佐藤正午「月の満ち欠け」読了
本書は今年4月に岩波書店より発刊されたものです。
本書もNHKラジオの「ラジオ深夜便」の書評氏が推していたものです。しかし、前の髙村薫ですっかり信用して勧められるままに買って読んだのはいいんですが、ちょっとだまされましたね。
佐藤正午という作家は髙村薫同様、名前だけは知っていたんですが(ジャンルは全く違いますが)、一度も作品を読んだことのない作家でありました。
まず言いたいのは、文章というか、プロットの立て方がこれ、どうなんでしょうね。話が非常にわかりにくいです。途中まで読んで、こりゃ読み終わったらまた最初からもう一回読み直そうと思って読み進めていたんですが、それもなんだか馬鹿らしくなってやめました。
いわゆる「生まれ変わり」というのがテーマなんですが、何というか、読了しても深い感動が得られないんですね。もっと違う書き方だったらまた味わいは変わると思うんですが。じゃどうすればいいんだと言われても自分は作家ではないので、何とも言えないんですが。
「小説の読み書き」という有名な小説の佐藤正午なりの解説を著した本があるんですが、良い読み手は必ずしも良い書き手ではないということでしょうか。
残念でした。
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