ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

秋の不気味

2009年11月14日 | 文学

 おのが身の 闇より吼えて 夜半の秋

 
今日は雨風強く、家で蕪村全集などめくっていました。

 冒頭は、秋の句です。犬に吼えられる情景を詠んだものですが、己自身の闇を感じさせて、どこか不気味な感じもあり、秀逸だと思います。

 秋は急激に陽が短くなり、夜の世界がこの世を支配するような、不気味な感じがありますね。冬になってしまうと、逆に寒くて外に出られず、冬ごもりの暖かさが感じられます。
 しかし秋は、生命力が奪われていくかのごとくです。
 蕪村には秋の句は少ないですが、これは秀句だと思います。

 私は少年の頃、晩秋の宵闇を散歩するのが好きでした。街へ出れば明るく、公園などに行くと心細いほど暗いのです。思えばそんな風にして、己の闇を見つめていたのでしょうか。
 中年となった今でも、闇の正体は不明ですが。


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