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成年後見人のことは、理解しておくほうが安心・・・枚方楠葉で司法書士事務所を構える友人を紹介をします。

2020-01-20 23:23:00 | 介護・福祉すずらんの集い
彼女の名前は、畑理恵司法書士。地域の介護福祉を考える「すずらんまつり」に2年連続で「相談コーナー」を設けて頂いた。屋外での祭り会場では、なかなか「相談保証」ができないと考えて、機関紙「すずらんだより」に投稿いただいた。読んで、理解が深まり今後の参考になる。以下 紹介・・

成年後見あれこれ
成年後見制度が発足してはや20年。知っているようで知らない(?)成年後見人のお話しをします。
◇後見は「リーガルサポート」から回ってくる
リーガルサポートとは司法書士が設立した公益社団法人です。家庭裁判所は後見の申し立てがあると、リーガルサポートに後見人の推薦依頼をし、リーガルサポートの支部が個々の司法書士に配転します。(家庭裁判所が選任する専門職後見人は司法書士の他、弁護士、社会福祉士です。)
私の所属支部では、配転を断ることができ、3人続けて断ると公募することになっています。報酬の見込み無し資産無しばかり回ってくると、ほかの司法書士が断ったのが回ってきた?とついつい疑ってしまいます。
でも、もともとリーガルサポートに推薦依頼がくるのは、資産が少なかったり、身内と疎遠だったり、問題のある事例ということなのでしょう。

◇カラカラにみえても途はある・
後見人の職務は身上監護と財産管理です。身上監護というのは、施設の入所契約などをすることです。ケアマネージャーさんやヘルパーさんの専門知識に負うところが大きいです。
明日食べるものがない、明日引きこもりの息子と共倒れになるという状況で後見人に就任すると、経済的に立て直すことが最優先になり、またそこが専門職後見人ならではの役割とも言えます。
さて、認知症であっても人にはプライドがあります。お金のことはケアマネさんにもヘルパーさんにも言いたくないのが人情です。だからこそ就任直後の資産調査が重要になってきます。
 意外と効果があるのがお掃除。要な書類やお金が出てきます。5年分遡って確定申告をして50万円近くの還付金が返ってきたことがありました。火災保険に入っていれば台風21号の損害保険金が下りますので保険加入の調査も重要です。
 債権回収会社からの督促状は、弁済期から5年経過していれば消滅時効援用の通知を送ります。NHK受信料の免除申請や子供が無収入や障害者年金(2級)を貰っていれば国民年金の免除申請も。
 とにかく請求できるものは請求し、払わずに済むものは払わない、これを粛々とやれば意外と早期に生活を立て直すことができます。カラカラの雑巾にみえても絞れば水が出るということです。一滴も出なければ破産申し立てや生活保護の申請ということもあるでしょう。

◇10人いれば10通り
後見人は年に一回裁判所に財産状況や収支の報告をします。司法書士の場合はこれに加えて半年毎にリーガルサポートに報告します。ですが、それ以外はわりと広範な裁量に委ねられているので、後見人が10人いれば10通りのやり方があります。運がよかった、運が悪かったとならないよう司法書士全体のレベルを上げなければなりません。
 しかし、苦情が多いのは後見の業務以前に後見人の高圧的な態度だったりします。後見人には医療同意権がなく身元保証人にもなれません。
そういった意味で身内の方との協力関係がとっても大切です。高圧的な態度で接していては協力関係は築けません。

◇意思尊重とは言うけれど
成年後見に関して最近もっともよく登場するキーワードは、「意思尊重」です。しかし、好きにお金を使いたい、家で暮らしたいという意思を尊重すれば行き倒れることが目に見えているときに、どこまで尊重すべきなのか?意思を尊重するなら、究極、後見人など要らないということにもなりかねません。
「尊厳の尊重」と言い換えてはダメでしょうか?重度障害の方も寝たきりの方も意思は表明できなくても「尊厳の尊重」はできます。

◇どんな場合に申立?
後見の申し立てでいえば、必要に迫られてということでいいと思います。例えば父親が亡くなったけれど母親が認知症で遺産分割の協議ができないとか、施設に入って実家が空き家になったけれど認知症で家を売れないというような場合です。ただ前述の事例のように生活に困窮している場合は早めに申し立てをしてください。

◇身内が後見人になりたい?
最高裁判所は最近、後見人は親族が望ましいとの考え方を示しました。ですが、預貯金がたくさんある、身内でもめているというような場合は、専門職が選任されます。なお、預貯金がたくさんある場合は、信託銀行に預金の大部分を預けたうえで身内の方に後見人を交替するのが一般的です。

司法書士 畑 理枝

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