ブラックファイブ

あのDr.ブラックジャックの半分以下なので、ファイブとします。命燃え尽きるまで、経験と知識からブログをやろう。

栄養管理

2005-01-11 23:06:40 | Weblog
 食べられない人には点滴をするか、経管栄養にするかという問題が出てくる。
 あの人に水を飲ませると、ゴクンとするのだが喉でごろごろ鳴っているのです。飲み込む努力はするのですが、喉の調和した動きがいまひとつ。後で、喉の奥を吸引して、残りを吸い取らねばなりません。でないと、気管に流れ込んで肺炎を起こしてしまいます。意識はしっかりしています。
 私は中心静脈栄養管理を選択しました。経管栄養でもいいけど、こうすると飲み込み練習の時にも、喉に管が入ったままでやりにくいでしょう。それで、右鎖骨下静脈から穿刺、消毒から刺して、チューブを入れて縫合するまで、約12分。
 私の判定ではここまでの所要時間10分以内は名人、11~20分は凡人、21分以上は鈍人(ドンジン)と区別します。今日は一発で入ったのですが、話しかけながらやっていたので2分オーバーしました。
 まあ、最初の試験穿刺で3分以内に入らないときは入れにくいよ。
 でも、この栄養管理はお腹を使わないから、自然に反するけど、色々便利だよ。最終的には食えたらいつでも抜けばいい。常に太い血管が保持されているから、血管から薬を入れるのを気にしなくてすむ。食わなくても1500とか2000カロリーとか補給できるしね。

 このところ、新聞をにぎわしている、ノロウィルスの胃腸炎。このウィルスに効く薬は無いのだから、補液、即ち点滴して待つしかない。ホームの管理者、介護者がもう少し、水分を補ってあげれば良かったのにネ。老人は遠慮してなかなかいわない事くらいみんな知ってるはずだよ。
 ここは大河内君に登場してもらおう。「渇 ! ドアホ !! 」。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

休日出勤 3

2005-01-10 22:34:46 | Weblog
 この“3”というのは、3日目も行ったという事でもあるのです。
 でも、昨日よりさらに落ち着いた顔つきをしていて、約30分で帰ってきた。これでも往復を入れると1時間を超しますね。『まあ、いいけどネ』・・この『まあ、いいよ』っという考え方が、世の中の進歩を妨げてるかも知れませんね。
 でも、夜間グッと眠りが深くなると、酸素濃度が落ちてくるとか、前途はまだまだ。やはりしっかり体力を回復してもらわないと、毎日来る御家族も耐えられなくなってくるよ。
 こういう持久戦は粘って辛抱しかない。粘ることを御家族も一緒に受け入れてくれないと。まだるっこしい斜面を少しずつはい上がれるかなッテいう感じ。「チョットだけ辛抱して、やっていこうよ」という風に話しかけていくのですね(たくさんの辛抱なんて出来るわけがないから)。
 もがいて、点滴を抜こうとしたり、ベッド柵をがたつかせたり、足をどてっとだしたり、自らの存在を外に示してくれるのです。
 まだ、飲食は難しいので、明日は中心静脈穿刺をして、カロリーを血管から入れるようにするべきかな。
 さて、3日もいったら休日出勤手当を請求すべきかな → 今回は見送る。この先の具合で考えます。
 里見クン、こんな治療で良いでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

休日出勤 2

2005-01-09 22:32:49 | Weblog
 元気になってて良かったよ、あの患者さんは。朝9時過ぎに行くと酸素も吸ってなく、目つきも元気そうでやや安心。それで、挨拶して帰ってきたよ。今日は約30分のご挨拶だけ。
 でも、体力がないから、また落ちる可能性は十分にあり得る。
 看護師さん達に「どうするんですか?」と言われたよ。回答「そんなの、わからないよ。少しずつレベルを上げていって、ぶつかったら、その時々でやっていくしかないよ」と。
 この返事では看護師さん、困るでしょうね。『じゃあ、どうすりゃいいの』って。でも、後戻りもできないし、どうなっていくかはやってみないと分からないし、まあ、こうならこうする、ああならああするなんて事は枝葉が多くて、書いても書ききれないし、まさに一歩ずつ見ながら進むしかない。その代わり頻回にチエックを入れていくしかない。その都度、診て判断し、行動する。看護師さんにもある程度、同様の事を期待してはまずいかな。
 最後はあんさんの体力回復次第ですね。

