ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

2013年11月17日 | 思想・学問

 気付いたら、一日が終わってしまいました。

 休日の時間の流れとは、切ないばかりです。
 
 私は今、夕飯を終え、焼酎で良い感じになっています。
 この酔いが私にわずかな慰めをもたらし、その反動として、時間を奪います。

 私は40代半ばを迎え、なんだか全てを諦めてしまったような気分に襲われています。
 それと同時に、自殺願望という狂気を孕んだものとは別に、死は恐るべきものではないのではないかと思うようになりました。

 なんとなれば、人は必ず死ぬように出来ていて、それをむやみに怖れることは、人生をつまらなくするように思うのです。

 私はそれぞれの年代において、馬鹿な遊びを楽しみ、年相応の愚かな行為を楽しんできました。

 しかし今、その場しのぎの遊びを楽しむ時期はとうに過ぎました。

 静かに、人生の終わりを考えるべきでしょう。

 現在の寿命を思えば、やや早過ぎるのかもしれませんが、私は何しろせっかち。

 生まれる時も、予定日より二か月も早く出てきて、未熟児だったため、乳を飲む力が無く、母はスポイトで無理やり私に乳を飲ませ、あまりに体重が軽いため、八百屋などで使う量りを買ってきて、毎日私の体重を計り、私が成長することを願ったそうです。

 残念なことに、私は神のうちと言われる7歳をとうに越え、40代半ばまで生き延びてしまいました。

 スポイトで無理やり乳を飲まされたせいか、私は牛乳が嫌いで、中学までは給食で出されるためにやむを得ず牛乳を飲み続けましたが、中学卒業後、現在に至るまで牛乳を飲んでいません。

 牛乳を止めて、もう30年もたちます。
 今後も飲む気はありません。

 大体牛乳というものは、子牛が飲むもので、人が飲むものではありますまい。

 それらのことが、私の死生観に影響を及ぼしているものと思います。

 牛から乳を奪うことは嫌、栄養があるからといって嫌いな物を食うのは嫌、運動は体に悪いし、これ以上痩せるのは嫌。

 嫌なことばかりです。

 してみると、私は人並みの寿命はあるのかもしれませんが、特別長生きすることは無いでしょう。

 それなら少々早くても、自分の終わりを考えなければなりますまい。

 武士道とは死ぬことにみつけたり、とほざいたのは「葉隠」においてでしょうか。

葉隠 (講談社学術文庫)
小池 喜明
講談社

 

葉隠 (まんがで読破)
山本 常朝,バラエティアートワークス
イースト・プレス

  それは何も死に急ぐということではありますまい。

 必ず死ぬ人間というものの冷徹な現実を思うとき、私たち一人一人は、その最後を早くから覚悟しなければならず、それには40代半ばは必ずしも早いとは思えないのです。

 人間にとってまったく不明である死という事態。

 それを忘れてつまらぬ仕事に時間を割かれる今の自分を、恥じずにはいられません。

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BTKキラー

2013年11月17日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 米国で実際に起きた連続殺人の実話を基にしたサスペンスを鑑賞しました。

 「BTKキラー」です。



 BTKとは、Bind(縛る)・Torture(拷問する)・Killer(殺人者)の略のようです。

 1974年から数年間、カンザス州の小さな町で、女性を狙った連続殺人事件が発生しました。

BTKキラー [DVD]
ジェラルド・グリスバーム,エリック・B・ゲールマン
マクザム

 犯人は相当な目立ちたがり屋だったようで、テレビ局に犯行声明を送ったり、人殺しの詩人と称して自作の詩を送りつけ、報道させて喜んでいたようです。

 彼には優しい妻と二人の息子がおり、家族に対しては良き夫であり、父でした。
 仕事は当初警備員で、その後法令順守員という日本人には耳慣れない職に就いています。
 いずれにしろ市民を守る立場であることに変わりはないでしょう。
 
また、地区の教会の信者会長を務め、食前のお祈りを欠かさない熱心なクリスチャンだったようです。

 映画の中でしきりに食肉となる牛や豚が工場でどんなひどい殺され方をしているかを犠牲者に語っており、動物愛護意識が高かったのかと推測します。

 30年も新たな犯行を犯さず、逮捕もされず、静かに暮らしていましたが、2004年にまた同じ手口の事件が連続して起き、BTKが帰ってきた、と町の人々は恐怖に震えたそうです。

 しかし、時代は変わり、警察の捜査能力も上がりました。

 かつては手紙をテレビ局に送っていたところ、2004年にはFDを送り、これが致命的なミスになったようです。
 FDにパソコンの情報が残っており、そのパソコンは教会の物で、これを使用できるのは牧師夫婦と信者会長のBTK、本名デニス・レイダーだけだったのです。

 数年の間にFDを見かけることもなくなってしまいましたが。

デニス・レイダーです。

 2005年、デニス・レイダーは逮捕されます。
 終身刑を言い渡され、現在服役中です。

 逮捕時、60歳だったそうですが、遅ればせながらご本人が望んでいた有名人になるという希望は達せられたものと思われます。

 映画はやや退屈なものでした。
 事実を忠実に描いただけで、想像力を加味してBTKの精神の闇に迫るような演出がなく、あまりに淡々としているのです。
 ただ、これがことごとく事実だと思うと、見方は自ずと変わってきます。

