ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

これだってスイートポテトなんだっ!

2018-11-15 10:00:00 | クッキング

 思いがけなく大豊作だったからねぇ、サツマイモ。たった7,8本の苗から70kgもとれるなんて!ほくほくだ。芋が?いいいや、心がさ。喜び勇んで、まずは焼き芋、うーん、ちと甘み不足じゃなぁ。収穫後日光浴はたっぷりさせたんだがなぁ。育ち過ぎかもしれん。なんせ、一本が1kgとか2kgとか、化け物じゃぁ!ってぶっ魂消た代物だから、芋のやつ太るのに精いっぱいで、甘くなるゆとりなかったんだろう。

 と、なると、加工品だ。まずは大学芋。ずっと憧れ続けてきたからね、早速お試しだ。が、この顛末はすでに書いた。大目に作って保存しよう、って思惑だったが、あの溶かし砂糖のつやつやは一晩で芋に吸い取られ、ま、まずくはないが、地味ぃぃな揚げ芋になっちまった。こりゃ、冷凍して後々のお楽しみにゃぁならんわな。

 そろそろ寒さもじりわじわりと押し寄せて来てるしなぁ、芋も小屋の地べた置きから母屋の土間に避寒して来てる。もっと下がれば室内に、ってことになるんだが、生芋の保存ってやつは、思うにまかせないのだ。これまで、大切に保管したと思っていたら、すべてカビやら腐りやらで、袋がらみ廃棄!なんてことがほぼ通例だった。

 そうか、いよいよ本命のご登場だな。秋の実りって言えばサツマイモ、秋のスイーツって言えば、スイートポテトだろ。なぁに、ちょろい、ちょろい。サツマイモ蒸してつぶして、砂糖、バター、生クリームとかぶっ込んで、練って形作って焼く!ただそれだけのことだ。夕飯前の一仕事だ。以前、作ったことあるし。っても40年も前だけど。

 どうせ作るんなら、材料贅沢に使って高級品にしてやろうじゃないの。なんせ、自家製無農薬栽培のサツマイモなんだからさぁ、それ相応にリスペクトしてやらにゃ。なになに?レシピでは、バターは60g?よしっ、んじゃ80gだ。卵の黄身が2個、けちけちするな、3個行くぜ。生クリームも1本全部使っちまえ。砂糖も、ちょっと多め、最近、甘いものへの警戒心とんと失せちまってるから。

 おっとぉ!柔いぞ、これ。ドロドロじゃないか。そうか、芋をつぶした後でもっと乾煎りして水分飛ばすんだった。バターや卵も多すぎた。と、気付いたところで、あとの祭り、卵入れちまってるから、今さら火にはかけられない。仕方ない、あの御馴染みのノアの箱舟?形はきっぱり諦める。て、言うか、形にならんぜ、これ。

 天板に直に生地を置くのも心配だ。絞り袋に入れて、マドレーヌ紙型に絞り出すか。なんか、出来損ないのクッキー?洋風せんべい?腰砕けのマドレーヌ?いいの、いいの、形になんか捕らわれない。だいたいスイートポテトが船形だって、誰が決めたのよ、サツマイモの甘くまったりした焼き菓子、それがスイートポテトの定義だ!って、これ閣議で決定!決め手は味だから、美味しければ、すべては許される!

 おおーっ、さすが最高級品!絶品!!と、感嘆の声を上げたかったが、うーん、美味いにゃ美味いが、少ししつこいな、バターやクリームが芋の持ち味を押しのけてる。も少し芋の自己主張を聞いてやるべきであったなぁ。何がなんでもごてごて味付けりゃ高級になる、なんて成り上がり者の世迷い事、そんな気品の原理を忘れていたなんて、お恥ずかしい限りだ。反省、反省!

