頼まれて撮ったビデオの編集作業、みっちりの内容をDVD2枚に盛り込むって大変!踊りは絶対削れないし、司会者の紹介も入れておきたい。最後のフィナーレ、これは絶対外せない、うーん、来賓祝辞はカットだな、でどうにか収まった。
改めて見直しながら、じっくり再生したのは、少女が踊った『夢芝居』!
ロリコン?違うぜ。この踊り、置農演劇部演歌ショーの花形だったんだ。藤柳美香次先生に振り付けしてもらったものを部内でも巧みな踊り手が代々踊り継いで来た。少女の、恋や舞台への切ない思いやためらいってものが艶やかさの中にしみじみと伝わる名曲、いい舞踊だなぁ!
なんかも一度、菜の花座の舞台で披露してみたいって衝動にかられるよ。演劇部時代、この曲の踊り手だった子が団員にいるから。よぉーし、来春の公演はまた「流れ旅・紅座」シリーズだな。
なんだよ、たった1曲で芝居の出し物決めるのかよ?!
いやいや、今回の発表会で名取を襲名披露したHさんは菜の花座のスター女優だし、彼女を座長役としてすでにシリーズを2回掛けて来たからさ。先の公演じゃ、日舞の踊り手不足で、美香次社中の皆さんに手伝ってもらったけど、劇団内に名取さんがいるんじゃ、たっぷり実力発揮してもらえるじゃないか。舞踊もたっぷり盛り込んで、旅芝居一座の悲喜こもごも、味わってもらえるさ。
もう一つ驚き!あったのさ。
職場の大先輩が舞台を踏んでいたことだ。たしか、自宅に能舞台と弓道場を持つ彼は謡曲の先生、弓の達人、何を今さら演歌舞踊なんだ?頼まれ出演なのか?と思ったら、なんと!3年前に弟子入りしたってことなんだ。しかも80歳を目前にして!
『これぞ天下の上杉節』他1曲を見事に舞いおおせた。さすがに、能の素養があるから、姿勢もシャキッとしているし、所作も決まっていて、とても3年そこらの修行の人とは思えない見事なものだった。
なんとなぁ、80歳にして新たな手習いだよ。こりゃ、考え方を改めにゃならんぜ。後期高齢者の仲間入り、なんて演劇からも尻込みしてる自分、なんてだらしないだ。まだまだやれることは沢山残ってるんじゃないか!
そうだ、師匠の美佳次さんだって、あの御歳にして、驚異の若々しさと美しさを保っている。今回の踊り納め『俵星玄番』など長い槍を縦横に振り回し、仇討ちにはせ参じる赤穂浪士を表情豊かに演じ切っていた。
彼女もその道に入ったのは退職後だって聞いている。
菜の花座のHさんも同様だし、この先、ますます才能を開花させていくことだろう。
そうか、仕事に追われて何か精進するものが持てなかったとしても、悔やむことはないんだ。まだまだ先がある。第2、第3の人生を色とりどりに賭けていけばいいんだ。
と、なると、こっちもなんか考えなくっちゃなぁ!