 逮捕後、奴は誰にも止められない、俺にも止められない、奴は俺の中に住んでいる、と不可解なことを言っていたそうです。

 「Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼」という連続殺人鬼を描いた映画では、奴なる存在が、ブルックスのパートナーとして、実在する人物のように描かれ、映画としてはそっちのほうがよく出来ていたものと思います。

Mr.ブルックス ~完璧なる殺人鬼~(特別編) [DVD]
ケビン・コスナー,デミ・ムーア,ウィリアム・ハート,レイコ・エイルスワース
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


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殺戮島

2013年11月17日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今朝はロシア製のヘヴィな人間ドラマを鑑賞しました。

 「殺戮島」です。

 タイトルからは、集団で殺戮を行う人々が住む島を描いたホラーのような印象を受けますが、まったく違っています。

 私が日ごろ好んで観る、幽霊やゾンビや吸血鬼、あるいはシリアル・キラーやサイコ殺人鬼が活躍する浮世離れしたホラー映画に比べれば、この映画の怖ろしさはどんなホラーにも勝るでしょう。



 近未来、全世界で死刑制度が廃止された結果、凶悪犯はことごとく終身刑となり、どこの国も刑務所不足に悩みます。

 そこでロシアが極寒の無人島を提供し、入植という名目で、囚人を島に送り込むのです。

 第1陣はロシアの囚人206名。
 そこには宿舎、暖房、ベッド、3か月分の食糧と暖房のための燃料が用意され、小さな教会まで建てられています。

 島に着くなり、チェンチェン人の囚人10名あまりが、組織だった動きでロシア人を数名殺戮し、権力を握ろうとしますが、相手は多勢に無勢。
 全員殺害されてしまいます。

 それを見た元パイロットで、妻子を殺された復讐のために6名を惨殺した男は、一人、宿舎から離れた場所で野宿生活を送ります。
 必ずロシア人同士で争いが起き、虐殺が行われると予想したためです。
 海鳥を捕まえては餓えをしのぎ、火を起こして暖をとりながら暮らします。
 そこへ刑務所で同じ部屋に収監されていた連続殺人鬼の若者が追ってきます。
 宿舎での暮らしは地獄だ、と言い訳して。

 二ヶ月半後、食糧が得られず、薪が無くなって暖もとれない状態に陥り、宿舎の裏に積まれている炭を盗もうと宿舎に戻りますが、捕まってリンチにあいます。

 宿舎は、モンキーと呼ばれる男が総督を名乗り、その取り巻きや元大工などの特殊技能を持つ者を支配階級にし、その他の者を支配します。
 囚人には全員赤いダウンジャケットが支給されていますが、リバーシブルになっており、裏返すと青になります。

 支配階級は赤、被支配階級は青を着ることとして差別し、毎日怖ろしいゲームを行います。
 青いダウンを着た者たちを四つのグループに分け、日替わりで一つのグループだけを免除し、他の者たちを宿舎まで走らせるのです。
 ビリになった者は、殺害され、食糧にされてしまいます。
 宿舎の入り口には人が殺到し、殴り合い、ビリになることを必死で避けようとします。

 どんな状況にあっても人は社会を作り、そこには利益を独占する支配階級が生まれ、搾取される多くの人々を恐怖で支配するのですね。

 これがあながち作り話と言えないことは、過去のシベリア抑留やナチによるユダヤ人虐殺を思えば当たり前のことでしょう。

 元パイロットはゲームを拒否することを被支配階級の人々に提案し、策略をめぐらせてモンキーを殺害し、差別を無くします。

 そこへ、大きな船がやってきます。

 食糧や燃料を満載して。

 おまけに米国からの入植者も大勢連れてきます。

 しかし米国の囚人とロシアの囚人は、船が去ったと見るやその日のうちに互いに殺し合いを始め、衛星から監視していた担当者は、もはや収拾が着かないと判断し、この計画を中止して全員刑務所に戻すことを提案しますが、上層部の判断は違っていました。

 軍を送り込んで、囚人全員皆殺しにせよ、というのです。

 この上層部の判断が、この映画でもっとも怖ろしいものです。

 本当に悪い奴は、入れ墨を入れて派手な格好をし、チンケな殺人など犯したりしません。
 スーツで決めて、しかし最も効果的に多くの人を殺害する計画を練って、合法的にそれを行うのです。

 最後、軍からの攻撃にも生き残った元パイロットら3人は、島のはずれに不時着したままになっている水上飛行機を発見し、これを修理して逃げ出します。

 しかし、軍艦に発見されて飛行機は銃撃されます。

 果たして飛行機は逃げ切れたんでしょうか。
 あるいは墜落?

 仮に逃げたとして、彼らに行くあてなどあるのでしょうか。

 ロシアらしい、寒々として、しかも不衛生な感じが陰惨で、ホラー映画のような法螺話とは違い、大分重苦しいものでした。

 よく中高年の女性が言う「人間が一番怖いのよ」とは、全く真実を突いているものと思います。

殺戮島 ザ・バトルロワイアル [DVD]
コンスタンティン・ラヴロネンコ,インゲボルガ・ダクネイト,マラト・バシャロフ,トミー・タイニー・リスター
アメイジングD.C.

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