気になったのは、懸念していた通りというべきか、「映像を見ていると曲が頭に入らない」という感想を幾つか見掛けたことだ。最初に指摘した通り、このMVは曲展開にシンクロしていないので、映像を一つの作品として捉えた時に歌は邪魔ですらある。映像を鑑賞しようとした人が無意識のうちに音の方を認識から除外するのは正常な反応と言えるだろう。『One Last Kiss』のMVがどのカットの写真をみてもそのとき流れている歌詞やサウンドを想起させるのとは対極的だ。いやまぁもっとも、今回のヒカルは歌詞をジェスチャーで表現するタイプのコンテンポラリー・ダンスを踊っているので、それと歌詞は容易に結びつく事は、あるかもしれないけれども。
そう、今度は三部構成で来たのだ。しかも、普通なら三部構成といえば「メインパート〜サブパート〜メインパート」という、最後に出だしに戻る展開(所謂ダ・カーポですね)を想像するのだけど、『In love with you』という歌詞は共通しているとはいえ全く異なるアレンジでそのままカットアウトするという荒技に出てきやがった。終わり方の唐突さという点でいえば2008年の『テイク5』以来のインパクトだったかな。ただ、私聴いてる時にこの最後の8分の6パートを迎えながら、「あれ?このあとなんか言うことあるかな?」と思うや否や曲が終了したので、恐らくこの曲はこうなるのが自然なのだと思う。聴き始めは新規さがまさっていて冷静な判断は出来かねる感が否めないが、ひとまず「これはこれでいいんだ」という気持ちだ。
そんな中、今回発表のフジロックラインナップにFLOATING POINTSの名があったことでますます宇多田待望論が湧き上がってるようで。そりゃそうか、アルバム『BADモード』で『BADモード』『気分じゃないの(Not In The Mood)』『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』という、アルバムのハイライトとなった3曲の共作した相手なのだから(全曲ハイライトですけどね)。そりゃ苗場での共演を期待するよね。
つまり、彼が居るならフルバンド要らないのよのね。勿論、『BADモード』は『Hikaru Utada Live Sessions from Air Studios 2022』で観た通りフルバンドで演奏する曲だし、それはまだ生演奏されてない『気分じゃないの(Not In The Mood)』もそうなんだけど、マルセイユに関しては彼一人居れば十分なのだ。
『Flavor Of Life - Ballad Version -』を大ヒットさせた「花より男子2」は実写ドラマであったが、皆さんご存知のようにこちらの原作はギネス認定された事もある神尾葉子作の少女漫画だ。当然、その続編である「花のち晴れ」もまた同氏の漫画作品である。他にも、『Time』を提供した日テレ系実写ドラマ「美食探偵 明智五郎」も原作は東村アキコ作の漫画だったね。
テレビドラマのみならず実写映画もある。『Show Me Love Not A Dream』を提供した山下智久&伊勢谷友介主演の実写映画「あしたのジョー」は高森朝雄(梶原一騎)原作・ちばてつや作画の少年漫画だったし、『あなた』を提供した堺雅人主演の「DESTINY 鎌倉ものがたり」も西岸良平作の漫画作品が原作となっている。