FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



相場はドル高の反動のドル安になっているが、どこまでいくかはまだよくわからない。もう少し様子を見たい。

週末にTVを見ていると、例のウォール街占拠運動の報道が多い。「金持ちから税を取れ」という主張に代表されるように、彼らは政府の積極的関与による社会主義的政策を支持しているようだ。それに対して、以前から話題になっているティーパーティ運動は、「医療制度改革の無駄な政府支出を止めよ」の主張に代表されるように、小さい政府を支持するリバタリアン的政策を求めている。まさに真逆の主張が、同じ草の根から出てきたところに、今の米国の抱える問題の複雑さを知ることができる。

さて、ここまでの両者の相違はあちこちの報道でも触れられているが、この両者に共通する主張があることは意外に知られていない。デモの様子を報道した動画をよく見るとわかるが、両者に共通するプラカードは、実は、

 END THE FED(連邦準備制度を終わらせろ)

である。Occupy Wall St.側からは、FRBは大銀行だけを救済する悪玉であり、Tea Party側からは、ニセの金(fiat money)を作って無駄な政府支出をさせる元凶である。バーナンキもとんでもない時期にFRB議長になったものだが、欧州におけるECB批判、日本における日銀批判でもわかるように、問題がソブリンリスクに移ってきた現状では、いままで裏方だった中央銀行の行動の一挙一動に衆目が注がれているというのが実際のところだろう。

しかし、理屈はともかく、このウォール街占拠運動の今後の動向によっては、FRBにとってはもうひとつ頭の痛い問題が増えたには違いない。無視すればいいようなものではあるが、ワシントンの真ん中で「END THE FED」のプラカードのデモ隊が練り歩く日が来るとは連銀総裁の誰も予想していなかったことであろう。この問題は2012年、そして2013年と長引く可能性が出てきたと思っている。


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