EL&P図書室3号

2001本目の記事から2.5号から3号に変更

「3.2」について

2019-08-19 10:44:18 | 「スリー・トゥ・ザ・パワー / 3…TO THE POWER」
「3.2」について

「3.2(スリー・ポイント・トゥー)」の発売から、
1年ほど経過しました。

大手通販サイトのレビューでは、
いろいろな感想が載っていますが、
私が思った事を少しだけ述べてみたいと思います。

まず、
これは「3(スリー)」ではないという意見があります。

これは全くその通りだと思います。

キースは本アルバムの制作に向けて、
ロバート・ベリーと演奏したデータのやり取りをしていたと、
ロバート・ベリー自身の解説にありました。

そのため、
キースが他界しなければ、
「3(スリー)」名義にするかどうかは別として、
カールのいない元「3(スリー)」のメンバー2人による新しい音が、
生まれていたのでしょうね。

しかし、
残念な事にキースは他界してしまいます。

これによって、
制作スタートの時点で、
日の目を見る予定だった、元「3(スリー)」のメンバーによるアルバムは、
誕生しない事になってしまいました。

ロバート・ベリーがこのアルバムを1人で完成させるべく、
キースが弾いた音源を、
幾ら取り入れたところで、
キースが他界した時点で、
「3(スリー)」とは別の作品に向かっていった
と、
捉えるべきだと思います。

「3.2」のアルバムの曲には、
かつての「3(スリー)」らしさを彷彿させる展開の楽曲や、
「3(スリー)」で使用されていたフレーズが、チラチラと登場する曲もあり、
それはそれで、「3(スリー)」で活躍した頃のキースを、
思い起こさせてくれます。

それはとても有り難い事です。

キースが他界した現実を見れば、
それ以上を望むのが無理というものです。

私はそんな視点で、
何度も「3.2」を聴きました。

聴けば聴くほど、

「私はキース・エマーソンのファンで、
ご縁があって、このような音楽を抵抗無く、
耳にしているけど、このような楽曲を求めている人達が、
今の世の中に一体どれぐらいいるのだろう。」

とふと思ったりします。

一般的に「プログレッシヴロック」と呼ばれている、
そのような音楽を好んで聴く方々にとっても、
「3.2」の楽曲は、
とても風変わりな音楽だと思います。

「3(スリー)」に関しては、

「ロバート・ベリーが作った、
割とポップな曲にキースがダイナミックなアレンジを施した、
とっつきやすいアルバム。」

という解りやすさがあったのですが、
「3.2」はそんな感じがするわけではない。

「3(スリー)」よりは、
とっつきにくい曲が多いし、
比較的ポップな曲があったとしても、
それは比較的ポップだというだけで、
独特のメロディーだと思いますね。

「3(スリー)」みたいに、
開き直りみたいな、あっけらかんとした感じの楽曲群が並んでいる感じではありません。

その不思議さが、「プログレっぽい」と捉え方をすれば、
これも「プログレッシヴロック」の範疇に入るものなのでしょう。

需要があるかは別として、
これもまた唯一無比の楽曲群と言えるのかも知れません。

思うままに書きましたが、
私にとっては、「3.2」のサウンドは、
ある種の中毒性を宿していた事は確かです。

以上。

EL&Pを愛し続けてまいりましょう。

2019年8月19日 yaplog!
にほんブログ村 音楽ブログ プログレッシブへ
にほんブログ村