 昨日の宿題をしよう。
 私は、こんな場合の出勤手当の請求は何回分かに対して一回分を請求している。つまり、数回の内一回だけ請求することにしている。これなら自分を納得させられる。緊急の場合が続く場合は、勿論全回請求しますけど。緊急は毎日ってことは無いからね。
 昨日の朝日新聞の朝刊で、樹研工業の社長さんが言ってましたよ。・・・タイムカードも出勤簿もなく、残業は自己申告制・・・「牛や羊ではなく、知性のある人間なのだから、管理する必要はない。・・・」・・・現在の社会で、ここまで言えたら最高だよ、全くうらやましい。
 それで明日は行くかって? 一回は顔を見に行く必要があるでしょうね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

休日出勤

2005-01-08 22:57:34 | Weblog
 ちょっと顔を見に行ったのが、まさに運の尽きだった。
 昨日の患者の酸素濃度モニターの表示が出てない。それではと装着し直すと低いよ、もう。普通96%はあるところが60~70しかない。これは決定的に低酸素だ。本人は返事はするけど、内心焦ったよ、落ちるかもしれ、来た途端なんだよって。考えるに酸素の下がる理由は酸素の入りが悪いしかないと判断し、気管支内を確認し、たまった分泌物を吸引。つまり、気管の中の痰をポンプで吸い取ったのです。これでOKのハズなんですが、狭いところが一気に無くなり、換気が開放されたので、酸素濃度がグーンとあがり、今度は逆に呼吸があさくなってしまったのです(この辺りは呼吸生理の本を見ないと理解しにくいかな、酸素が急に上がると、呼吸が浅く軽くなり、換気が追いつかなくて、二酸化酸素がたまってくることがあるのです。とにかく急激な変化には身体がついていき難いということです)。
 仕方がないので、顔マスク補助呼吸装置を付けて様子を見ることとしたのです。昼飯を食って戻ると落ち着いて寝ているよう。看護師の刺激で目覚めて一安心。
 この顔を見に行くだけのはずが、3時間余りも拘束されてしまった。
 この自らの休日出勤は、いったいどうしてくれるのでしょう。勝手に行って勝手に働いたと言う意見もあるでしょうし、医師の必然的業務とする見方もあるでしょう。
 このような場合、時間外手当はどうするべきなのだろうか。
 里見クン登場、「自分の都合で休日に病院に行ったら、たまたま、患者さんの不調に出くわしただけだから、このままにしておこう」と時間外手当を請求もしないだろう。
 財前クン、「医師の労働に対して、休日であろうと正当な報酬は支払うのは当然だ」と言うでしょう。
 そこで、東教授に出てきてもらおう。
「予期せぬ出来事に対処するのは医師の当然の役割でもあり、義務だ」と言うだろう。・・・と言いながら、時間外手当の請求書はそっと書くでしょう。
 ついでに、あの大河内クンにも聞いてみよう。「大河内先生、この場合は時間外手当に該当するでしょうか」。額にしわを寄せてジロッと曰く、「医は仁術」。聞くのもヤボだったですね。
 それでは、私はどうするか。
 明日回答しよう。
 勿論、明日も休日出勤するけどね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人工呼吸器

2005-01-07 17:58:44 | Weblog
 先日まで人工呼吸器につながれていた方がようやく器械をはずせた。
 しかし、ややもすると酸素濃度が低下し活力が落ちる。基本的体力の回復が不十分なのです。十分に体力が回復するのを待ってから呼吸器をはずすのもいいけど、意識はしっかりしているのに気管の中に管を突っ込まれ、もがきの中で息をしていくのもすごく辛そう。麻酔をかけて回復を待つのも一手だが、意識のある人を呼吸管理するために麻酔をかけて意識をなくしてしまう事にもやる側につらいものがある。
 普段は呼吸することに意識などしていないが、酸素が落ちるとあえぐ。自分が階段を駆け上がってしばらくあえぐが、やがて少しずつ楽になる。しかし、彼らは待ってもすぐには楽にならない、早くても一日以上かかる、或いはトンネルの先は見えないかもしれない。
 この呼吸の苦しさを補助するのが、酸素や人工呼吸器。これがないと生きていけない、目の前にあれば使わねばならない。なければ、ウルトラマンのように直ちにカラータイマーが点滅し、3分で消えてしまう。彼らは科学の進歩の恩恵を如実に受ける事ができたのですね。
 さっきの方はまだきわどい縁をあゆんでいる。再度器械のお世話になるかもと。
   里見クンなら、きっとしぶとく粘るだろう。
   財前クンなら、さっさと後方部隊に手渡してしまうだろうね。
   (後方部隊:敗戦処理投手のようなものですね)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インフルエンザ

2005-01-06 21:38:34 | Weblog
 昨年11月24日にインフルエンザについて書きましたが、現況を報告しよう。
 当院では、現在までの所はっきりしたインフルエンザ患者はゼロ。多分、暖冬とワクチン効果の為と考えられる(前者の比率が大)。これから、もし寒波が来ると遅ればせながらはやる可能性も勿論ある。でも、大流行はしなさそうだ。今日来た患者さんでも、おなかに来る風邪と軽い感冒程度ばかりです。
 それでも、次の冬の前はワクチンはするべきでしょう。
 
 これは内科の里見クンに聞いてみても同意見だろう。「疫学と気候から次に備えておくべきだ」
 財前クンなら、「ワクチン ? うっとけ ! (うたなくてかかった奴はアホウだと言わんばかり)」この一言で終わりでしょう。

 ワクチン、予防接種の効能について厚生労働省はもっと啓蒙、教育していってもいいのではと思うけど、いつも回りを見回してから、おそるおそる穴からはい出してくる感じだ。
 私のいる病院でも、ワクチンが多く余っているという。これも簡単に言うと「アホウ」だ。在庫をかぶりそうな1月になってからでなく、せめて12月中にいってよ。無駄になると全くもったいないよ。
 需要と供給の調整をどこまで考えているのかい ? と 
 ドブに捨てるなら、在庫一掃セールでもやるべし。それ位出来るだろ。

 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白い巨塔 18

2005-01-05 22:33:08 | Weblog
 始めに上司の挨拶を語ろう。上の上は言った。視野を広く持とう。そうだよね、私達はつい目の前の患者だけに目がいって視野がドンドン狭くなってしまう。今日の話はこれだけ、あとは忘れた。
 
 テーマ、裁判にはでたことは無いが調書は今までにも数回取られたことがある。こっちが弱みを見せると相手はググッと押し込んでくる。ここで押しだされると、相撲の押し出しで負けのような事態が待っています。裁判官は広く深い知識と判断を要求されるけど、その前の調書は警官と検事の作文(ポリチャンには何の恨みもないよ)。ここで誘導されると、何となく相手の結論に導かれてしまう。長いと疲れてどうでもよくなってくる、ここが彼らの作戦の一つなんでしょうね。まあ、話さず黙秘は作戦にのらない一つの手でしょうけど、私は黙秘などする理由もないし、じっとだまっているなんて耐えられないよ。財前クンを始め、医療関係者はこんなのには大体弱いよ。日頃強がっていても、入れ知恵されてないとすぐに落ちてしまいそうな感じ。財前担当検事はどうだったろうね。財前君は顧問弁護士に言われたことしか言わなかっただろうね、きっと記憶力も十分だろうから。この場面もつくって欲しかったよ。知らないとつい、相手の中に入ってしまいそう、相手の土俵で相撲を取っても勝てない。よく柳原クンが落ちなかったものだ、感心。
 別に私は悪知恵を付けようとしているのではありません。自分を見失わないようにしようと言っているだけです。見失わなければそれなりの回答が必ず出来ます。

 そう、昨日人工呼吸器につながれていた方は未明に自力脱出してしまいました。即ち、自分で気管に入っている管を抜いてしまったのです。今朝まで待てなかったのでしょう。その後は自分の力で呼吸していました。助かる人は自分の力で助かるのです。医師などは手助けするだけです。
 白い巨塔にまつわる話は今日で一応終えよう。でも、財前君や里見君たちには時々意見を聞いてみたい。
 でも、大河内君の意見は聞かなくても分かっているよ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白い巨塔 17

2005-01-04 21:56:15 | Weblog
 仕事始めっていつも上司が挨拶をする。まあ、形式的儀式ですが、残念(無念ではない)ながら暫くすると殆ど何も覚えていない。でも、毎年やる。それなら、5分以内にまとめてくれ。
 財前教授は自信満々だったから、手短にこわもての挨拶を命令口調にしていたようだった。
 そこまでしなくてもいいけど、ポイントをしぼったものを考えて欲しいと感じたのは私だけだったろうか?あれもこれも盛りだくさんだと頭に入る端から次々と出て行ってしまう。
 明日はその上の上司が来る予定だ。上記のつもりでヨォーック聞いてみよう。

