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「黄金時代の茶道具-17世紀の唐物」  大阪市立東洋陶磁美術館

2015-06-04 | ア-トな話し
4.4~6.28
日本へ伝来し、古くから珍重されてきた美術品の「唐物」に焦点をあてた特別展が、大阪市立東洋陶磁美術館で開催されています。
茶の湯の黄金時代ともいえる16世紀から17世紀に収集された唐物を中心に、国宝「青磁鳳凰耳花生 銘萬聲(せいじほうおうみみはないけ めいばんせい)」をはじめ、国宝「油滴天目(ゆてきてんもく)」などが展示されます。
室町から江戸時代にかけて台頭した千利休や織田有楽、古田織部、小堀遠州、金森宗和などの茶人たちの創意、工夫により変化していく「唐物」の美意識と概念の変貌をたどります。



白天目(はくてんもく)

【重要文化財 室町時代 16世紀】徳川美術館 所蔵

室町時代の茶人武野紹鴎(たけのじょうおう)所持と伝えられる。膨らみをもった穏やかな形姿に、清楚な白釉(ゆう)、見込(みこみ)に溜まったビードロの黄緑色と、各色が見事に調和のとれた発色をしている。この茶碗と同様な破片が多治見市小名田窯下窯から発見されており、この窯で製作された可能性が高い。

会場でも一段と低く展示されていて、底がきっちり見えるように工夫されています。
感動の色彩です




油滴天目 茶碗(ゆてきてんもく ちゃわん )南宋時代 12~13世紀

国宝

東洋陶磁美術館 蔵 安宅コレクション

天目は黒釉の碗という意味にも使われています。この名称は中国の浙江省北部の天目山に由来しているといわれます。油滴天目は福建省にある建窯で焼かれたもので「建盞(けんさん)」とも呼ばれています。水面に浮かぶ油の滴のようにみえる金・銀・紺に輝く斑点から油滴と呼ばれています。油滴は釉薬に含まれる鉄分が雄の表面で結晶したもので、中国では「滴珠」と呼ばれています。口縁部に施された金覆輪は、口縁部を補強するためのものですが、見た目にもアクセントになっています。本品は鎌倉時代に日本にもたらされ、関白豊臣秀次が所持し、のち西本願寺、京都三井家、若狭酒井家に伝来しました。南宋時代の漆の天目台3点が添えられています。今回これらも展示されてました



大井戸茶碗(おおいどちゃわん) 銘 有楽(めい うらく)
重要美術品 東京国立博物館 蔵
朝鮮時代 16世紀

寂びの茶碗の代表格として有名な大井戸茶碗の内,五指に入ると言う定評が与えられ,かつて織田信長の弟有楽斎が所持していたところから「有楽」の銘を持っている。まことにはんなりとした優美な大井戸で,ゆるりとした曲線美はいかにも女性的であり,赤みを含んだ枇杷色の釉薬もしめやか。高台際の長石釉の縮れ(梅花皮という)も整っておとなしい。





雨漏堅手茶碗(あまもりかたてちゃわん)

重要文化財 根津美術館 蔵

朝鮮時代 16世紀


姫路酒井家に伝わる。ねっとりとした淡黄色の素地で薄く成型され、高台際は力強く削られ、ちぢれが表れている。透明釉がたっぷりと掛かるが、焼けが柔らかいためか気泡からしみが生じて雨漏り状の斑となっている。口縁の薄さとどっしりとした腰の形から、釉調だけでなく姿も美しい茶碗である。



玳玻天目(たいひてんもく) 吉州窯 
宋 12~13世紀
京都国立博物館 蔵

加賀前田家伝来の屈指の名碗である。小さな高台にゆったりと広がる器形をもち、見込みには尾長鳥風な飛鳥文と小花をつけた折枝分とが黒の型抜き文様で表わされている。釉は二重がけで、黒釉の上に剪紙(せんし=切紙)を貼り、灰釉(白萩とかワラ色とも呼ばれる)をかけて黒抜き文様にし、灰釉は微妙にとけて、青、黄、赤味が複雑に交りあっている。外側は大らかな鼈甲風な釉調で、高台は小さく、高台際は鋭く箆削りがなされている。口縁には金の覆輪がつき、ナマコ風な変化をみせる灰釉のなかに、鸞や折枝文が鮮やかに浮き上り、見事な対比をみせている。日本に伝世した中国、江西省、吉州窯の世界的な名碗の1つであろう。




高麗 割高台茶碗 長束割高台 朝鮮・李朝時代
香雪美術館 蔵

古田織部の見立てで武家に好まれた。長束正家が秀吉から拝領したために この銘がつけられたそれ以降、徳川家康などに伝来、いい雰囲気だ


いずれも 素晴らしい茶碗が続く 展示の方法も素晴らしいのだと思う 作品が活きて見える




青磁鳳凰耳花生〈銘万声/〉 せいじほうおうみみはないけ〈めいばんせい〉

 国宝 和泉市久保惣記念美術館 蔵

久保惣美術館には何回も行ってるので、再会です

ブログはここ 和泉市久保惣記念美術館-開館30周年記念特別展 2012.11.25


南宋時代浙江省竜泉窯で焼成され、舶載された作とみられる。
室町時代にはすでに名器として珍重されたことがうかがえ、三代将軍家光の時、東福門院に贈られ、のちに公弁法親王に遺贈された。万声とは後西院が「𢭏月千声又万声」の詩句によって名付けられたもので、近衛家に伝わった鳳凰耳花生を「千声」、これを「万声」としたものとの伝来が添状および『槐記』にある。
鳳凰耳花生のなかでも、とりわけ作調が丁寧で、堂々とした風格を備えた優品である。

重要文化財の青磁鳳凰耳花生 東洋陶磁美術館 蔵 も展示されていた。

その他 素晴らしい花入れも数多く展示されている


平常展へも寄ってきました
もう一つの国宝、飛青磁花生に会いに。ありました 8年ぶりです

ブログはここ 「美の求道者・安宅英一の眼-安宅コレクション」




今まで見た国宝の茶碗と陶磁器一覧はここにあります 日本国宝展



展覧会の図録です
写真も素晴らしい。多分、「フランス装(仮綴じ)」というのだろうか。
見易い

少し周りを散歩しました
中之島公園のバラ園は残念ながら終わってました



大阪市中央公会堂

東洋陶磁美術館の前です。
今まで、その美しさに圧倒されて気づきませんでしたが・・・
屋根の上に何かある・・・
横から撮ってみました。


屋根にローマ神話の像が2体載っている。
右側がミネルヴァという学問や芸術の女神で、左はメルキュールという商業の神です。メルクリウス は英語読みでマーキュリー 。


中之島公園の中でも目立つ像


緑の賛歌
この彫像「緑の賛歌」は兵庫県川西市の浅井鉞次郎氏が緑豊かな文化の香り高い街づくりを進めている大阪市の緑化運動に協力して 寄付されたもの

題字は堀田庄三 氏、彫像制作は本郷 新 氏
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