建築の仕事が委託へと大きく変わった時期があった。
建築関係の部署は、徒弟制度があるようだと言われていた。先輩・後輩の上下関係は仕事を教えるということを通じて決められていた。仕事経験の少ない私は、一つの工事現場の監督をした先輩を、まばゆいぐらいの知識と決断力を持っていた人だと感じていた。それが全ていいとは思わないが、職場の中に、経験・知識が積み重ねられたのは事実だと思う。
それが、仕事の多様化が求められ、仕事の専門的な部分が設計事務所への委託へと変えられ、市町村協議、住民対応のみが職員の仕事となっていった。そのような流れの中でも「積算」(工事費を算出)だけは、職員でするということは、頑なに守られていた。職場の係りの机配置は「業者立ち入り禁止」の看板を出し、一番奥に積算係りが、当然のように位置していた。日常業務が業者の目に触れないように注意深くしていた。しかし、いつの間にか、積算業務も委託の対象となり、「金」のことは、職員が行なうという基本原則も少しづつ失われていった。
建築関係の部署は、徒弟制度があるようだと言われていた。先輩・後輩の上下関係は仕事を教えるということを通じて決められていた。仕事経験の少ない私は、一つの工事現場の監督をした先輩を、まばゆいぐらいの知識と決断力を持っていた人だと感じていた。それが全ていいとは思わないが、職場の中に、経験・知識が積み重ねられたのは事実だと思う。
それが、仕事の多様化が求められ、仕事の専門的な部分が設計事務所への委託へと変えられ、市町村協議、住民対応のみが職員の仕事となっていった。そのような流れの中でも「積算」(工事費を算出)だけは、職員でするということは、頑なに守られていた。職場の係りの机配置は「業者立ち入り禁止」の看板を出し、一番奥に積算係りが、当然のように位置していた。日常業務が業者の目に触れないように注意深くしていた。しかし、いつの間にか、積算業務も委託の対象となり、「金」のことは、職員が行なうという基本原則も少しづつ失われていった。