブログ オペラへにほんブログ村







マリア・カラス「ヴェルディ・オペラのヒロイン達」

2013年10月07日 17時25分04秒 | オペラ
フィギュアスケートの話題が続いていますが、私のもう一つの車輪であるオペラも忘れていません。
私のオペラ履歴。マリア・カラスで脱線していますが、脱線続きでもう一つ脱線。
今年はヴェルディ生誕200年の記念の年。
マリア・カラスが録音したヴェルディのオペラの録音の中で初めて手にしたレコードは「ヴェルディ・オペラのヒロイン達」とタイトルがつけられた1枚のオペラアリア集。
ニコラ・レッシーニョ指揮フィルハーモニア管弦楽団との1958年の録音(EMI盤)
収録されているのは6曲。

歌劇「マクベス」 第1幕より「勝利の日に~さあ、いそいですぐに」
歌劇「マクベス」 第2幕より「日の光が薄らいで」
歌劇「マクベス」 第4幕より「消えてしまえ、のろわしいこのしみよ」
歌劇「ナブッコ」 第2幕より「ああ、私が発見した運命の書よ~いつか私も晴れの身となり」
歌劇「エルナーニ」第1幕より「エルナーニよ、いっしょに逃げて」
歌劇「ドン・カルロ」第4幕より「世の空しさを知る神」

ヴェルディのオペラからのアリアを集めたアリア集ですが、ヴェルディの多くのオペラの中で「リゴレット」や「アイーダ」など有名な作品からのアリアは含まれてなく、当時の私にとって、どちらかと言うとマイナーな作品ばかり並んでいる。
しかし、このアリア集こそマリア・カラスでなければ出来ない録音。マリア・カラスの持つ比類なき歌唱の凄さを全て盛り込まれた録音。
たった1枚のアリア集ですが、オペラ全曲盤に匹敵する録音であり、私にとってマリア・カラスのヴェルディの録音の中で最高のものであり、かつヴェルディの演奏の中でも最上位の録音であると確信しています。
最初の「マクベス」第1幕からのアリア。
冒頭、マクベス夫人が夫マクベスからの手紙をカラスが読み上げるのを聴いているだけで、このオペラの異様さに引き込まれます。
このレコードを購入したあと、しばらくしてアバド指揮のミラノ・スカラ座での全曲盤レコードで初めてこのオペラの全曲を聴きましたが、カラスのマクベス夫人のイメージが強烈すぎて、せっかくの全曲盤なのに、マクベス夫人が登場するたびに、興ざめしていたのを今もよく憶えています。
今も当時のレコードを眺めながらパソコンを打っていますが、レコードのジャケットのカラスのマクベス夫人に扮した写真を見るたびに、戦慄が走るものがあります。
たった1枚のアリア集ですが、オペラ全曲を聴くのと同じ緊張感と充実感を私にもたらしてくれます。
なおCDの時代に入って、カラスの多くの録音が「名演集」と言ったタイトルで、いろいろと編集され、いろいろな曲と組み合わされて発売されていますが、このヴェルディのアリア集や1961年録音のフランスオペラのアリア集は、ぜひともオリジナルな形、オリジナルの曲の並びでカタログに残して欲しいと強く思います。
そうでなければカラスの歌から本来伝わってくるはずの感動が気薄になってしまいます。

私のオペラ履歴。
早く次に進みたいのですが、脱線がまだ続きそうです。




にほんブログ村 クラシックブログ オペラへにほんブログ村



マリア・カラスの「蝶々夫人」、そして荒川静香さん

2013年10月03日 09時59分41秒 | オペラ
プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」全曲

マリア・カラス(蝶々さん)ニコライ・ゲッタ(ピンカートン)ルチア・ダニエリ(スズキ)マリオ・ボリエルロ(シャープレス)ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団(1955年録音 ナクソス・ヒストリカル・シリーズ)

この数日、荒川静香さんがイタリアのアイスショー「オペラオンアイス」でのプッチーニの歌劇「蝶々夫人」から「ある晴れた日に」の演技の映像を見て何か深い感動を憶えています。
荒川静香さんは、今年の8月、御自身がプロデュースしている「フレンズオンアイス」で、マスカーニの歌劇「カヴァレルリア・ルスティカーナ」から「間奏曲」の旋律にのって素晴らしい演技を披露し、私自身、忘れることが出来ません。
荒川静香さんはイタリア・オペラの音楽と本当に相性が良いようです。
私の秘かな願いとしては、荒川静香さんの演じるヴェルディの歌劇「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」第1幕から「ああ、そはかの人か~花から花へ」での演技をぜひ見てみたい。さぞかしドラマテックなものになるでしょう。

