ブラックファイブ

あのDr.ブラックジャックの半分以下なので、ファイブとします。命燃え尽きるまで、経験と知識からブログをやろう。

35

2005-01-13 23:47:55 | Weblog
 35、わかるよね。今日は新患担当で新患患者の35人をお相手したのです。お相手なんて言うと失礼かな。9時開始で、当然朝は寒いのでスタートは悪く少ない。ラッキーと思わせながら、後でカウンターが来るのです。
 だから、ゆっくりやってはいけないのです。いつ急患が来るかも知れないのです。そうなると、後はめちゃくちゃ、急患を診察に外に出ると、待ってて先をこされる方達がジロッと見るのです。あの視線は堪らないね。『どうして、じっと待ってる私達を飛びこすのですか』っていう感じ。
 今日は“気胸(肺に穴があいてしぼんでしまい、息苦しくなる。しぼんだ肺をふくらませるために、そっち側の胸に太い管を差し込んで中に漏れた空気を抜くことが必要です)”でした。外来は増えてきているし、また、今日は13時50分には外へ出なければならないのです。近くの会社の安全衛生委員会が14時からで、それに出席せねばならないのです。外との約束は絶対です。それで、手の空いている者に処置を頼み、借りを作ってしまいました。
 財前クンのように「今日の診療はこれまで、後は何とか言って佃君に診察を任せるように」と言ってみたいよ。
 12時過ぎでまだ後10人、もうヤバイ!この中に併診(他の診療科からこの人を診てよと紹介される。この分大体はっきりと病気があり面倒)が2件もあった。
 約束は破れないので、この時間から石橋を叩いて走って、検査はするけど、結果は後日として漸く13時20分に終了。
 急いでウドン・・を食べ始めるとPHS(医師全員持たされている)、あのずっと少しずつ書いている患者がおかしい。「先生、意識が遠いんです」「それは二酸化炭素がたまってきたのだ」と答えてウドンをすするが熱くてスピードは出ない。「先生、すぐ来てくれるんですか?」「ウゥウゥーン」と大至急誰かを捜しまくって呼吸管理を頼む。これで今日は借りを二つも作ってしまった。

 瞬間、財前クンになりたかったよ。「佃君、後を頼むよ、僕はちょっと出かけるから」と言うように。
 里見クンならきっと、外との約束時間を破っても患者の処置を自分でやっただろうね。

 35人を4時間20分、260÷35=7.4。 新患患者を平均7.4分で診察する、はっきり言ってこれは結構危ない橋を渡ってるよ。反省・・・でも、反省のドウドウ巡りでしょうね。
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68

2005-01-13 00:23:07 | Weblog
 68人、今日の外来予約患者数です。9時から昼休みを挟んで16時40分までの、実質約6時間20分、380÷68=約5.6分に一人の診察。これは呼び込みから戸を開けて、入ってすわり、診察、出ていって戸の閉まるまでの時間で、実質の診察は精々4分位かな。中には20分位の長い人もいるから、当然逆に1分の短い人もいるよね。
 再現! ガラガラッと戸を開ける音(引き戸なのでガラガラです)医師「おはようございます」患者「おはようございます」医師「どうぞおかけ下さい」患者:黙ってすわる。医師「お変わりありませんか」患者「特に変わりありません」医師「検査値も正常なのでこのままお薬を続けて下さい」といって伝票入りのファイルを渡しながらいう。「このファイルをでて左の13番のカウンターに出して下さい」ガラガラと戸の閉まる音で終わり・・・これで約1分。他に、顔色、顔つきを見て目つきを見ながら視線を合わせ、そっと脈をみる。
 この間患者は「おはようございます」と「特に変わりありません」の二言しか言ってない。
 こんなのでいいのかな。何か間違ってるよと思いながら、石橋を叩いて走り抜ける。
 
 里見クンならきっと言うよ。「患者さんときちんと話し、時間をかけて診察するように」
 でも、財前くんなら、「忙しい医者は、一分で診察するのも必要な能力だ」と。
東教授も言うだろう。「君も成長したもんだ、一分で診療が出来るまでになったんだから」と皮肉を込めて。
コメント (1)
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