下見の結果、来年度の7月のイベントは神田駅から徒歩数分の貸し会場と決まりました。
なんでも実際に見てみないと、インターネットやパンフレットだけでは分からないものですねぇ。
順調に下見を終え、帰宅したのが16時半。
借りてあったDVDを鑑賞しました。
「Pro9 治験」です。
これはホラーではなく、実話を基にした治験で起きた悲劇を淡々とつづったものです。
実話を基にした映画というのは、派手な盛り上がりには欠けるものの、異様な迫力があるものです。
田舎の森の中に建つ英国の製薬会社の研究所。
そこに、治験のために数名の男女が集められます。
報酬もそこそこ良くて、2週間、新しい薬が投与され、その安全性や副作用を見ようと言う、要するに金のために自ら志願したモルモットですね。
そこには治験に参加することで食ってきたという48歳の中年男から、暇だから、という理由でやってきた19歳の少女まで、様々です。
で、治験というのはそういうものらしいですが、何名かは新薬を投与されず、新薬と偽って毒にも薬にもならない砂糖だかなんだかを投与される者がいるんだそうで、その者が大活躍します。
新薬、Pro9の副作用は、精神的におかしくなり、非情なまでに凶暴になって、人を襲うこと。
新薬を投与した晩、次から次へと治験者がおかしくなって他の被験者や医者、警備員を襲う、という単純なストーリー。
副作用が出るまでの時間は個人差がありますから、副作用が現れていない者も、いずれ自分もああなる、と怯えます。
電話もインターネットも遮断され、外に出るドアさえロックされた研究所で、悲劇は続きます。
後に、副作用は17時間で治まるということがテロップで流され、この事件で6名が死亡したが、製薬会社は罪に問われていない、と報じられます。
何が怖かったと言って、最後のテロップが一番怖ろしかったですねぇ。
古くは心理実験の末に悲劇が起こる「es」とか、医学スリラーみたいなジャンルがあって、大抵は事実に基づいています。
es[エス] [DVD] | |
マリオ・ジョルダーノ | |
ポニーキャニオン |
新薬開発は病気に苦しむ人々にとって悲願だと思いますが、結局製薬会社は儲けのためには小銭欲しさに集まった貧乏な人間モルモットのことなどどうでも良いのだと思うと、新薬開発ということに付きまとう非人間性を嘆かずにはいられません。