ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

半自動?半手動?播種機と大奮戦!

2018-04-24 09:40:43 | 農業

 さあ、イネの種まきだ。準備万端、抜かりなし!朝一の仕事は、土混ぜ機を借りてきて、育苗土を作ること。畑土10キロを2袋にボカシ肥5キロ、燻炭半袋、それに微量要素剤・力素を250グラム、これを直径1メートルほどの巨大ミキサーにぶち込み、ぐりぐりと攪拌する。混ざったならば、取り出して移動のために袋詰め。この作業を12回繰り返して、土作り完成。

 さてと、問題の種蒔きだ。数十年前に貰い受けた超中古の播種機、機械屋さんからも見放され、買い替えるか、リースでしのぐか、どっちかだ、と宣告されてすでに数年、今年も不調が大いに予測される。どこが悪いって、そこら中なんだが、中でも、種まき工程での箱の送りが上手くいかない。普通の播種機を使ってる人だと、えっ?なんで??と不思議に思われる部分だが、我が家の機械は共立のポット苗用、なかなか複雑な仕組みになっているんだ。

 1枚に縦32、横14の計448個の穴が開いたポット育苗箱を使う。この穴に土が満たされ、それをイボイボのついたローラーが回転して、転圧する。できた土のくぼみに種が数粒落ちる。箱はさらに送られて、種の上から再度イボイボローラーで転圧され、最終段階に流れて上土で覆われて出て来るという構造になっている。イボイボローラーがぴたりと穴に入るように設計されているのだが、このタイミングが狂ってしまっているのだ。

 そこで、土が入って流れて来た箱を手作業でグイとローラーに押し込んでやらねばならない。これはもう去年から覚悟の上、開始からしばらくはそれで順調に進んで行った。ところが、20枚ほど播き終えた頃から俄然調子が悪くなってきた。種が落ちた後の転圧イボローラーの方も食い込めなくなってきたんだ。こ、これは、困ったことになったぞ、前後のローラーに押さえつけられたまま、箱が止まってしまう。なんせ、箱自体が柔軟にできているので、酷い時には、ローラーに巻き付いたり、後から入ってきた箱に上に乗っかられたり、散々の状況!その度にローラーを外す厄介な作業の連続だ。これは参った!この調子じゃ今日中に終わらぬぞ!と、不安に襲われつつ、出てこないなら、引っ張り出したらどうだ?と、半分顔を覗かせた箱を力任せに引き出してみた。

 うーん、固い、重い、イボローラーが変に食い込んだ箱はなかなか出てこない。が、ここはどうでも引っ張り出すしかいな。どうにか引き出した箱は種の落ち方も不揃い、仕方ない、機械は一旦停止。手作業で種の投入、終われば土掛けの工程に手送り。両手で力一杯引っ張り出し、止めて種の補充、上土掛けに工程に送ってやる、こんな手動作業を繰り返すうち、なんとなく機械の気分も伝わってきて、力はいるがスムーズに引き出せるようにもなり、種も満遍なく落ちるようになった。機械の声を聞き、箱の進み具合を敏感に感じ取り、必要最小限の手助けで済むようになった。何事もコツってやつはあるもんだ。機械の機嫌を推し量る、なんて熟練職人技だぜ。動いちゃ止まり、流しちゃ停止、でどうにかリズムに乗って、夕刻前には300枚程度の種蒔きが終わった。ハウスに並べて、浮いた種の上に土を掛けて、水を撒いて、

 ワリフと断熱シートを掛けて、すべて終了。5時30分。

 こうなると、この播種機、機械って言えるのか?少なくとも自動機械じゃないよな。半自動、いいや、半手動だよな。なんて、こき下ろしちゃみたが、これでもやっぱり全て手作業に比べれば格段早い。まっ、今でも動いている方が不思議なくらいの奴だ、ありがたく感謝して、来年に引き継ぐとしよう。数時間にわたる中腰、力任せの引き出し作業で、腰は曲がり切り、手や肩はパンパン!でも、終わったから、今年の米つくり第一歩、まずは無難?に踏み出せたから、今日は、自分を褒めてあげる日だな。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする