無意識日記
宇多田光 word:i_
 



嗚呼、本州で梅雨明けが始まってるのか。沖縄は先月だったけど。

ヒカルは冬生まれだからか夏が苦手で、サザンやTUBEのように夏を謳歌するイメージはないけれど、それなりに夏向けの歌もあるにはある。『プレイ・ボール』なんかもそうだけど、最近はやっぱり『ともだち』と『パクチーの唄』かなぁと。

エヴァの世界は元々は常夏設定だがヒカルの書いた『Beautiful World』は“青空を海の底から仰ぎ見るような”透明感のあるサウンドだった。ヒカルの夏のイメージは“涼しさ”なんだと思う。暑いのが苦手なので常に冷房の効いた部屋で過ごしてきたんじゃないかの。

『パクチーの唄』にはそのものズバリの『夏の庭でリサイタル始まるよ』という一節が出てくる。自分の世代にとってリサイタルというとジャイアンなので暑苦しいイメージしかないのだが『パクチーの唄』のそれは如何にも涼しげだ。昼間の暑気はどこへやら、夜も更けて心地よい微風が頬を撫でる中でギターの静かな音色を背景にボサノバの歌声が流れてくるような穏やかな夏の日の夜。あらまぁ素敵。ちょっとノーブル。

『ともだち』には夏を示唆する歌詞は出てこない(『墓場』は…いつでもいいよね)が、サウンドがそれまでになく涼しかった。『Fantome』がリリースされた当初、次のアルバムではこういうサウンドが増量されると踏んでいたが結果アルバム『初恋』そうでもなかった。ラッパは寧ろ減ったくらいだし、パーカッションもそんなにフィーチャーされてなかったし。でもお陰で『ともだち』の独自性&他と替えられなさは今でも褪せない。


さぁ夏が来る。ヒカルの歌で涼しくなろうぜ。

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でなんだっけ。色んな話が途中だったな。

そうそう、2007年に「序」を見たときヒカルの歌声がエヴァの映画によく合ってる、特にシンジの少年ぽいところとシンクロしているなと当時思ったという話をしようとしてたんだったか。

ヒカルと緒方恵美では全然声質が異なる。しかし、ヒカルの話し声はどこか少年ぽいと昔から言われていた。では、今はどうなのか。歌声は随分と発声が変わって凄く大雑把に言えば“お母さんっぽく”なっている。『Play A Love Song』や『パクチーの唄』で聴かれるようにおおらかな優しさが主軸なような。

「Q」での碇シンジは「取り残された14歳」だった。庵野秀明の周りには次々と若手のアニメーターが現れ自分の手法が時代遅れなのではないかという焦りもあったのかもしれない。取り残された14歳のイメージは自身のアニメーターとしての立場の反映だったのか。知らんけど。

で「シン・エヴァ」でそれがどうなるか。「シン・ゴジラ」で自身の特撮好きを再確認、それが一程度の支持を得たことは好影響だろう。そこで開き直ったかどうか。

碇シンジがどう成長しているかでヒカルは歌い方を変えてくると思われる。“beautiful boys”を歌った『Beautiful World』だったから少年らしさを残した歌い方/声の出し方をしていたと勝手に解釈すれば、なんだろう、「映画全体のトーン」に合わせた歌と歌い方を自然に選択するだろう、かな。来年6月公開ならもう歌は出来ていても不思議ではない。いつヒカルがレコーディングしたのかもポイントになりそうだね。いつか教えてくれるかな。

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