さて、荒川静香さんの影響で今日は朝から歌劇「蝶々夫人」
歌劇「蝶々夫人」を実際に劇場で見られている方だったら、お分かりだと思いますが第1幕の蝶々さんの登場から第2幕の悲劇的な死まで、主役の蝶々さんはほとんどステージに、出ずっぱりである。
第1幕の愛の喜び。そして第2幕の、ひたすらピンカートンを待つ希望、悲しみ、ピンカートンが乗った船が帰って来た時の喜び、そして、一転しての絶望、悲劇的な死。
まさにドラマ。そしてプッチーニの美しい旋律にのって、そのドラマが大きく動いて行く、流れて行く。
今日、手にしたCDはマリア・カラスが蝶々さんを歌っている1955年の古い録音。
私自身、歌劇「蝶々夫人」の全曲盤は、いろいろ持っています。当然、カラスより美しい声で歌っている歌手の録音もあります。
しかし、やはり手にしたのはマリア・カラスの古い録音。
LPレコード時代、初めて手にした歌劇「蝶々夫人」の全曲盤が、このカラスの録音だったというのも大きいのでしょう。やはり原点回帰かな。
初めて、第1幕の冒頭を聴いた時の衝撃は今も忘れることが出来ません。最初はプッチーニ独特の異国情緒あふれる美しい音楽で始まるのかな?と思っていたのですが、流れてきた音楽が、その後の蝶々さんの運命を暗示するような激しい音楽。
マリア・カラスの歌う蝶々さん。
第1幕と第2幕のカラスの声の質が全く違うのには本当に驚かされます。
第1幕では、蝶々さんの登場から、まさに15才の幼妻になりきっている。そして第2幕では、貴高い大人の女性。
蝶々さんを美しく歌っている歌手はたくさんいますが、一旦、マリア・カラスの洗礼を浴びると、カラスの声や表現を忘れることが出来なくなります。
指揮はカラヤン。この頃のカラヤンは、なかなかいいなあ。
カラヤンは後年、ウィーンフィルと再録音して、そちらの録音の方が定評ありますが、私はどうも厚化粧でゴテゴテしていて、どうも好きではありません。

さてさて元に戻って荒川静香さんの「ある晴れた日に」
ぜひ我が国のアイスショーでも披露してほしいものです。








にほんブログ村

にほんブログ村 クラシックブログ オペラへにほんブログ村



歌劇「アンナ・ボレーナ」

2013年09月23日 13時49分06秒 | オペラ
私のオペラ履歴。この前はマリア・カラスとの出会いを語りましたが、ここで脱線。
前回もチラッとドニゼッティ作曲の歌劇「アンナ・ボレーナ」に触れました。
今回は、このオペラのこと。
このオペラはイギリス、ウィンザー城を舞台にヘンリー8世と彼の妻アンナ・ボレーナの悲劇を扱った物語。
長らく忘れ去れていたオペラでしたが、このオペラを現代によみがえらせたのがマリア・カラス。
このオペラの最大の聴き所は第2幕第3場のアンナの「狂乱の場」。
たいへんな長大な場面。
私がこのオペラを知った時、この「狂乱の場」のみを収録したアリア集しかマリア・カラスの、このオペラに関する録音はなかった。
ただ1957年のミラノ・スカラ座での公演のライブ録音が残っていることを知り、ぜひ聴いてみたいと思っていました。
そして国内盤が発売を待つことが出来ず輸入盤を手に入れてしまいました。(伊Cetra盤)
やはり最初に聴いたのは、やはり最後の「狂乱の場」でした。
ライブならではのスカラ座の物凄い熱気。そして、まさに全盛時代のカラスの声!
人間の肉声が生み出した最も偉大な音楽表現と言うべきか!
レコードの解説書に掲載されている舞台写真の数々も舞台の熱気が伝わってくるようで、たいへん強烈な印象に残りました。
今はCDで買い直していますが、やはりレコードの方も愛着があります。

さて、この前にも触れましたが今回、手に入れたDVDは2011年4月、ウィーン国立歌劇場での公演の映像。
アンナ役はアンナ・ネトレプコ、ジョバンナ役はエリーナ・ガランチャと言う現在最高の顔合わせ。
予想に反してネトレプコが素晴らしかった。そして舞台姿の美しさ!
ネトレプコと言うと私自身、ミミやヴィオレッタのイメージが強かったのですが、見事にくつがえされました。ここまで見事にアンナ役を歌いきるとは。
歌劇「アンナ・ボレーナ」を映像で見たのは今回が初めてでした。
今回、通常価格の半額だったので、思わず手を出してしまいましたが、私にとって大収穫でした。










にほんブログ村 クラシックブログ オペラへにほんブログ村






ヨハン・シュトラウス:オペレッタ集

2013年09月19日 11時18分24秒 | オペラ
私の愛聴盤のCDの中にウィリ・ボスコフスキー指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団とのウィンナワルツを集大成したアルバム「ウィンナワルツ大全集~シュトラウス一家とその周辺の音楽」(デッカ盤)があります。
ヨハン・シュトラウス2世を中心にウィンナワルツの魅力満載のアルバムですが、今回、新たにヨハン・シュトラウス2世のオペレッタを集めたアルバムを入手しました。10枚のCDがセットで2944円の超お買い得でした。
やっと全てを聴き終えました。
原盤はEMIによる録音なので、豪華キャストによる全曲録音で、聴いていてたいへん楽しかった。
収録されているのは次の5作品。

喜歌劇「こうもり」全曲      ウィリ・ボスコフスキー指揮ウィーン交響楽団(1971年録音)
喜歌劇「ヴェネツィアの一夜」全曲 フランツ・アレルス指揮グラウンケ交響楽団(1968年録音)
喜歌劇「ジプシー男爵」全曲    フランツ・アレルス指揮バイエルン州立歌劇場管弦楽団(1969年録音)
喜歌劇「シンプリツィウス」全曲  フランツ・ウェルザー=メスト指揮チューリヒ歌劇場管弦楽団(1999年ライブ録音)
喜歌劇「ウィーン気質」全曲    ウィリ・ボスコフスキー指揮フィルハーモニア・フンガリカ(1976年録音)