 よしっ、次回の挑戦は、この経験を生かして、本物の最高級スイートポテトを作ってやるぞ。まだまだどっさりこと芋控えてるからな。

 

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隠れた主役!衣装!!『ガード下★魔女は踊る』

2018-11-14 10:56:11 | 菜の花座

 もちろん、役者!もちろん、台本!もちろん、演出!芝居で大切なもの上げてったら切りがない。装置も道具も、パッと見で、その舞台の価値が決まっちまう。丁寧に作られた道具類、斬新なアイディアとそれを表現する舞台装置、どこまで観客の心に刺さるか、幕が上がった瞬間に、ほぼ芝居そのものの評価は決まちまうんだぜ。

 手抜きですかすか、冷凍食品一品の夕食みたいな装置、もうそれだけで、その先お付き合いする気を失う。豆腐ならいつでも湯豆腐、またかよ!って食欲は一気に減退する、そんなありたきりの舞台。いくら台本良くたって、役者が名演技したって、どこか引いてしまうんだなぁ。

 一目で評価が定まる装置や道具と違って、その良し悪しがじりじりと効いてくるのが、実は、衣装なんだ。どんな芝居でも何かしら着て出てるわけだから、余程突拍子のない組み合わせ、例えばすき焼きをお酢で食べるとか、をしなければ、致命的な違和感は生まれない。まっ、肉が美味けりゃ白菜入れたっていいか、てなもんだ。

 でも、芝居が進むにつれて、なんか、おかしい?なんか溶け込めない!って、舞台と客席にじんわりと裂けめが広がって行く。で、幕が下りれば、そこそこ満腹したけど、なんか物足りない、そんじゃ〆にラーメンか?なんてことになる。ここが衣装効果のしたたかな所なんだな。

 『ガード下★魔女は踊る』、魔女も出て来るが、ガード下にたむろするホームレスたちの役割が大きい。出番も多けりゃ、歌ったり踊ったりもする。と、なると、衣装だ、問題は。ホームレスだったら、汚れた服を重ね着してよれよれのコートを羽織って、それ以外ないだろ、なんて、簡単に結論に飛びつくようじゃ演劇の衣装は担当できない。本物出しゃリアリティある、なんてクソリアリズムはノンフィクションの世界。舞台上に薄汚れた衣服まとった役者見て、心地よいわけないだろ。まして、踊るんだぜ!ホームレスの姿借りて、描くのは人間なんだ。楽しく、夢のある世界なんだ。

 で、演出が出した無理難題は、たしかに汚れちゃいるが、どこかセンスがあって、華やぎのある衣装着せてあげてよね、ってことだ。ダンスでも映えるもの、それでいて間違いなくホームレス!どうだい、これ、頭悩ませるだろ。何度も何度もダメ出しくらって、ようやくたどり着いたのが、この一着。

 工夫したねぇ、考えたねぇ!これならホームレスの婆さんに見えるだろうし、踊っても華やかさ出せると思う。こういったのが、さらに4着!それと、偽教祖とかもいるし、劇中劇じゃ1948年の浮浪者ややくざ者なんてのも出て来る。衣装さんの腕の見せ所、まだまだ続くってことだ。

 

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蕪づくし

2018-11-13 09:40:15 | 食べ物

 秋野菜、生育順調、よしっ!

 白菜はやや遅れ気味、畑の肥料気を見誤って追肥が遅れたせいかな。でも、この暖かさが救いだぜ。霜もまだ降らない、雪の便りも聞こえてこない。あと、2週間近くはおがり続けるだろうから、どっしり丸々、結球白菜、とれるだろう。大根もすでに、芋煮、豚汁、おでんと大活躍だし、保存用にも十分回る。人参も収穫時だ。

 失敗は、小松菜と茎立ち、育ち過ぎ!でかっ!去年の反省から早めに、って、いくらなんでも播く時期早過ぎた。もう、恐竜時代の密林の下草のように繁茂しちまってる。ここまで大きく育つと、山羊さんのえさだな。人間にゃ歯ごたえあり過ぎ。まっ、このまま冬越しさせて、春の董立ちをいただくって手だな。

 思惑通り、それ以上、期待を裏切る活躍をしてくれてるのが、蕪たちだ。小蕪はもうすでに1か月近く、味噌汁の主役として君臨している。春の作だと、葉っぱが虫食いでレース状になるんだが、この秋は、ピンピン虫たち何故か、白菜の方に偏食して、蕪の葉はきれいなもんなんだ。先行の小蕪を追って、大蕪と赤蕪も見事な生育を見せている。このまま勢いに任せちゃお化け蕪に成り兼ねん。少し小さめに収穫するか。

 大蕪と赤蕪はもっぱら漬物用だ。大蕪は煮たっていいんだが、ちょっと味が大味だし、身のしまりがない。薄切りにして三五八に漬け込もう。

 三五八は初の試み、果たしてどんな具合に仕上がるか。

 赤蕪は言うまでもないぜ。甘酢漬けだ。塩で下漬けなんてせず、一気に甘酢に放り込む。

 軽く重石をしておけば2,3日で食べ始められ、そのまま一冬楽しむことができる。お酢って大したもんだ。微生物を完全にシャットアウトしちまうからね。赤蕪のつけ汁は、さらに酢と塩と砂糖を加えてやれば、第2弾、第3弾にも使える。これも甘酢漬けのいいところだ。

 今日の朝食、小蕪の味噌汁に赤蕪の甘酢漬け、大蕪の三五八漬け、おっと、忘れちゃなんねえ、小蕪のぬか漬けもあったんだ。蕪づくし、蕪が頼りの秋の食卓ってことだぜ。

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オープニングでがしっとつかめ!『ガード下★魔女は踊る』

2018-11-12 09:45:39 | 菜の花座

 幕が上がって5分、ここが勝負だ!って蜷川幸雄大先生の教え、大切にしてるのよ。以前、彼の『リチャード三世』を見て、ぶっ飛んだ。台本なんてお構いなし!のっけから大量のゴミやら死体やらが天空から落ちてきて、その乱雑な街路を白馬が疾駆する。おおーっ!ここまでやるか!やっていいのか!!一気に劇世界に引きずり込まれた。

 菜の花座、このセオリー、忠実に踏襲してるからね、オープニングにゃ乾ききった雑巾頭を振り絞る。いくらぎっぎっと絞り上げても、所詮はぼろ雑巾、滴り落ちるのは汚れ水の一滴、ああ、情けない!が、やらないより試すが大事。最初の5分で観客の頭脳を覚醒させたい!なんて、気負ったところで、できるのは音楽やダンスで幕開け程度でしかないんだがね。それが劇団の持ちネタなら、効果的に使い切りたい。

 前回の『予兆 女たちの昭和序奏』じゃ、昔懐かし銀座の柳「東京行進曲」のレコードで舞台を開けたが、今回は生音だ。へぇーっ、何使うの?曲目は?それはさすがに教えられない。ネタバレ厳禁!お楽しみ!!ただ、出し方とか見せ方にゃぁ工夫はしてる。

 仕込みネタ一つじゃ物足りないかな、ってさらに強烈に追い打ち。こっちはダンスだ。なんだ、またかい、菜の花座のファンからはそっぽ向かれそうだが、そこはこっちだって考えるさ。

 まず、曲が、あれだろ。で、ダンスが、こうさ。って何だい思わせぶりだけの出し惜しみかい。す、すまん、バラしちまったら、必死に稽古してる劇団員にごしゃかれる(怒られる)。だったら、どうして書くんだよ。それはさぁ、みんな夢中で稽古してるってこと知ってもらいたかったからさ。

 なんせ、リズムが速い、振りが複雑、踊り手シニア!と三拍子揃っちまったものね。泣き言わめき散らしながら食らいついてるんだ。指導する若手も自分が踊るのに精一杯。いやぁ、先が思いやられるよ。

 この他にダンス、6曲もある、って、大丈夫かい?それも、歌いながら!!これから40日弱、って言っても、稽古日数はその半分、厳しい!でも、やるしかない!ビデオとか機器も最大限活用して追い込みだ。

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これやんなくっちゃ冬は迎えられない!

