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こころの除染という虚構94

こころの除染という虚構

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 ABCエリアについては、3月14日に開かれた、平成24年第1回伊達市議会定例会において議題に上がっている。

質問者は菅野富夫議員。

(菅野)いわゆるA,B,Cのランク付けでやっていきたいというようなお話も伺っておりますが、A,B,Cのランク付けの分け方の考え方についてお話をお聞きしたいと思います。

 

答えるのは、半澤隆宏除染対策担当次長。菅野議員とのやり取りの中で、このような説明を行った。

(半澤)

Aエリア、Bエリア、Cエリアということで分けさせて頂いておりますが、Aエリアにつきましてはある一定程度の面的な除染が必要でありますから、人も必要だということで、そういった観点から

Aエリア、Bエリア、Cエリアに分けて除染させていただくということです。線量を下げるという目的はみな同じなのですけど、手法が若干違うということですので、そういった観点で分けさせていただいて、ゼネコンさんのほうにもいろいろやっていただきたいという風に考えてございます。

 

市はここで、「ABCで手法が若干違う」と言っているが、

菅野議員にこれ以上の追及はない。この時点で、市民ばかりか、議員も、ここから何が始まるのか、わかっていなかった。それは市への信頼があったからだと思う。多くが理解していた「除染とは降り注いだ放射性物質を取り除く」ということだ。

 

事故前と同じに戻るとは思っていないが、まさか降ったものをそのままにしておくエリアを想定しているとは、思いもしないことだった。

市民の脳裏にはまず「山から全部除去する」という市長の言葉があった。最初に出された「除染基本計画」(2011年)で第1順位、第2順位」とされたわけだから、ABCは除染の順番だと思っていた。続く

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こころの除染という虚構93

こころの除染という虚構

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「除染は線量の高低によって、

Aエリア=特定避難地域の存在する地域。

Bエリア=A以外で比較的線量の高い地域。

Cエリア=1マイクロシーベルト・時間(年間5ミリシーベルト)以下の地域に分け、A地域は大手ゼネコンによる面的除染。B地域は地元業者による地区別除染。C地域は地元業者と市民により、住宅のミニホットスポットを中心とする除染、と想定しております」

 どのような流れの中で出てきたことなのか、何の説明もなく、市民の前にポンと投げ出された「A・B・Cエリア」。

しかし、多くの市民はどれだけ重要な問題なのか、気づくはずもなく、高いところと中間、低いところが伊達市にはあるのだろう。

 そして除染の順番に名前を付けたのだろうという程度の理解だった。まして「面的除染」や「ミニホットスポット除染」など、初めて耳にする用語もチンプンカンプンだろうし、伊達市独自の〈除染新機軸〉の意味するもの、かつ、その意図を理解できた市民は。この時点では皆無といってよかったのではないか?

 『面的除染』とは、住宅の敷地内=生活圏をすべて除染するということだ。

『ミニホットスポット除染』とは、文字通り、「スポット」に限定した部分的な除染を指す。しかもなぜかご丁寧に「ミニ」まで付く。

ちなみに国の除染ガイドラインにはこのような考えは入っていない。

  国は除染の長期目標を個人の年間追加被爆線量1ミリシーベルトと規定。

1時間に換算すると毎時0・23マイクロシーベルトを除染基準として市町村が除染を進める「除染実施区域」が指定されている。

 伊達市ももちろん含まれているが、「スポット」に限定するということは想定されていない。

 さりげなく挿入された大幅変更だが、市民はもちろん、市議会にもそれほど危機感はない。 続く

 

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