ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

こだわり捨てて美味しく変身!ごはんパン!!

2018-11-10 09:18:10 | 食べ物

 米つくり農家のくせしてパンが大好き!って、うーん、これ葛藤もんなんだぜ。米、余らしといてパン食うのかよ?食えよ米、苦労して無農薬で作ってんだろ!

 そ、そうなんだよ。だ、だがなぁ、あの香ばしいパンの香り、しっとりとした小麦の歯ごたえ、噛みしめるほどににじみ出る味わい!好きなものは好きなんだぜ。

 自家産米も消費しろ、パンも食いたい。で、飛びついたのが、ごはんパンだ。小麦粉主体の生地にごはんをすり潰したペーストを加えて練り上げる。どうだ、これなら!米も減る、パンも食える!と、頭と味覚とのせめぎ合いから生まれた妥協の産物ごはんパン。これが思いもかけぬ美味しさだったのだ。しっとりふんわりとした食感、何より香りが素晴らしい。小麦粉プラス米、この相性の良さは抜群だ。

 パンとごはんの運命的出会い以降、月に2度3度、ごはんパンを焼き続けてすでに5年になる。目的が目的だから、ごはんの量は極限まで多くしたい。かと言って、パンの食味が損なわれちゃ意味がない。そのぎりぎりの配合割合が、小麦粉1キロに対してごはん500グラムというものだった。これ以上でもできないこたぁないが、かなり我慢して食うことになる。そうそう頭に従ってもいられない、美味いものを食う、これが暮らしの精髄なわけだから。

 だが、どうも、マンネリだ。以前ほど焼き上がりに感動が沸き上がらなくなってきた。作り置きしたパンも冷凍庫で出番待ちの時間が長くなってきた。なんかなぁ、もう一息だよなぁ。

 で、今回、小麦粉をはるゆたかブレンドから香麦に変えたのをきっかけに、配合も見直してみようかい。いいんじゃねえか、ごはん量少なくたって。上げる人増えて、我が家産のコメ余り状況も解消してきたことだし、ごはんの配合割合を減らしてみっか。小麦粉1キロに対して300グラム、思い切った減量だ。

 工程はほとんど変化なし。以前よりも生地がべたつくし、あっ、もちろん、手ごねだからね、こりゃあまり期待できんかな?発酵の過程でへたったりするんじゃないか。香麦、安いからなぁ、こんなもんか。

 なぁんて、バカにしてすまん!焼き上がり上々のできだぜ。食パンもしっかり窯のびしてるし、アンパン、クリームパンも腰高の外観に焼き上がった。

 どりゃどりゃ、お味の方は?おっ、うおっ!これは、いけるじゃありませんか!香りもごはん臭さが無くなり、何より歯ごたえがしっかりしてる。美味い!間違いなくこれまでの配合に打ち勝った。焼き上げたその日のうちに、食パン半斤菓子パン4個、夫婦で競って平らげた。

 そうか、そういうことだ。ごはんを多く入れるってことにこだわり過ぎてたってことだぜ。頭でっかちだよなぁ。思想で食うなって!こだわり捨てれば、上手く行く。こびりついた既成概念拭い去ってことに当たる、これ大切なことなんだよ。行き詰まったら、それまでの当然を捨ててみる、こういうことだな。仕事も人生もパン焼きもみな同じ。

 と、ごはんパンについちゃこれで上手く行った。だがなぁ、やっぱり、こだわるってことも重要なことじゃあるんだよ。例えば、極力手作りに徹するとか、ほれ、このアンパンの餡だって、自家製小豆を自分で炊いたものだし、カスタードクリームだってその都度作ってる。いやいや、それ以前に無農薬の農業だって、とことんこだわるから続けられる。こだわりってのは、生き方の信念でもあるわけだから簡単にゃすてられねぇ、って矛盾してるよな。うん、それが人生だ!

 

 

コメント (1)
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