 さて、勤務につくと昨年からの人工呼吸器装着患者が待っていた。少し加減すると体力がついてこないのか、酸素濃度が下がってきてしまうのです。意識があるので、十分にイヤだろうけど、じっと辛抱、ユックリ加減していくしかない。財前教授に「君は何をやっているのか。遅い!」と叱責を受けそうなイメージ。
 もう一人、酸素を吸っている高齢バアサンがいる。私に「もっと派手なシャツを着ろ」という。バアサンでも、色気を出せるうちはまだまだ元気だよ。

 TVアンコールは終わってしまったが、忘れかけていた裁判について明日は語ろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白い巨塔 16

2005-01-03 22:37:06 | Weblog
 良い休みでしたか、今年はカレンダーの様に短くて残念。もう、明日から仕事、でもこの休みの間も働いている方もいるのでゼイタク言ってはいけませんね。
 携帯を持って行くと、どこまでも問い合わせが追いかけてきます。「○○さん、・・・なんですけど、?」これではいつもと変わりませんね。まあ、良いですよ、これで安心を売ることができるなら。
 昨夜、白い巨塔の反省をしていて思い出した。通称の先生に弁護士と医師がいる。でも、決定的に違うのは医師の国家試験は規定点数以上は全員合格です。しかし、弁護士は合格定員枠があり、それ以上はいくら点数が良くても不合格なのです。つまり、毎年の合格人数が限られているのです。何でも相談といいながらこれは変だよ、余りみんな知らないのでしょうね。司法試験合格率の悪い理由を。
 ちょっと、ひねくれてみたくなるような事実だけどね。これでは、やっぱり自分たちの利権を守っているといわれてもしょうがないよ。
 今の医師国家試験はマークシートが主、私の頃もそう、私はカンニングしなかったけど、顔を上げると回りのペーパーの文様(塗りつぶしをたどると模様に見える様)が見える。自分のと似ているか否かは何となく分かるけど、その頃はそこそこ自信があったから、間違ってるのはあっちだと思い上がっていた。
 きっと、財前君や東君は80点以上は取っただろうね。私は精々68点位でしょう(65点で合格)。
 医局長の佃君、鈍クサの柳原君も私に近そう。勿論、里見君は85点以上でしょう。でも、彼は思いこみと融通の悪さがあるから、90点以上は難しそう。これは大河内君にも通じますね。
 それでは、2005年燃え尽きるまで行けるかな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白い巨塔 15

2005-01-01 09:40:24 | Weblog
 新年おめでとうございます。何時に寝ましたか、私は0時40分頃だったかな。
 TV見てた? 外行ってた? 私は紅白を聞きながら、DynamiteとPRIDEを見て、頭の中は整理困難でメチャクチャだった。
 昨夜も入院患者が気管に入っている管を抜いてしまったと連絡があったが、当直医に頼んでしまった。

 さて、田宮君と唐沢クンの違いは簡単には時代の違いだろうね。
 例えば、今はガン告知は殆どしているが、田宮君の頃は余りというか、殆どしていなかったとかいうように。
 今時に田宮君ほど強烈にアクを出すのは極めて少ない。唐沢クンは、野心は出すが、今風にスマートでアクは強くない。今、田宮君のような医師がいると結構鼻つまみ者だろうね。あのころは、あれくらい強くないと、帝国大や洛北大と立ちうっていけなかったのかも知れない。田宮君はこのドラマが終わって少しして、自ら昇天してしまった。その気が、更に篭もっていたのでしょうネ。
 でも、自分がガンになって、唐沢クンのような医師に「助かりたかったら手術しかない」と自信ありげに断言的に言われると、その場の雰囲気と勢いから「よろしくお願いします」といってしまいそうな方が大多数になりそう。田宮君なら、その中に『この人何考えてるのか分からない、コワイ』という瞬間があるけど。
 山崎豊子の小説を読んで、二人のTVを見て、一番したたかなのは“山崎くん”だってことが分かった。
 さすがに彼女は打たれても打たれても立ち上がってきただけはある。

 病院は留守番に任せて、私はこれからちょっと親孝行してきますので明日はオヤスミします。
 よい一年に成りますように。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする