ポーラ美術館のレオナール・フジタ企画展の続き。
展示の後半は、先ほどの「乳白色」を用いた子供や少女の画が中心となる。ただ、最初に見た裸婦画が柔らかかったのに対し、子供たちの表情はどこか鋭角的に感じる。なんというか、笑顔がなく、無表情で能面的というか。希望や和みより、内面に抱えた虚無感のようなものが伺える。
その、子供たちを様々な職種に描いた「小さな職人たちシリーズ」が、このたびの企画展での初公開も多い、主たる展示のひとつだ。正方形のタイル画にそれこそ様々な職に携わる少年少女を描いている。パン屋や魚屋、洋品店など商店主、左官や指物師、椅子職人といった技術者、さらに弁護士や医者、学者なども。旅人に写真家、印刷工など、我々に親しみ深い? 職種も。
さらに、手品師に猛獣使い、心霊療士といったややオカルトチックな職種、さらにスリにどろぼう、浮浪者、守銭奴(!)なんて、もはや職業じゃないネガなのもあり、興味深いというか、絵の題材が子供だけに怖いというか。
これらはほぼ「プティ・メティエ」と呼ばれる、下層民のしがない職業である一方、パリの街の象徴であり風物詩でもあったという。フジタ氏は第一次大戦後、国からの送金が断たれて困窮していた時期があり、こうした職種の人々に「友人」として親しみを持っていた、とも解説に記されていた。とはいえ、同情のような風刺のようなブラックなような、解釈の難しい画だ。前述のように、子供たちの表情が虚無的なので、なおのこと。
写真はまた、閲覧用の公式図録から借用させていただきました。私の好みで、魚屋さんを選びました。
展示の後半は、先ほどの「乳白色」を用いた子供や少女の画が中心となる。ただ、最初に見た裸婦画が柔らかかったのに対し、子供たちの表情はどこか鋭角的に感じる。なんというか、笑顔がなく、無表情で能面的というか。希望や和みより、内面に抱えた虚無感のようなものが伺える。
その、子供たちを様々な職種に描いた「小さな職人たちシリーズ」が、このたびの企画展での初公開も多い、主たる展示のひとつだ。正方形のタイル画にそれこそ様々な職に携わる少年少女を描いている。パン屋や魚屋、洋品店など商店主、左官や指物師、椅子職人といった技術者、さらに弁護士や医者、学者なども。旅人に写真家、印刷工など、我々に親しみ深い? 職種も。
さらに、手品師に猛獣使い、心霊療士といったややオカルトチックな職種、さらにスリにどろぼう、浮浪者、守銭奴(!)なんて、もはや職業じゃないネガなのもあり、興味深いというか、絵の題材が子供だけに怖いというか。
これらはほぼ「プティ・メティエ」と呼ばれる、下層民のしがない職業である一方、パリの街の象徴であり風物詩でもあったという。フジタ氏は第一次大戦後、国からの送金が断たれて困窮していた時期があり、こうした職種の人々に「友人」として親しみを持っていた、とも解説に記されていた。とはいえ、同情のような風刺のようなブラックなような、解釈の難しい画だ。前述のように、子供たちの表情が虚無的なので、なおのこと。
写真はまた、閲覧用の公式図録から借用させていただきました。私の好みで、魚屋さんを選びました。