市ヶ谷から四谷荒木町の界隈を散歩しました。
本当は新宿御苑で紅葉を見る前についでにちょっと寄ろうと思っていたのですが、意外にも趣深く、つい、荒木町をぐるぐると歩き回ってしまいました。
京都の路地もかくや、と思うぐらい細い路地にバーや居酒屋、寿司屋などが並んでいました。
小さなアパートの一室をリフォームしたと思しき喫茶店には、老いた老人客と老いたマスターが、きれいな東京弁で漫才のようなおかしな会話を繰り広げ、私は笑いをこらえるのに必死でした。
石川啄木の「ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」という歌を思い出しました。
標準語ではない、東京弁のなまりを、懐かしく感じずにはいられませんでした。
東京の東端を流れる江戸川こそ、私のふるさとです。
心に抱えた深い闇を、楽しい散歩は一時、忘れさせてくれます。
また明日から、闇に悩みましょう。
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