オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

「衣装をつけろ」(歌劇「道化師」より)

2012年11月22日 16時37分53秒 | オペラ



いよいよ明日からNHK杯。
中国大会では不調だった高橋大輔さんの状態が気になります。
高橋大輔さんの今シーズンのフリーは「道化師」の音楽。
イタリアの作曲家レオンカヷァッロの歌劇「道化師」の音楽である。

舞台は19世紀後半のイタリア、カラブリア地方。
オペラの最初はプロローグ。トニオによる前口上「ごめん下さい、皆さん方」が歌われます。
そして第1幕の幕が開きます。
村人たちは旅芝居一座を迎えて歓声を挙げている。
一座の顔ぶれは座頭カニオ、2枚目役のペペ、道化役のトニオ、そしてカニオが、幼い時に拾って育てて妻にしたネッダ。
ネッダは、この村の若者のシルヴィオと恋仲である。シルヴィオと密会中にネッダに横恋慕しているトニオに見とがめられ、知らせを聞いたカニオが駆けつけますが、シルヴィオは何とか、その場を逃げ、カニオはネッダに男の名前を白状させようとしますが、口を割りません。
まもなく芝居の開演。
妻の浮気を知りながら道化を演じなければいけないカニオが男泣きして歌う有名なアリア「衣装をつけろ」が歌われて第1幕の幕が下りる。

短い前奏曲のあと、第2幕の幕が開きます。
道化芝居が始まってカニオは妻を寝取られるパリアッチョ役。そしてネッダは浮気妻コロンビーナ役。
芝居が進むにつれて現実と芝居の見境がつかなくなってしまうカニオ。激情的にカニオが歌う「もうパリアッチョじゃないぞ」は第2幕最高の聴き所である。
そして劇中で男の名前を激しく聞き出そうとするカニオ。そして男の名前を言わないネッダをナイフで刺し、さらに客席から飛び出してきたシルヴィオも刺し殺してしまうカニオ。
最後のセリフは「喜劇は終わりました」
そして幕。

今回の高橋大輔さんのプログラムの音楽は第1幕の「衣装をつけろ」が主に使用されていますが。プロローグや第2幕への前奏曲も断片的に流れてきます。

映像は1961年NHKが招聘したイタリア歌劇団の公演から第1幕の大詰め「衣装をつけろ」の場面。
カニオを歌うのは「黄金のトランペット」と称えられた当時のイタリアオペラ界最高のテノール、マリオ・デル・モナコ。オーケストラはNHK交響楽団。
多くの名歌手による映像がありますが、やはりカニオ役はデル・モナコ。
まさに鬼気迫るデル・モナコの歌と演技。これを見てしまうと、他のどんな名歌手でも物足りなく聴こえてしまいます。
1961年当時、まだまだ海外の一流演奏家が現在のように頻繁に来日できない時代にデル・モナコのような大歌手が来日して、正に彼の持てる全ての念力を出し尽くすかのように日本の聴衆の前で歌ってくれたことは凄いことである。そしてNHKがしっかりと残してくれた映像は私にとって正に世界遺産と言っても言い過ぎではありません。
私は、かなり以前、NHKが放送した全曲の放送をビデオで録画していましたが、今は、それをDVDにダビングして大切にしています。

さて高橋大輔さんはバンクーバー・オリンピックのシーズンでは映画「道」の音楽。そして今シーズンは歌劇「道化師」の音楽。
イタリアの旅役者を描いた作品をテーマにした音楽が続き興味深く感じます。
NHK杯での最高の演技を期待します。




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