ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

アルコの羊筋の煮込み@札幌

2015年03月04日 | 旅で出会った食メモ
札幌・狸小路のジンギスカン「アルコ」のご主人はもとコックで、洋食系の一品料理もうまい。羊繋がりで追加オーダーしたのは、牛スジならぬ羊筋の煮込み。トロリ煮込まれたスジは、繊維が口の中でホロホロにほぐれつつ、羊の野趣ある風味が程よく香る。トマト風味のソースは、バケットですくい残さずいただく。

煮込みと聞いて芋焼酎お湯割を合わせたが、このテイストは赤ワインが正解かな。

ローカルミートでスタミナごはん…札幌・狸小路 『アルコ』の、ジンギスカン

2015年03月04日 | ◆ローカルミートでスタミナごはん
狸小路の東の外れに、かつて「富公」という札幌ラーメンの伝説的な名店があった。しゃべると怒鳴られる偏屈な親父が仕切る中、静まり返る店内ですする醤油系ラーメンが実に美味かったのを覚えている。現在は常連だった方が、その場所で流れを汲んだラーメンを供しており、このたびの札幌で学生の頃以来の再訪を楽しみにしていた。が、行ってみると暖簾はしまわれ、無情にも「売切れ」との札が出ている。

期待が高かった分落胆も大きく、代わりの店を探すのも億劫である。なのですぐ隣の「アルコ」とあるジンギスカンに即決。小路の突き当たりの赤のれんをくぐると、コの字カウンターには炭が赤々とはぜる七輪が据えられている。濛々と煙で霞む店内には、ひとりジンギスの客がポツポツと肉焼き中。勢いでパッと入ったにしては、掘り出し物風な店である。

お姉さんに一人前700円をオーダーすると、兜型の鉄鍋のてっぺんに脂身をのせ、野菜をひとつかみドサッ、肉盛りの皿がサッ、となかなか豪快だ。肉は色が変わる程度の焼き加減が食べごろで、モヤシに玉ねぎと一緒に酸味あるタレに漬け、ガバッといけば肉の柔らかいこと。ほっくりかみしめれば肉汁がじわり、クセもくどさもない軽さに、箸がどんどん進む。

肉一人前はモモと肩ロース、バラの合い盛りで、ソフトなのや腰があるもの、厚い部位に薄い部位らジューシーなのに繊維が詰んでいるのなど、食感が様々なので食べ飽きない。あっという間にひと皿クリア、追加するとお姉さんが通りしなに、野菜をドサッと鍋に足してくれるのもありがたい。緑色のおろしニンニクに赤唐辛子の粉を足すと、味覚が変わりさらに食が進んでいけない。

店内をよく見ると、お隣のかのラーメン屋と店内が繋がっている様子だ。二軒は同じ経営で、富公のファンだったというお客さんもよく来店するそう。数度しかお会いしたことないけど、穏やかなおじさんでしたよ、と意外な一面も伺った。常連客が談笑しながら肉を焼き、お姉さんと昔談義に花が咲き。凛とした店内での絶品ラーメンの思い出が、和気藹々なジンギスカン店に塗り替えられる、北の街の夜である。