無意識日記
宇多田光 word:i_
 



『何色でもない花』のチャート・アクションが出揃ってきてるのだけど、「え、こんなに!?」と驚くような数字ばかりで結構狼狽えている。

現行最も網羅的であろうビルボード・ジャパンの総合ソング・チャート「Japan Hot 100」では初登場第4位。その内訳はダウンロードで第2位(1万1704ダウンロード)、ラジオ・オンエアで第1位、動画再生第10位(279万3660回)となっている。なお、こちらは集計期間が2024年2月12日~2月18日である為、2月21日現在既に動画再生回数はYouTubeのみで300万回再生を突破している。ひえぇ。
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/134902/2

特にラジオね。プランテックのチャートでは、記事によると「2位以下と大差となるオンエア数を獲得。文句なしの圧勝」で第1位だったそうな。確かにオンエアでの遭遇報告はTwitterで幾つかみていたが(こまめにハッシュタグをつけてくれていた皆さんどうもありがとう)、いやそこまでのことになってるだなんて全然気が付かなくってすいません、って気分になっちゃったよ。
https://www.musicman.co.jp/chart/600471

うぅむ、初めて1月初旬に「君が心をくれたから」の初回放送終盤で聴いた時は「これは売れないなぁ」と断定してしまったのだけど、もしかしてこれ、昨年の邦画実写映画No.1の興行成績だった「キングダム 運命の炎」主題歌っていうかなり強力なタイアップをとっていた『Gold ~また遭う日まで~』よりいい通算成績残しそうな勢い??
https://www.billboard-japan.com/chart_insight/detail?kind=h100&date=2023-08-14&main=203872

特にMV再生回数の伸びが凄いわよね。半年前に公開された『Gold ~また逢う日まで~』が今400万回再生ちょっと超えたとこだというのに、『何色でもない花』MVは目下320万回。これ早々に追い抜くペースじゃないっすか? 確かに、GoldMVは音源配信開始から2週間遅れでの投入であった一方、AFoNoCoMVは即日プレミア公開だったので、初動の需要を鱈腹咥え込んだという事情の違いはあるにせよ、それにしたってね。あたしみたいに初見でポカーンとした人はそんなに居なかったということか。多様に受け容れられているとしたら懸念が杞憂に終わったみたいでよかったよ。逆に、人気MVって位置になってくれたら今後は更に遠慮なく色々言えて助かるわ(笑)。

ドラマの視聴率が普段の月9に較べても低空飛行だと記事にはあったからそんなに注目されてないのかな?とか思ってたんだけど、こと主題歌に限ればそうじゃなかったのかもね。いやはや、嬉しい誤算もあったもんだね。今後ここからどれくらい聴かれていくのか、楽しみになってきますね。これが来週以降のテレビ出演で更に拍車が掛かるとなると、ベスト盤発売に向けてとてもいい弾みがついちゃいますねぇ。梶さんの笑顔が目に浮かぶようだよ😄

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今回は、気を取り直して『何色でもない花』の曲構成の話を再び。例の曲構成回の日記を逐一参照しながら読んでうただければ。

【新曲発売時恒例曲構成確認回@AFoNoCo】
https://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary/e/25a647dd7d3ef9ad31cee4168b38bfb5

で。再三になるがヒカルのコメントを掲載しよう。

『こんなの初めてなんですけど、8分の6拍子と、4分の4拍子と、また8分の6拍子っていう、なんか謎のタイム・シグネチャーの三部構成になってるんで』

このヒカルの言に沿ってみたとき、「一旦4分の4拍子になったあとまた8分の6拍子に“帰ってくる”」と解釈するのが普通だろう。同じリズムに戻るんだものね。

ところが、よくよく音を聴いてみると事はそう単純ではないらしい。

初めの方の8分の6拍子は、前に指摘した通り、ピアノの音6つに対してルート音(ポーンと弾かれる長い音)1つとなっていて、これだとどちらかというと2拍子で解釈する方がメロディーに合いやすい。左右にゆっくり身体を揺らすような、そんなイメージを抱いていただければいいかな。左と右の二つの間を揺れる2拍子。

これがあるから、真ん中で4分の4拍子に移る時の唐突感が薄れる。2拍子から4拍子に移るのは、3拍子から4拍子に移るよりスムーズにできるからね。

が、今度その4拍子から8分の6拍子に戻る時─具体的には

┏ だけど
D 自分を信じられなきゃ
┠ 何も信じらんない
┗ (2:54~3:08/4分の4拍子)

の部分から後だ─、ここでバックの演奏を聴いてみると、右側で3つリズムを刻む度に真ん中でスネアドラムが1回叩かれている事に気づく。つまり、この3:08からあとの8分の6拍子は3拍子として提示されているのだ。(タン・タン・タン、ドン・タン・タン)

なので、確かに楽譜上では

「8分の6拍子→4分の4拍子→8分の6拍子」

という風に書かれているだろうが、演奏の解釈としては

「2拍子→4拍子→3拍子」

という、それぞれに異なるリズムでの三部構成になっていると考えられる。

この含みのあるやり方な。確かに、3:08以降のパートは最初の2分余りの2拍子のパートに現れるのと同じ歌詞になってはいる─

┏ In it with you
C'In it with you
┗ (3:08~3:28/8分の6拍子)

┏ I'm In love with you
┠ In it with you
┠ In it with you
C In love with you
┠ In it with you
┠ In it with you
┗ (3:28~3:49/8分の6拍子)

─のだが、歌い方が、いや、声そのものが別物に加工されている事に気づくだろう。つまり、最初のパートと最後のパートでこの歌のメインフレーズである

『 I’m in love with you 』

の意味合いが変化していると、そう編曲面とサウンド面で語り掛けてきてくれているのだ。

どこがどう違うのか、という話になるとこれはどうしても「ドラマを最後まで見てから」でないと解釈しきれない気がするのでそれについてはまた機会を改めてとなるのだけれど、たった4分ちょっとの曲中で2回リズムチェンジさせながらこんな解釈の幅を持たせてくるなんて、ちょっと宇多田さん尋常無さ過ぎじゃございませんこと?

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