ブラックファイブ

あのDr.ブラックジャックの半分以下なので、ファイブとします。命燃え尽きるまで、経験と知識からブログをやろう。

ハルシオン

2005-01-29 21:37:58 | Weblog
 今日は睡眠薬の勉強会に行って来ました。薬品メーカーが後援しているけど、ひもは付いてない。睡眠障害も広く言えば、ライフスタイル、生活習慣に近い部分があり、運動習慣のない人に不眠の多い傾向がある。
 子供の頃は凄く深く10時間位も、物音にも気づかずに眠れた。そのうち、20才前後までは8時間、30才頃からは7時間、60才頃になると6時間の睡眠でも十分かも知れないと言う。
 成人になると深い眠りの部分が少なくなってくる。それで、朝になってよく眠れなかった、爽快感が足りない、寝むりが浅かった、などの不眠の訴えを言う。
 寝付きが悪い(入眠障害)、夜中に目覚める(中途覚醒)、早く目覚めてしまう(早朝覚醒)・・・分けるとこの3種になる。そして、睡眠剤を飲み始め抜けられなくなる。睡眠剤を習慣的服用してしまう。
 でも、耐性・依存性というよりも、飲まなかった翌日の不眠が不安を呼び起こし、抜けられなくなってしまう。この睡眠剤を止めた翌日の眠れない、寝付けない(反跳性不眠)が泥沼の入口。
 もう20年位前にハルシオンが登場した。入眠への切れ味は鋭く、一気に血中濃度が上がったのだろう。試しに飲んでみると、睡魔には30分も我慢出来なかった。まさしく催眠剤そのものだった。すごく売れただろう。しかし、連用すると反跳性不眠が強く、更にハイになったり、妖しげに使われたりで裏イメージが強くなってしまった。診療所がねらわれたりして、新聞にも名前が乗ったりこの手では超有名。
 患者さんにも名指しで「ハルシオンを下さい」と言う人もいた。でも、他種の睡眠剤が多数出てきて交代しても、もう良いでしょう。私の事象では、他種睡眠剤の購入申請したときに、これの購入を止めたらと提案したが却下されました。私はその後これの使用を全て止めました(半年かかった)。抵抗し渋る方々もいましたけどね(病院にはありますが、希望されても全て拒否、意固地かな)。

ハルシオンは良い薬だった。でも、もうその先駆的役割は終わったと考えます。
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ためらい

2005-01-29 01:24:41 | Weblog
 肺炎でもういいかなって、考えて治療を軽くしたら、再燃、元に戻ってしまった。やり直し、必須。かなりがっくりきたよ、患者さんにも当然悪いしね。患者さんにははっきりと謝って治療のやり直しをお願いしたよ。
 原因は初めの時の“ためらい”にある。勿論他にも色々あるけど、自省するとこれが一番大きいね。
 初めに、エイと治療すれば良かったのだけれど、つい甘く2,3日そのままの緩い治療を続けてしまった。更に、点滴もやや早めに止めてしまった。 どうして脇を甘くしたのか、そう、ついちょっとて感じで、今までやっていたことで様子をみようとしたことだね。ここで薬を変えると分からなくなってしまうんじゃないか、とか、前医に対して遠慮もあったのだろうね。少し改善してきたし、飯も十分食えるので、早く帰すために、じゃあ飲み薬にしようとした。
 自分の目を第一に信ずること、この第一歩をつまらない遠慮で判断を曇らせてしまったのですね。
 ためらいは熟慮と似ているけど、感覚的部分の占める割合が多いよ。感情的判断が冷静さを押しやってしまうのですね。
 (この報告は財前クンには見せられないね。でも、あの彼もあの人にそっくりな方の手術で情動が出ちゃったね。これはためらいではないけど)
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