「ヴェネツィアの一夜」と「シンプリツィウス」は今回初めて全曲を聴く作品なので、やはり対訳がないのは辛いものがありましたが、それでもヨハン・シュトラウス独特の魅惑的なメロディは十分に楽しめました。
「ウィーン気質」の録音はLPレコード時代の私の愛聴盤だった。久し振りに聴いて本当に懐かしかった。この懐かしさこそウィーンのオペレッタの魅力かもしれません。
指揮はウィンナワルツを知り抜いた男ウィリ・ボスコフスキー。
聴きなれたお馴染みのウィンナワルツが、切れることなく登場して本当に楽しかった。

「こうもり」はオーケストラがウィーンフィルだったらとは絶対に思うまい。
ボスコフスキーの指揮のもと、十分に雰囲気は伝わっていると思う。
アイゼンシュタインのニコライ・ゲッダ、ロザリンデのアンネリーゼ・ローテンベルガー、そしてファルケ役はディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、またフロッシュの語りは演出家で有名なオットー・シェンクと言う豪華顔ぶれ。
ロザリンデはいろいろなソプラノで聴いてきましたが、やはりアンネリーゼ・ローテンベルガーが私は一番好きだな。
固さがなく自然、そして愛らしい歌い回しは大好きです。
なお余談ですがオスカー・ダノン指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団による全曲録音(1963年録音 RCA盤)ではアデーレを歌っていて、第2幕では、素晴らしい「春の声」を聴かせてくれます。
の「こうもり」の全曲録音と言えばカルロス・クライバー指揮で名盤の誉れ高い録音が有名ですが、私には何か聴かせてやろうという意図がチラチラ見え隠れしていて、どうも二の足を踏んでしまいます。
このウィリ・ボスコフスキー指揮の演奏はクライバーと比べると、どことなくノンビリしていますが、ローカル色もあり、こちらの方が楽しく私は好きです。クライバーの録音はオペレッタを聴くというよりクライバーを聴くと言った方がいいでしょう。
さて「こうもり」と言えば、やはりフィギュアスケートの鈴木明子さんの演技を今も忘れることができません。
序曲を聴いていると自然と鈴木明子さんの演技を思い出してしまいます。







上の映像と画像は2012年の世界選手権の時のもの。


にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へにほんブログ村

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへにほんブログ村











マリア・カラスの来日公演

2013年09月16日 08時44分48秒 | オペラ


今、数日前に届いたドニゼッティ作曲の歌劇「アンナ・ボレーナ」のDVDをチラチラ見ながらパソコンを打っています。
歌劇「アンナ・ボレーナ」!
私がオペラに興味を持った頃、まさか、この領域まで脚を踏み入れるとは夢にも思わなかった。ワーグナーのオペラと同様、当時の私にとって遠い存在のオペラでした。
そんなオペラをグッと私の傍に引き寄せてくれたのは、マリア・カラスでした。カラスの存在が無ければ歌劇「アンナ・ボレーナ」やベルリーニのオペラを知らずにいたかもしれません。

私がオペラを意識したのは、いつだったのだろうか?どうも思い出せない。
中学3年の頃にクラッシック音楽に興味を持ち、小使いを少しずつ貯めてはLPレコードを買い求めていましたが、その中でオペラの有名アリア(マリア・カラスの歌も含まれていたのでEMI盤)を寄せ集めたレコードが、おそらく第1歩だったはずである。
ただ、その頃は現在のようにテレビでオペラ全曲を放送してくれることは、まず無かったので、オペラの全曲を聴くなど全く意識の外だったと言えるでしょう。
ただひたすらオペラの有名アリア集のレコードを聴きながら、単に有名オペラ歌手たちの美しい声に聴き入っていた時代でした。
ですからオペラは、単に美しい声を披露するだけのものと思っていたと言えるでしょう。
そんな状況の私に黒船がやって来ました。
マリア・カラスである。私が高校2年の時、1974年の秋のことである。マリア・カラスがテノールのジュゼッペ・ディ・ステファノと来日して、そのジョイントリサイタルをNHKのテレビ放送で見て、たいへんな衝撃を受けました。
正にドカーン!である。
それまで私はマリア・カラスの録音は有名オペラアリア集のレコードに収録されていた歌劇「トスカ」から「歌に生き、愛に生き」と歌劇「カルメン」から「ハバネラ」しか聴いたことがないというお粗末な状態。
ただマリア・カラスがオペラ界で、たいへんな存在であったことは知っていました。
放送されたのは私の記憶では次の曲目だったはず。(大分、私の記憶が薄れてきたので漏れがあるかも。ディ・ステファノのソロを思い出せない)

ビゼー 歌劇「カルメン」より「ハバネラ」、第4幕大詰めの2重唱「あんたね?おれだ」
マスカーニ 歌劇「カヴァレルリア・ルスティカーナ」より2重唱「サントゥッツァ、ここにいたのか」
プッチーニ 歌劇「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」
ドニゼッティ歌劇「愛の妙薬」より2重唱「アディーナ、ひとことだけ~風にお聞き下さい」

「カルメン」から「ハバネラ」や「カヴァレルリア・ルスティカーナ」から「ママも知る通り」は知っていましたが、2重唱を聴くのは初めてでした。
テレビを見ていて本当に画面に釘付けになった。マリア・カラスの表情、ちょっとした仕草、そして動き。オペラは単に美しい声を披露するだけの場ではない。オペラはドラマであることをカラスは身を持って教えてくれました。音楽を聴き、そして全知全霊をかけて身を持って表現していくこと。
特にアリアより2重唱の方が強く心に残りました。オペラ歌手にとって聴かせどころのアリアより、2重唱の方がオペラの魅力が一杯詰まっているのよとカラスが言っているように感じました。
後日、音楽雑誌を読んでみると、この時の来日公演に関してオペラに詳しいヒョーロンカの方々は、全盛期に比べてカラスの声の状態が、どうのこうのとコメントしていて、あまり評価は高いようではありませんでしたが、私は当然ながら、その時は、まだカラスの全盛時代のオペラ全曲録音は全く聴いていない時代。「ノルマ」も「清教徒」も「仮面舞踏会」も、まだまだ未知の世界。
ただ、それだけに変な先入観無しで無垢の状態でカラスの来日公演の放送を見ることが出来た、マリア・カラスの教えを純粋に乞うことが出来たのは、多感な年ごろだっただけに、かえって良かった、たいへん幸運だったと今は強く思っています。
やはりヒョーロンカに左右されるのではなく、その時の自分自身の感受性が、やっぱり大切ですね。
カラスの来日公演をテレビで見て強く思ったのは、やはりオペラは全曲を通して聴かなければダメということである。
いよいよ四国の片田舎の一高校生がオペラの全曲レコードを手にしたいと強く思うようになりました。
ここから私の今も続いているオペラの旅が始まったと言えるでしょう。




にほんブログ村 クラシックブログ オペラへにほんブログ村



スカラ座の歌劇「椿姫」

2013年06月24日 14時22分04秒 | オペラ
今日は公休日だが朝から携帯電話が鳴りっぱなし。
朝から最悪。明日の出社が気が重いが、逃げるわけには行かない。私が処理しなくてはいけない。
最近、どうも歯車が狂っている。
昼から少しでも気分を変えようと思い、オペラのDVDを見る。
選んだのはヴェルディの歌劇「椿姫」
数日前、CSの洋画専門チャンネルで久し振りに映画「プリティ・ウーマン」を見た余韻が、まだ残っていたのかな?
何と言う単純さ。
2007年、ミラノ・スカラ座での公演の映像。
ヴィオレッタ役は、アンジェラ・ゲオルギュー、アルフレード役はラモン・ヴァルガス。
ロリン・マゼール指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団、合唱団。
演出はイタリアの映画監督リリアナ・カヴァーニ。
カヴァーニの作品で忘れられないのは1973年制作の「愛の嵐」
ダーク・ボガードと シャーロット・ランプリング主演による元ナチス親衛隊員とゲットーに収容された少女の倒錯した愛を描いた映画。
そんな作品を発表した映画監督によるオペラの舞台。
たいへん奇抜な演出かと思うと、全くそうではない。
決して奇をてらった演出ではなく、オーソドックスな演出。
真正面からオペラそのものとらえ、ヴェルディの音楽の素晴らしさをストレートに伝えくれる演出。
また第1幕の舞台装置も豪華で、現在、オペラの演出の主流?になっている読み替えの演出とは別世界の舞台。
安心してオペラの世界に入って行くことが出来ます。
オペラは、やはり、こうでなくては!
やっぱりオペラの主役は音楽!演出は、その音楽を、たっぷりと聴かせ、音楽を生かせるものであって欲しい。
そしてヴィオレッタ役のアンジェラ・ゲオルギューは容貌といい、その歌といいヴィオレッタにピッタリ。
私はやっぱりネトレプコのヴィオレッタよりゲオルギューのヴィオレッタの方が好きだな。
ただ、私にとってネトレプコがいいか?ゲオルギューの方がいいか?というのは永遠の重要な問題でありまする。美人には弱い。

さて歌劇「椿姫」で私が一番好きな場面。
第2幕の終わり、ヴィオレッタがアルフレードに別れを告げて駆け去る場面。

「アルフレード愛してね、私があなたを愛するほどに、!お別れよ」

ここを一番、感動的に歌ったのは、やはりマリア・カラスでしょう。
さて映画「プリティ・ウーマン」のラストで、この音楽が効果的に使われいて私を嬉しくさせてくれます。
オペラでは悲しい場面なのに、「プリティ・ウーマン」では八ーピーエンドの場面。この対比の面白さ。音楽の使い方の面白さ。
映画の中でリチャード・ギアとジュリア・ロバーツが見に行ったオペラが「椿姫」
終演後、ジュリア・ロバーツが流した涙の意味も、そして、なぜ身を引こうとしたのか、このオペラを知れば知るほど分かるような気がします。
映画「プリティウーマン」といえばロイ・オービソンの主題歌が有名ですが、歌劇「椿姫」の音楽も忘れて欲しくないですな。










 

今日、聴いたCD 5月27日

2013年05月27日 13時50分55秒 | オペラ
ワーグナー 歌劇「さまよえるオランダ人」(全曲)
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(オランダ人)、マリアンネ・シェヒ(ゼンタ)ゴットロープ・フリック(ダーラント)ルドルフ・ショック(エリック)フリッツ・ヴンダーリヒ(舵取り)フランツ・コンヴィチュニー指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団、合唱団(1960年録音 Berlin Classics 原盤によるブリリアント・クラッシック盤)

少し前、フランツ・コンヴィチュニー指揮によるワーグナーの歌劇「タンホイザー」の全曲盤(EMI盤)を手に入れ、ドイツ語による素晴らしい歌と正にドイツの響きと言いたくなるようなオーケストラの響きに大いに魅せられたのですが、今回は歌劇「さまよえるオランダ人」の全曲盤が手に入りました。それも910円という超お買い得価格。
全体に渋い演奏か?と思っていましたが、いきなり序曲の冒頭では生生しい響きでビックリ。そして分厚い響き。コンヴィチュニーはどうしてもライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者にイメージが強いのですが、私としては、もっとワーグナーのオペラを聴いてみたい。「ローエングリン」などは録音が残っていないのかな?オペラ指揮者としてのコンヴィチュニーをもっと知りたい。
歌手も歌劇「タンホイザー」同様、今では考えられないオール・ドイツ人キャスト。
フィッシャーディスカウのオランダ人は少し声が明るいかな?それでも、神経質なくらい、やはり巧い。そしてフィッシャーディスカウの声と対比しているようなゴットロープ・フリックのダーラント。人間味あふれるような温かく太い声。
舵取りを歌っているのはフリッツ・ヴンダーリヒ。美しいテノールの歌。たいへんな贅沢。
そして、やはり、このオペラの主役はコーラス。ちょっと暗さのありますが迫力のあるベルリン国立歌劇場合唱団の歌声。第2幕の糸つむぎの合唱や第3幕の有名な「水夫の合唱」は、やっぱり聴き応えがありました。特に「水夫の合唱」はド迫力。
 
私自身、このオペラのお気に入りの録音はカール・ベーム指揮の1971年のバイロイト音楽祭のライブ録音とフリッツ・ライナー指揮による1950年のメトロポリタン歌劇場のライブ録音ですが、これらにまた一つ、お気に入りが加わりました。







お気に入りのCDの写真を並べた全くの自己満足の世界・・・。

マリア・カラスのマクベス夫人

2013年05月11日 23時10分39秒 | オペラ



マリア・カラスのCDは、いろいろ持っていますが、その中で凄いと思っている録音は、ヴェルディの歌劇「マクベス」から3つの場面を歌っているヴェルディのオペラアリア集(EMI盤)
マクベス夫人を歌っているマリア・カラス。
戦慄が走るくらい凄い演奏でした。
その歌劇「マクベス」を歌っている映像が、リサイタルですが見つけました。
これは貴重!
表情の物凄さ!
DVDは出ているのだろうか?
捜さなくては!



疲れている時はワーグナー?

2013年03月28日 13時40分49秒 | オペラ
今日は1週間振りの休み。どうも、いかん。疲れが体全体に回っているような感じで集中力が無い。
昨晩も夜11時前に帰宅。それから、Jスポーツで放送されたフィギュアスケートの世界選手権からアイスダンスの録画を見ていたのだが、いつの間にかテレビの前で寝てしまった。
女子シングルやエキシビションの放送も録画しているのだが、なかなか落ち着いて見れそうもない。ノーカットだけに、どれも長時間。早く、じっくりと見たい。
今日も、せっかくの休みなので寝ていればいいのに朝7時前には目が開いてしまう。眠気があるのに眠れない状態。
そんな中で、数日前届いていた3組のCDの中でワーグナーの歌劇「タンホイザー」全曲を聴いてみる。疲れて集中力が無い中でワーグナーのオペラ。
休憩しながらボチボチと聴いていく。
疲れている時は、やはりワーグナー?
分厚いオーケストラとコーラスによる響き。そしてドイツ語による歌。疲れているからこそ、私に伝わるのかも。
現に第2幕冒頭のエリザベートの歌う「おごそかな殿堂よ」や有名な「入場行進曲」を聴いていると、落ち込んでいる気分を、何か奮い立たせてくれるものを感じました。
歌劇「タンホイザー」の全曲を聴くのは久し振りである。ワーグナーのオペラはよく聴いているのだが、「ニーベルンクの指輪」や「トリスタンとイゾルデ」「ニュールンベルクのマイスタージンガー」に集中していて「タンホイザー」や「ローエングリン」はご無沙汰気味である。
高校生の時、初めて歌劇「タンホイザー」序曲を聴いた時は、クラシック音楽を聴き初めて初めて我を忘れて熱くなった思い出がある。
さて今回手元に届いたのはフランツ・コンヴィチュニー指揮ベルリン国立歌劇場、合唱団による1960年録音のEMI盤。
歌手はハンス・ホップのタンホイザーを筆頭にディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、エリーザベト・グリュンマー、マリアンネ・シェヒ、ゴットロープ・フリック、フリッツ・ヴンダーリヒと言った今では考えられない、オール・ドイツ・キャスト。
まだベルリンの壁が出来る前の録音なので、これだけのドリームキャストになったのかもしれません。
ドイツ語による素晴らしい歌!歌!歌!
これぞドイツオペラと言いたくなる。
さて指揮のフランツ・コンヴィチュニー。
コンヴィチュニーと言うとベートーヴェンやシューマンの渋い演奏のイメージが強いのですが、どっしりとしていますが、もたれることがなく、正にドイツの響きと言えるでしょう。
第3幕の「巡礼者たちの合唱」の響き。コーラスの素晴らしさ。心にズシンと来る響き。シノポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団による全曲盤とは雲梯の差である。
コンヴィチュニーは、やはり歌劇場の人。劇場感覚が、あふれている指揮者。
他にオペラの全曲録音はあるのだうか?「ローエングリン」や「ニュールンベルクのマイスタージンガー」などは素晴らしかったに違いありません。

さて、ここからは全くの余談。
今日、昼飯の時、母から最近、小学校の時の担任だったS先生が亡くなっていたことを聞く。
小学校を卒業してからは、S先生とは、きちんと会っていない。同窓会も行っていない。
なぜなら、いい思い出がないからである。
S先生は算数の先生でしたがスポーツが万能。逆に私はスポーツは苦手で、ついて行けないことばかりであり、学期末の懇談会では、いつも、このことを指摘されていてボロクソ状態。正に小学校時代に植え付けられたのは劣等感だった。
昼食後、小学校の創立100周年の記念誌を開いて当時の集合写真を見てみたが、やはり同じ気持ちが、よみがえってしまった。
なお、何で創立100周年の記念誌が、手元にあるかと言うと、当時、私の長女が100周年の時、在校生だったからである。
さて、この劣等感を払拭できたのは中学生の時。コーラス部に入ってからである。本当に人生が変わってしまった。そしてクラシック音楽との出会い。本当に人生は分からない。
さて現在の会社に就職して、以前、配属していた店で2度ほどS先生とニアミスをしたことがある。
特に一度は先生は私のネームをじっと見ていた。しかし、瞬間、大人になっても心の葛藤があり、どうも小学生の時の劣等感がトラウマになっていたのか自分から名乗ることは出来なかった。
やはり名乗るべきだったか?と思うこともありますが、しかし今となっては、どうしようもありません。
今は先生のご冥福をお祈りするばかりである。

今日は、疲れのため支離滅裂の書き込みとなってしまいました。
しばらく、こんな状態が続くと思われます。
どうかご容赦下さい。









サヴァリッシュの楽劇「ワルキューレ」

2013年03月12日 13時02分05秒 | オペラ
先週の木曜日の深夜、NHK・BSでヴォルフガング・サヴァリッシュ追悼番組としてワーグナーの楽劇「ワルキューレ」全曲が放送されました。
1989年、ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場での公演。演出はニコラウス・レーンホフ。
本当は第1幕から、じっくりと見たかったのですが、このところ、いろいろと忙しく、この長大なオペラを数日間をかけて、少しずつ見て行き、やっと全曲、見終えたところ。
改めて時間に余裕がある時、第1幕から最後まで通してみるつもりです。


ブリュンヒルデ 「・・・この世の高貴な英雄を、あなたは宿していることを。その子のために、この剣の破片を渡します。彼の父親から、幸運にも私が取ってきたものです。これを新たに鋳なおして、いつか剣を振るう人。その人の名を私は名付けます。ジークフリート!勝利を喜ぶ人なのです。」
ジークリンデ「おお、このうえない奇跡よ!最も気高い乙女よ!誠実なあなたが聖なる慰めを与えてくれたことを感謝します。我々が愛した彼のために私の最愛のものを救います。私の感謝の報いを、いつか、あなたはうけるでしょう。ごきげんよう!あなたを祝福します。ジークリンデの苦しみが!」

このオペラで私が一番好きな場面は第3幕、有名な「ワルキューレの騎行」のあとブリュンヒルデがジークリンデを逃がす場面。
今回、このミュンヘンでの映像でも深い感動を憶えました。
ジークリンデが「おお、このうえないない奇跡よ!」と歌う背景に「愛の救済の動機」が流れます。この動機が次の流れるのは楽劇「神々の黄昏」の大詰めでの「ブリュンヒルデの自己犠牲」の場面。それを知っているだけに感慨無量になります。
ヒルデガルド・ベーレンスのブリュンヒルデ、ユリア・ヴァラディのジークリンデの素晴らしい歌!

それにしてもヒルデガルド・ベーレンスのブリュンヒルデが本当に素晴らしい。
ワルキューレは単に女性戦士ではない。戦乙女(いくさおとめ)であるということを納得させられるものがあります。
戦(いくさ)へ向かう勇ましさ、そして、それに反するような女性らしい優しさ、美しさ、そして貴高さにあふれるワルキューレたち。
その兜や甲冑の出立は派手なものではなく、落ち着いた黒ずくめ。品の良さを強く感じるものがある。やはり演出のレーンホフの力でしょう。
そんなワルキューレたちの中でブリュンヒルデに扮するベーレンスは声といい、舞台姿の美しさは、一際、目立つものがあります。
ジークリンデとシークムンの愛、そして父ウォータンとの狭間での葛藤。そんな葛藤を素晴らしい歌と共に、ちょっとした表情、仕草で見事に表現されているブリュンヒルデ。単に大きな声を張り上げているだけの大型ダンプが突っ走るようなブリュンヒルデが多いなかで、本当に感動的である。

またロバート・ヘイルのウォータンもいい。私は1989年のメトロポリタン歌劇場の公演のDVDも持っていますが、メトでジェイムズ・モリスの歌う俗人ぽいウォータンと違って、本当に神々しい。
ユリア・ヴァラディの歌うジークリンデは、声がやや硬いので第1幕後半での情熱的な高揚感が今一つでしたが、第2幕でのジークムントとの逃避行、そして第3幕でのベーレンスとの、やりとりはドラマチックで素晴らしい。
レーンホフの演出はタキシードを着たフンディングやドレス姿のフリッカも登場して癖のあるところもありますが、現在、よく見られる演出本意、音楽無視の読み換えの演出とは違うものがあり、癖はありますが、音楽に寄り添った演出だと思います。私は何も抵抗もなく、安心して見ることが出来ました。これはワルキューレたちの衣装によく表れていると思います。

そしてサヴァリッシュの指揮。
ワーグナーのオペラは、特に「リング」では、こうあって欲しい、こう鳴って欲しいと言う気持ちを絶対に裏切らない演奏、オーケストラの鳴らし方である。
長年、自身がオペラ劇場で育んできた経験や感覚が見事に生かされた演奏と言うべきでしょう。
今回は「ワルキューレ」だけの放送でしたが、ぜひとも「ジークフリート」や「神々の黄昏」もぜひ放送して欲しいものです。




歌劇「アイーダ」

2013年02月12日 09時59分54秒 | オペラ
フィギュアスケートの四大陸選手権の放送を録画していますが、まだ見ていない。どうも見る気がしない。
やはりフジテレビの中継だったというのが原因であろう。あの実況アナウンサーや、何かとはしゃぎまわるコクブンの声を聞いただけで、何か嫌になる。かなりのフジテレビ嫌いに陥ってしまった。
今週、CSのJスポーツ4でノーカットで放送されるので、こちらを、じっくり見るつもり。

さて、昨晩は夜遅くまで四大陸選手権の録画は見ないで、オペラを見てしまった。この前の日曜日の深夜にNHK・BSで放送された昨年夏のヴェローナ野外オペラ・フェスティバル2012からヴェルディの歌劇「アイーダ」の公演の映像。
現在、世界のオペラの演出は読み替えが多く、そのほとんどは、私の作品のイメージから遠いものが多く、ゲッソリすることが、ほとんどですが、今回見たヴェローナでの「アイーダ」はオーソドックスな演出で、安心して見ることが出来ました。
有名な第2幕第2場の「凱旋の場」を見ていて「こうでなくっちゃ」と言いたくなる思いでした。
久し振りにに歌劇「アイーダ」全曲を聴いて、やはり、一番いいと思ったのは有名な「凱旋の場」ではなく、第3幕と第4幕である。大がかりな合唱やバレエもなく歌手たちのソロや2重唱などだけでドラマを盛り上げて行く音楽の強さを強く感じました。
オペラのクライマックスを、にぎやかな「凱旋の場」ではなくアイーダとラダメスの、この世に別れを告げる音楽で静かに終えるこのオペラ。
壮大な「凱旋の場」の劇的効果も、このオペラの持つ愛の葛藤と悲劇としての効果を高めてくヴェルディによる考え尽くされたオペラと言えるでしょう。

さて歌劇「アイーダ」は、私が高校生の時、全曲レコードを手にした数少ないオペラである。そして、それこそ、とことん聴き込んだオペラである。正に隅から隅まで知り尽くしている感が強い。
初めて手にしたのはリッカルド・ムーティ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団による1974年録音のEMI盤。モンセラ・カバリエ、フィオレンツァ・コッソット、プラシド・ドミンゴ、ピエロ・カップッチルリ、ニコライ・ギャウロフという今、名前を並べただけでもため息の出るような素晴らしい歌手たちの顔ぶれ。
カバリエの美しいソプラノの声、コッソットの深いメゾソプラノの声。その声のコントラストの妙。
そしてこのレコードでバリトンのカップッチルリを知りました。
男声による低音の声の美しさを初めて、このレコードで知りました。カップッチルリによって、私はヴェルディのオペラでの真のバリトンの声の何たるかを、出番は少ないですが、この録音で教えてもらったと言えるでしょう。カップッチルリは1979年のカラヤン指揮ウィーンフィルの全曲盤でも登場していますが、声の美しさでは、このムーティ盤の上でしょう。
さて、これは余談ですが、1000札7枚(販売価格6980円だった)握りしめて、この全曲レコードを買いに、わが町の商店街にある日本楽器へ行ってみると、この全曲レコードはショーケースの中に収められていたので、お店の人の出してくれるように、お願いすると学生服姿の私を見て変な顔をされたことを今も忘れることが出来ません。そのくらいオペラの全曲レコードと言うものは当時、高校生のぶんざいでは身分不相応な高級品だったのでしょう。

さて歌劇「アイーダ」の全曲盤と言うとムーティ指揮のEMI盤が、どうしても今でも思い入れが強いのですが、同じムーティ指揮によるバイエルン国立歌劇場での1979年のライブ録音(ORFEO盤)も、気に入っています。
アンナ・トモア・シントウのアイーダ、プラシド・ドミンゴのラダメスもいいのですが、何と言っても当時、ドイツを代表するメゾソプラノだったブリキッテ・ファスベンダーのアムネリスの素晴らしさ!彼女の歌う歌劇「ドン・カルロ」のエボリも聴いてみたい。昔、エボリに扮している写真を見たことがあります。録音はあるのでしょうか?
その他ではクラウディオ・アバド指揮のミラノ・スカラ座による1972年のミュンヘンでのライブ録音(OPERA D'ORO盤)も演奏では最高でしょう。
イタリアオペラの総本山の歌劇場がドイツオペラの総本山の歌劇場に乗り込んでの公演のライブ録音。同年のミュンヘンオリンピックを記念しての公演だったらしい。
こちらもアーロヨ、ドミンゴ、コッソット、カップッチルリ、ギャウロフという最強の歌手メンバー。
ただ、条件の悪いライブのためか録音状態が、とろどころ今一つなのが残念。それでもスカラ座のオーケストラとコーラスの素晴らしさは十分に伝わってきます。
そしてコッソットの鬼気迫るアムネリス。コッソットの艶のあるメゾソプラノには本当にしびれます。
それにしてもムーティ指揮によるミラノ・スカラ座での録音がないのが無念。
もし実現していたら、さぞかし輝かしい演奏だったでしょう。



ムーティ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、コヴェント・ガーデン王立歌劇場合唱団(1974年録音 EMI盤)



