大江健三郎健三郎「治療塔惑星」読了
やっぱり「治療塔」を読んだ以上、本書も読まねばと思い、手に取った次第。結果、読んどいてよかったかなと。
これは、主人公で語り手であるリッちゃん、その夫の朔ちゃん、そして二人の子であるタイちゃんの家族の物語であります。
「新しい地球」に何百基と据えられた治療塔。そのメカニズムの解明のため、朔ちゃんはある賭けに出ます。現在の人類の科学では解明できないのであれば、自分の脳にある処置をして、(詳しくは書かれていない)治療塔を造った「あちら側」の知性体と交信する。その内容を治療塔に入ったことのある親を持つ子供に信号として伝える。その情報が将来、子供が成長したときに解明されるのではないかと。すごい計画です。
大江健三郎の(多分)最初にして最後のSF小説であるんですが、破綻しているところもなく、面白く読めました。また、リッちゃんの朔ちゃんへの強い愛、また、タイ君へのこれも強い愛情にも心打たれるものがありました。彼女は若い頃、スイスに在住し、荒廃した町で少女奴隷のようなことをさせられた暗い過去があるわけです。だからこそ、今の境遇に甘んじることのない、一種冷めた目で物事を見つめるのでしょう。
さて、大江健三郎フェアもそろそろ終盤にさしかかってきました。ちょいちょい寄り道をしながらゆっくりいこうと思います。
やっぱり「治療塔」を読んだ以上、本書も読まねばと思い、手に取った次第。結果、読んどいてよかったかなと。
これは、主人公で語り手であるリッちゃん、その夫の朔ちゃん、そして二人の子であるタイちゃんの家族の物語であります。
「新しい地球」に何百基と据えられた治療塔。そのメカニズムの解明のため、朔ちゃんはある賭けに出ます。現在の人類の科学では解明できないのであれば、自分の脳にある処置をして、(詳しくは書かれていない)治療塔を造った「あちら側」の知性体と交信する。その内容を治療塔に入ったことのある親を持つ子供に信号として伝える。その情報が将来、子供が成長したときに解明されるのではないかと。すごい計画です。
大江健三郎の(多分)最初にして最後のSF小説であるんですが、破綻しているところもなく、面白く読めました。また、リッちゃんの朔ちゃんへの強い愛、また、タイ君へのこれも強い愛情にも心打たれるものがありました。彼女は若い頃、スイスに在住し、荒廃した町で少女奴隷のようなことをさせられた暗い過去があるわけです。だからこそ、今の境遇に甘んじることのない、一種冷めた目で物事を見つめるのでしょう。
さて、大江健三郎フェアもそろそろ終盤にさしかかってきました。ちょいちょい寄り道をしながらゆっくりいこうと思います。
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