ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

これやんなくっちゃ冬は迎えられない!

2018-11-11 09:22:49 | 暮らし

 今年は暖かくって、助かるなぁ!去年はたしか今頃初雪が降って、タイヤの交換だなんだって騒いでたぜ。気温だけじゃない。天候の方も、恨めしく雨空を見上げる、なんてないからな、これも大いによろしい。お陰で、秋仕舞い、冬支度が順調に進んでる。

 ハウスの片付けもあらかた済んだし、タマネギ苗の移植、ニンニク種の植え込みも終わった。そうそう、燻炭作りも早々と片付いた。あと残るは、白菜、大根、人参、赤かぶ、大かぶ、山形青菜の収穫と漬け込み、それと雪囲い、タイヤ交換。まだまだあるが、まだ11月も前半だし、ゆとり、ゆとり!

 この余裕、冬を迎えるにあたって、何はさておきやっちまわにゃならん作業が、さっさと終わったからなんだ。絶対避けて通れぬ冬支度!なんだ?ほとんどの家庭で無縁な仕事、なんだ?子どもの人参、ピーマンみたいに避けて通りたいこと、なんだ?

 便所の汲み取りなのよ。なっ、やりたくねえだろ?なっ、どこもやっちゃいないだろ?でも、絶対必要だろ。便壺を空にしないことにゃ、一冬、おちおち暮らせやしないんだから。やらにゃなぁ、逃げてばかりはおれんよなぁ、秋ともなれば、このやんなきゃお化けが肩にのし掛かって辛いんだ。冬の西風が吹き荒れる前になんとしてもやっちまわねば。

 この難題に突っ込んで行くには、二つの事前準備が欠かせない。まずは、発酵助剤の米ぬかを集めること。コイン精米所を回って集めるんだが、最近は米ぬかも超人気、どこも奪い合いで、行ったからって必ず貰えると限らない。何度も日参して、ようやく必要な量が手に入る。

 汲み上げ糞尿を吸収させて発酵堆肥にするもみ殻も必要だ。まっ、こっちの方は、農協を通さず直販している米作農家の知人から分けてもらえる。にしても、出かけて袋に詰めてトラックに押し上げて持って来る、って手間はある。

 今年は、この事前準備で蹴つまずくことなく、流れ作業のスムーズさでことが運んだ。と、なりゃ、ちっとばっかし風強くたって汲み上げしちまおうぜ。幸い南風だ。これなら、臭い飛沫が我が身に飛んでくることはない。肥柄杓を便槽に突っ込み、掬っては、もみ殻米ぬかミックスの上にぶちまける。

 何度も、何度も、何度も!腰を屈め、腕を伸ばし、柄杓を突っ込む。柄杓を満たし、そろそろと持ち上げて、すぐ横の堆肥積み場に撒く。ああ、これってマラソンと同じだぜ、っていつも思う。諦めることなく休むことなく続けることで一歩一歩ゴールに近づいて行く。やってもやっても便壺の中身は減ったように思えないが、ただただ黙々と続けるしかない。歩けば遠のく、止めればそれっきり。

 背筋が強張り、腕に痛みが走るころ、ようやく汲み取り完了。堆肥の上をさらに籾殻で覆って、臭いを防ぎ、ビニールを被せる。これまではここですべて終わりにしていたが、今年は、汲み取り口をビニールで覆う作業も行った。去年、春先の土砂降りで、積雪が一気に融けだし便槽に流れこんでしまった、その対策としてだ。融けた雪と雨で床下浸水?まではいかんが、なんて初めての体験だった。いやぁ、苦労したぜ、汲み取り口の周囲うず高く積もった雪をかき分けて汲みだしたんだから。周囲に溝も掘ったし、これで大丈夫だろう。

 さっ、これで一番の難関を突破した。あとの冬支度はしなくたってなんとかなる。ただ不便にゃなるがね。でも大丈夫!まだまだ今日も暖かい。幸せだ!このまま12月まで雪と寒さが足踏みしてくれるといいんだけど、って、雪国に住まう人たちの思いは一つだぜ。

 

 

コメント
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