ムーティ指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団、合唱団(1979年ミュンヘンでのライブ録音 ORFEO盤)



アバド指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団、合唱団(1972年ミュンヘンでのライブ録音 OPERA D'ORO盤) 






歌劇「椿姫」第1幕

2013年01月29日 09時18分40秒 | オペラ
今年はワーグナーとヴェルディの生誕200年の記念イヤー。
この前はワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」への思いを書き込みました。ワーグナーのオペラでは、やはり「トリスタンとイゾルデ」が私のベストワンであるし、全てのクラシック音楽の作品の中で、私にとって最上位の作品と言いでしょう。
さてヴェルディはどうかである。オペラ大好き人間の私にとってヴェルディのオペラも、私にとって大切な作品ばかりである。
ヴェルディのオペラの中でベストワンは何?と聞かれたら、おそらく多くの方は「オテロ」を挙げるでしょう。「オテロ」はヴェルディのオペラの中で初めて全曲盤のレコードを手にした作品。当然、思い入れもあり私も「オテロ」が頭の中を過ぎります。
しかし、すぐに「ドン・カルロ」「仮面舞踏会」「イル・トロヷトゥーレ」も思い浮かび、そして初期の作品の「ナブッコ」や「マクベス」も忘れてはいけないし、「シモン・ボッカネグラ」はどうする?あっ、「椿姫」を忘れていた!と言うことで収集つかないのである。

と、言うことで収集つかない状態の中で、今回は歌劇「椿姫」を語ってみます。
このオペラは我が国では昔から「椿姫」の名前で親しまれていますが、原題は「ラ・トラヴィアータ」、訳すると「道を踏み外した女」「堕落した女」と言うべきか。ヴェルディは、デビュー以来、どちらかと言うと歴史劇や史劇をテーマにした作品を書き上げてきましたが、「椿姫」はパリの社交界を渡り歩く高級娼婦ヴィオレッタを主人公にした、ヴェルディとしては珍しい当時としては現代劇である。
これを頭の中に入れておかないと、何故アルフレードの父親ジェレモンが、ヴィオレッタと息子の仲を裂こうとしたのか理解できないでしょう。

歌劇「椿姫」の第1幕。このオペラのヒロインのヴィオレッタの運命を暗示するような物悲しい前奏曲が終わると華やかなパリの社交界の夜会。そして盛り上げって行き、有名な「乾杯の歌」へなだれ込む。おそらく、このオペラ最大の聴き所でしょう。
しかし「乾杯の歌」は単に、このオペラを盛り上げるだけの曲でしょうか?「乾杯の歌」がいつも単なる名曲扱いされているのを見ると、私はいつも違うのではないかと思っています。有名だからと言って単に、のんきに歌って美声だけを誇示する曲では絶対に違うと思っています。
第1幕への前奏曲が終わり、幕が開くと、そこは華やかなパリの社交界。社交界の女王ヴィオレッタの登場。そして純情な田舎青年アルフレードの登場。
2人は初めて出会って視線を交わした瞬間から離れることの出来ない関係となるのである。ヴィオレッタが多くのパトロンたちの間を廻って行くが、どこにいても、互いの視線は切れることはない。誰も断ち切ることが出来ない。正に赤い糸で結ばれたかのように。
やがて夜会に出席している人々は、この2人の異様な視線に気が付き始め、舞台は緊張感が漂い始まる。
そして、この緊張感を、和らげようと客のガストーネが言う。
「歌でも歌えよ」と。
一度は固辞したアルフレードでしたが、もう、しっかりとした視線で結ばれている2人。ヴィオレッタに促され立ち上がる。
その瞬間、「乾杯の歌」の前奏が鳴り始める。
前奏曲が終わって幕が開いて「乾杯の歌」が始まるまで約5分。たったの5分。
そして、たいへんな緊張感。正にドラマである。
このたった約5分が、このオペラの命。
このたった5分が私にとって、このオペラの最大の聴き所です。

さて私のCDの棚には多いのか少ないのかは、よく分かりませんが10種類の歌劇「椿姫」の全曲CDが並んでいます。
その中で一番のお気に入りは、やはりマリア・カラスのジュリーニ指揮による1955年ミラノ・スカラ座でのライブ録音(EMI盤)です。
ただ、たいへん条件の悪いライブ録音なのが残念ですが、スカラ座の熱気と興奮が伝わって来て、やはり忘れることが出来ません。
マリア・カラスが、このオペラをEMIで、きちんとスタジオ録音を出来なかったのは痛恨の極みです。
なおEMI盤は1955年5月のライブ録音ですが、翌年1956年1月でのスカラ座でのライブ録音もあり、幕を追う毎に録音状態が悪くなるのが残念ですが、1956年の録音の方がマリア・カラスの表現力を増しているように感じることが出来、2つの演奏を聴き比べるのも面白いでしょう。
カラスの1955年のライブ録音以外では、プレートルがRCAイタリア管弦楽団・合唱団を指揮した1967年のスタジオ録音(RCA盤)が気に入っています。ヴィオレッタ役はモンセラ・カバリエ、アルフレード役はカルロ・ベルゴンツィ。定評のあるカルロスクライバー指揮のグラモフォン盤より好きです。
スタジオ録音ですがオペラの雰囲気が満ち溢れていて、このオペラを聴きたい時はプレートル盤を聴くことが多いです。

歌劇椿姫」、最初の約5分の部分だけでダラダラと書き込んでしまいました。
またの機会に、このオペラの他の場面を語ってみたいと思っています。
今回は、ここまで。