2018-11-11 09:22:49 | 暮らし

 今年は暖かくって、助かるなぁ!去年はたしか今頃初雪が降って、タイヤの交換だなんだって騒いでたぜ。気温だけじゃない。天候の方も、恨めしく雨空を見上げる、なんてないからな、これも大いによろしい。お陰で、秋仕舞い、冬支度が順調に進んでる。

 ハウスの片付けもあらかた済んだし、タマネギ苗の移植、ニンニク種の植え込みも終わった。そうそう、燻炭作りも早々と片付いた。あと残るは、白菜、大根、人参、赤かぶ、大かぶ、山形青菜の収穫と漬け込み、それと雪囲い、タイヤ交換。まだまだあるが、まだ11月も前半だし、ゆとり、ゆとり!

 この余裕、冬を迎えるにあたって、何はさておきやっちまわにゃならん作業が、さっさと終わったからなんだ。絶対避けて通れぬ冬支度!なんだ?ほとんどの家庭で無縁な仕事、なんだ?子どもの人参、ピーマンみたいに避けて通りたいこと、なんだ?

 便所の汲み取りなのよ。なっ、やりたくねえだろ?なっ、どこもやっちゃいないだろ?でも、絶対必要だろ。便壺を空にしないことにゃ、一冬、おちおち暮らせやしないんだから。やらにゃなぁ、逃げてばかりはおれんよなぁ、秋ともなれば、このやんなきゃお化けが肩にのし掛かって辛いんだ。冬の西風が吹き荒れる前になんとしてもやっちまわねば。

 この難題に突っ込んで行くには、二つの事前準備が欠かせない。まずは、発酵助剤の米ぬかを集めること。コイン精米所を回って集めるんだが、最近は米ぬかも超人気、どこも奪い合いで、行ったからって必ず貰えると限らない。何度も日参して、ようやく必要な量が手に入る。

 汲み上げ糞尿を吸収させて発酵堆肥にするもみ殻も必要だ。まっ、こっちの方は、農協を通さず直販している米作農家の知人から分けてもらえる。にしても、出かけて袋に詰めてトラックに押し上げて持って来る、って手間はある。

 今年は、この事前準備で蹴つまずくことなく、流れ作業のスムーズさでことが運んだ。と、なりゃ、ちっとばっかし風強くたって汲み上げしちまおうぜ。幸い南風だ。これなら、臭い飛沫が我が身に飛んでくることはない。肥柄杓を便槽に突っ込み、掬っては、もみ殻米ぬかミックスの上にぶちまける。

 何度も、何度も、何度も!腰を屈め、腕を伸ばし、柄杓を突っ込む。柄杓を満たし、そろそろと持ち上げて、すぐ横の堆肥積み場に撒く。ああ、これってマラソンと同じだぜ、っていつも思う。諦めることなく休むことなく続けることで一歩一歩ゴールに近づいて行く。やってもやっても便壺の中身は減ったように思えないが、ただただ黙々と続けるしかない。歩けば遠のく、止めればそれっきり。

 背筋が強張り、腕に痛みが走るころ、ようやく汲み取り完了。堆肥の上をさらに籾殻で覆って、臭いを防ぎ、ビニールを被せる。これまではここですべて終わりにしていたが、今年は、汲み取り口をビニールで覆う作業も行った。去年、春先の土砂降りで、積雪が一気に融けだし便槽に流れこんでしまった、その対策としてだ。融けた雪と雨で床下浸水?まではいかんが、なんて初めての体験だった。いやぁ、苦労したぜ、汲み取り口の周囲うず高く積もった雪をかき分けて汲みだしたんだから。周囲に溝も掘ったし、これで大丈夫だろう。

 さっ、これで一番の難関を突破した。あとの冬支度はしなくたってなんとかなる。ただ不便にゃなるがね。でも大丈夫!まだまだ今日も暖かい。幸せだ!このまま12月まで雪と寒さが足踏みしてくれるといいんだけど、って、雪国に住まう人たちの思いは一つだぜ。

 

 

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