ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

あぁ、『ペーパーハウス』見終わっちゃった!

2021-12-28 12:03:15 | 映画

  とうとう見終わっちまったよ、『ペーパーハウス』!重症じゃないけど、ペーパーハウスロスに陥ってるな。この先、よほどの作品でないと、途中キャンセルになりそうだぜ。1カ月以上も没頭してきたからな、もはや、強盗メンバーたちは身内、の感覚だぜ。この先、ちょっぴりネタバレあり、要注意!

 ラスト近くに教授の甥が登場して来たから、さらにシーズン6への布石か?と思ったら、最後の最後に驚きの仕事ぶりで締めくくった。

 それにしても、見せ場の多い、見事な作品だった。人物も個性的で魅力たっぷりだったし、絡みややりとりも様々胸に迫るものばかりだったが、印象的な映像が随所にあった。トーキョーが、警察の手を逃れて仲間が閉じこもる銀行に突入するシーン、背後からの銃撃をものともせずバイクで正面階段駆け上がって行く。いやぁ、カッコよかったねぇ!あれは絶対、映画史に残るぜ。ナイロビの葬送も良かった。亡くなった仲間の棺を人質の警備員に担がせて、厳かに送り出す。それって、まさか!だったし、その様子を中空からの俯瞰で撮ったのも、政治家とか王族の弔いのようで厳粛な雰囲気を醸し出していた。ナイロビの切ない過去や淡い願いを、事前に丁寧に描いていたから、なおのこと涙を誘った。強盗の死に涙する、ってなんだよ!凄いぜ。

 上空からの描写では幾つも名場面を生み出していたが、教授が投降するシーンも息詰まる緊張感と、事破れた者の言いようのない激情の嵐がぐっと詰め込まれていて胸を打った。

 にしても、まさか、教授を含め全員が捕縛されるとは思わなかった。物語の流れから言って、この強盗は成功するものって信じて疑わなかったからね。でも、期待は裏切らない、それがペーパーハウスだぜ。九死に一生、絶対絶命からの脱出!まっ、ちょっとこじつけぽい感じはしたけど、いいよ、ここまで、楽しませてくれたんだ、少しばかりのいかさまにゃ目をつぶる。最後までスカッとさせてもらってありがとう、だな。

 素晴らしいエンターテインメントてのは、虚実の合間を描き切るんじゃなくて、虚を矢継ぎ早に織りなして、まったく別の世界を生き切らせてくれる、ってものなんだな。生半可の情緒、お涙頂戴なんかに頼り切っちゃいけない。それはそれとして必要だが、的確に印象的にスポット的に描いてすぐに次のエピソードにつなぐ、この展開の素早さが今のエンタメには必須なんだと思う。

 1エピソード50分程度の中に、必ず3っつの異なるストーリーが併進する。しかも、どれもが、緊張感を孕んだものだ。この異空間、時には異時間の描写を行きつ戻りつすることで見る者の興味を引っ張りまわして行く。これが、すべてのエピソードで実現できたってことに驚く。1カ月以上もの長い間、もっいいか、とか、飽きたな、とか、別のもの見たい、とか一切感じなかった。夜10時ともなれば、ペーパーハウスの仲間たちが待っているワクワク感、これだぜ。

 そうなんだ、こうやって、勝手に引き回して欲しい!一瞬たりとも、タルイなぁなんて感じさせないスピード感、斬新さ、驚き。選り取り見取り、有り余るコンテンツの中から、選ぶとすれば、もはやこの疾走感なくして選択の対象にはならんだろうな。

 ペーパーハウスについては、まだまだ書きたいことがある。例えば、ラストの謎のメッセージ。「レジスタンスの者たち続け」これは意味深長だぜぇ!これについては、多分、次回。

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