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検察ウラ事情・五・

(洗脳の恐さ)

これは吉田政権側にとっても、佐藤幹事長を守る事になり、検察側にとっても捜査の破綻を取り繕(つくろ)う事が出来る『妙案』だったのだ。

真相を知らぬ国民は勿論のこと、事情を知らされていない新聞記者たちは政権の強権発動に憤激し、特捜部を「悲劇のヒーロー」として盛んに持ち上げてしまった。

それ以来『正義の特捜』対『悪の政治』という神話が出来てしまった。

余りにも収拾策がうまく行き、何も知らぬ世間の同情まで買って、馬場検事正はむしろ戸惑ったに違いない。平成の今日までこの神話は続いている。洗脳そのものの本当に恐いところである。

ともかく東京地検、検事正:馬場義続のもくろみは見事に成功したといえよう。若しあのまま河井検事が暴走すれば真相が明るみに出て、特捜部は解体されてしまっただろう。検事個人が独善に走ると恐いものである。

造船疑獄の裁判では無罪判決が続出し、佐藤栄作以外の件でも、乱暴な捜査が行われていた事が分かったのだが、一度確立された検察=正義という特捜神話は揺るがなかった。

国民の正義を信ずる潔癖性が検察に正義であって欲しいと願っているのだが、実際には検察の特に独善主義の検事や功名心にはやる検事などが時々、これを裏切っているのである。

民主党の小澤幹事長に絡む事件の報道を見ていると、マスコミは未だに『正義の特捜』神話に縛られている。嘘(うそ)話を土台にした報道で世論が動かされるようでは、日本の将来は危ういといわざるを得ない。

今の検察は腐敗している。何故私がそう断言するかと言えば、検察の裏金問題の経緯をつぶさに見てきたからだ。検察は長年,『調査活動費』の名目で年間数億円の裏金を作り、幹部の交際費に充ててきた。

本来ならば、検察幹部は総辞職し、使った裏金を返還すべきである。ところが、自民公明党の法務省、並びに検察は裏金作りを否定し、2002年4月、それを内部告発していた大阪地方検察庁の三井 環・公安部長を『口封じ逮捕』したのである。

これほどヒドイ職権の乱用は検察史上に例がなかった。

大半の新聞やテレビはその真相を知りながら、検察批判を手控えて来た。
極めて重要な情報源である検察の機嫌を損ねて、ネタが取れなく成るのを恐れたからだ。

その結果、検察は『自らの悪事を封印すること』に成功したのである。

今回の、小澤幹事長に絡む事件では検察リークが露骨な形で行われていた。被疑者の供述内容や,[陸山会]口座の資金移動など、またまた検事にしか分からない事が連日のように詳しく報道されたのだ。六へ続く


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